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不仲だと思っていた両親の絆

友人が、ガンになり緊急入院した。
花粉症のための血液検査で、たまたま早期発見が叶ったらしかった。

「まだ若いのに…」「まだお子さん小さいのに…」という言葉はどうして人をこれほど動揺させるのだろう。

友人は、昨年第一子を出産し、職場に復帰したばかりだった。自覚症状のない元気な彼女のまま、本当にバタバタと仕事の引き継ぎを終え、検査の翌日から入院生活となった。

彼女に心配をかけないように、私は自分のことに集中しよう、と思っても、1日何も手につかなかった。共通の友人とも何も話したくなかった。ショックを受けていたことを知った。

 ◇

職場の同僚に、子育てのために一度退職し、今年戻ってきた人がいる。彼女は、ファイファー症候群という先天性の疾患を持つお子さんを6歳で看取ったばかりだった。

彼女は子育てブログを書いていて、彼女自身の感情や経験、お子さんの可愛さや、お子さんへの思いが読者に寄り添い、他の人の救いになっていることが手に取るようにわかった。

普段、お客さんのために文章を書いている私には、すごく新鮮に映った。

 ◇

私の両親はあまり仲がよくない。幼い頃は、2人がなぜ結婚したのか不思議でしょうがなかった。
母が私を叱るとき、「そんなことしてるとお父さんみたいな大人になるよ!」と言われて育った。

けれど、父が仕事を失ったとき、母は痩せて足のサイズが変わるくらい身を粉にして働いたし、母が病気になったとき、父はほぼ全ての家事ができるようになった。
そんな両親は結婚34年目、私には見えない絆で繋がっていたことは確かだった。

本当に、人生はいろいろなことがあるな、と思う。仕事や年収、心身の健康、子を持てるかどうかのタイミング、スペックなんて、なんて不確実なものだろう。
不測の事態が起こったとき、どうしたら2人で幸せになっていけるのか?探し続けることが、私の目指すパートナーシップだ。

毎年原田家ではスルーされてきた父の誕生日には、最近血糖値への指導が入ったらしい父のために、低糖質ケーキを贈るつもりだ。
父にバースデーカード、母にはケンカしないで食べてね、の手紙、兄にはソファー買い替えよろしくね、の手紙を添えて。

家族の在り方を見直すきっかけになった母の病気は、数年経った今では、本人には申し訳ないけれど、悪くなかったのかもしれない。

大変なことのように見えるどんな経験も、得難く、豊かな人生の一部だと、確信のように思っている。

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