誘惑の危険なリズム
日系二世として南米ボリビアで生まれ、歳が二ケタになる頃に日本に来たあなた。南米と日本の文化が混ざったあなたは、ペルー出身のバンドの曲をよく聴いていたね。理由を尋ねると、南米の香りがするからって言っていたのを覚えているよ。
あなたが彼を別れたばかりの頃、南米出身のクリスマスパーティーがあるからと言って、私をそのパーティーに連れて行ったよね。
去年までは彼と来てたんだけどって言っていたあなた。私を連れ出した意味なんだったのかな?
パーティー会場、ラテンのハイな雰囲気に付いていけない私の手を引き、無理やり踊らされたを今でも覚えているよ。
「ほら、わたしの手を握って、右手は腰に回して。 もう少し下」
腰に回した私の右手を、あなたは掴んで位置を下げた。
あなたは、私の耳元で「来年は彼女作って来てね」と私に言う。
なんて答えればよかったのかな?
あなた、女
わたし、男
わたし、年上
あなた、年下
でも、その日は全てが あべこべ だった二人。
あのパーティで、私の答えが違っていたら、今こうしてこのような文書を書いなかったかもしれない。
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