電車の運転士さんになりたい!


自己紹介を、

大学を卒業し鉄道の運転士になりたく鉄道会社に入社して早3年。駅員を経て今は車掌をしております。

流行り病のおかげで今年はボーナスも少なく、この先の生活さえ不安になる年末を迎えようとしています。


今回noteを投稿しはじめたのは、12月中旬から始まる動力車操縦者(いわゆる鉄道の運転士)になるための研修に向けて色々と思うこともあるだろうと、その自己顕示欲を放出したく書き出しました。


そもそも小さい頃から鉄道が好きだった私はいつのまにか鉄道の運転士になることを夢見ていました。

朝の5時に叩き起こされ、轟々と通過していく貨物列車を見て喜ぶ私を見て微笑む祖父母の顔は今でも記憶の断片として残っています。


鉄道の運転士という夢が確立したのは、小学4年生の頃でした。当時母から私立中学への入学を勧められていた私ですが全く勉強に興味のない私をその気にさせたのは母の言葉でした。

「私立中学ぐらい行けないと○○(当時行きたかった鉄道会社)には入れないよ」

何の根拠もないその言葉が私の意地に火をつけたわけです。

そしてまんまと母の戦略に乗せられ私立中学へ

そんなことも忘れ楽しく過ごした中高の6年間は今でも戻りたいくらいです。ただ最後の2年間は進路に大きく悩まされました。


大学進学を前提とする空間は高卒での社会人入りという概念を消し、幼い頃から行きたかった鉄道会社への推薦枠がうちの高校にあることすら気にならなかったほど大学進学に拘っていたのです。


結果的に私は大学受験を失敗しました。

目指していた国公立には行けず、行く気のない私立大学からしか合格を頂けませんでした。中学から私立に行っていた私は少なからず両親の負担を考え国公立に行きたかったのですが…。浪人して良い大学へ行ける自信もない私は私立への進学に甘んじました。

しかしその学歴コンプレックスは私の就職活動のバネとなりました。


「電車の運転士さんになりたい!」


この夢だけは諦めきれなかった。

物心ついた時から変わらないその夢だけは追い続けたかった

大学入学後もその糸口を探していました。


私が目指していた鉄道会社は誰もが知るあの会社。無論鉄道に興味がなくとも学生からの人気が高いことは承知の上でした。私の大学からの就職者は数少なく、また技術系の採用がほとんどでした。

私が目指していたのは運輸職。つまり運転士になるためのコースでしたから、技術系への卒業生の就活記事は参考になりませんでした。


そんな中、大学3年生で履修していた就職活動を支援する講義の講師面談でのアドバイスが今の会社を受けるきっかけになりました。


「やりたいことがあるなら地域は絞るな」


鉄道の運転士は今では悲しいことに下火になっていますが、昔から子供たちのなりたい職業の上位に喰い込む職業の一つ。目指す人間は"ごまん"といる中でチャンスを掴めるのは僅か。その中に入るためには地域に拘っている場合ではないのだなと感じ、さまざまな地域の鉄道会社を受けることを心に決めました。


私たちの就職活動の本番は大学4年生になる前の春休みから始まりました。さまざまな鉄道会社にエントリーし日本全国飛び回りました。

その中で私を拾ってくれたのは大学3年になるまでは考えてもいなかった会社でした。そうあの講師に言われるまでエントリーすら考えてなかった弊社です。


なぜ採用してくれたのか、なぜ私なのか。

今でも不思議で仕方ないですが、「電車の運転士さんになりたい」という夢を叶える舞台はここなんだと神様に言われたような気がしました。二つ返事で内定を承諾。翌年に入社しました。





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