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「非モテ」からはじめる男性学という本を読んだ

西井開の「非モテ」からはじめる男性学(集英社新書)を読んだ。

・概要
モテないと悩む人は、女性と親密になれない以前に、からかわれたり理解されなかったりして元から孤立感を抱えていることが指摘されていた。そして、女性は受け入れてくれる存在という偏見もあり、恋人ができれば一発逆転だぜ!と執着するけど、アプローチが押し付けがましくてポジティブな妄想に準じているため上手くいかず、さらに孤立感を深めるという説明があった。

「非モテ」とは、「からかいや緩い排除を通じて未達の感覚や疎外感を抱き、孤立化した男性が、メディアや世間の風潮などの影響を受けながら女性に執着するようになり、その行為の罪悪感と拒否された経験からさらなる自己否定を深めていく一連のプロセス」として描き出すことが可能となった。(p.167)

・反省
自分も「そんな態度だから好きな女と愛し合えないんだろ?!」とか「は?彼氏と性的に関係するのが嫌い?意味が分からないのだが??」みたいに、男女問わず恋愛に付随した話題で相手の価値観を否定してしまうことがあるから、他人の生きづらさに加担していたって分かって心から申し訳なく思った。犯罪は止めるけど、「君がよければそれでいい」と思えるように修行する…。

・身近な話題
これは私の友人と兄弟と同僚と上司と電車で向かいに座った人とスワイプして消した人と(リストはまだまだ続く)に関する研究だった。問題の設定の仕方を見直す賢さと、痛みをさらけ出す勇気と、否定せずに対等な立場で話を聞く優しさが要るんだろうね。

・女性学との差
これまで女性として生きる大変さは語られてきたけど、男性のそれはまだ全然。男も女もどちらでもない人も、みんな大変だねっていたわり合える優しい時間を過ごしたい…。

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