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かくかくしかじか日記〜新薬師寺・元興寺〜

2017年2月1日
さて、奈良に来て一週間が過ぎました。
ゲストハウスのお仕事も楽しく、寒い以外は概ね順調。

ところで、奈良に滞在するにあたり、
普段から仲良くしてもらっている、画家さんと音楽家さんに、
「これだけは見ておけ!行っておけ!」
っていう場所をアドバイスしてもらっていました。

でも、面白いのは、
上記の画家さん、音楽家さんの他にも陶芸家さんなど、
芸術関係の方には、奈良滞在に関して、
「いいね~奈良!」
って絶賛されるのですが、

修学旅行でしか奈良に行っていない人には、
「え?奈良?なにがあるの?鹿しかいなくない?」
って反応をされるんですよね(笑)

そして、芸術家グループは口をそろえて、
「奈良ってさ、あの『奈良ですみません…』って感じがいいよね!」
って言う(笑)
この『奈良ですみません…』っていうのは、わたしも同感(笑)
この控えめな感じが、奈良の魅力なんです♡


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この日訪れたのは、先の画家さんにお勧めされていた、「新薬師寺」です。

「薬師寺」には何度も足を運んでいるので、
「何だ?『新』って」って思ったのですが、『新』とつくからって、最近できたわけじゃなく(そりゃそうですよ)、『薬師寺』と名乗るから、薬師寺と関係があるわけでもなく、
この『新』というのには、『あらたかな』という意味合いがあるそうです。

『霊験あらたかな』薬師寺ということらしいです。
ちなみに、どちらもその名の通り『薬師如来』をご本尊とするお寺さんです。

その新薬師寺へは、春日大社から伸びている、「禰宜の道」を通っていきます。昔、禰宜(神官)さん達が春日大社へ行くために使った道だそうで、なんだかとても神聖な気持ちになれる道です。
また、奈良公園の鹿たちと違い、より自然に溶け込んだ鹿たちも多く見ることが出来ます。

この「新薬師寺」さんのすごいところは、「薬師如来像」もさることながら、国宝でもある「十二神将像」です。

受付をすませ、金堂の入り口をくぐると、
その中は、薄暗く、
そこに薬師如来像を中心に、ぐるっと配置された十二神将像が見られます。
ろうそくの灯がゆらゆらゆれて、幻想的。
「わー」って声と、もうため息しか出ない。
本当に外の世界とは、まるで別世界。
わたしは、毎回このギャップにノックアウトされてしまいます。
奈良のお寺の中は、毎回毎回、わたしの想像を上回る世界が広がっているのです。

奈良のお寺って、お庭も、お堂もあまり派手ではなく、あまり目立たないのですが、だからって油断して入り口をくぐると、中にいらっしゃる仏像にいつもすごい衝撃を受けます。。

(新薬師寺の金堂。まさかこの中に、こんなワンダーランドが!ってなる場所です)

新薬師寺の十二神将像は、ほかのお寺や博物館で見られる神将像より大きく、また手が触れられるくらい近くに見ることが出来るので、本当におすすめ。迫力が違います。

わたしにここをお勧めしてくれた画家さんも、若い時に奈良に一月ほど滞在したそうで、この十二神将像に衝撃を受けたそうです。

それが約50年前。
50年の時を経て、わたしも同じ仏像群を見ているのですが、
その間も、この金堂の中はろうそくの灯を揺らめかせながら、外とは違う世界を保ってきたかと思うと、本当に不思議です。

わたしのこの奈良での経験も、いつか何十年もあとに、孫のような子達にお伝えできるかな?
そして、わたしが見たのと同じ仏様を見て、声を上げてくれるかな?
その時の仏様とわたしが見た仏様は、きっと1mmも動くことなく、そこにいて、その子を待っていてくれるのでしょうね。
そんな時が来るように、たくさんの文化財がいつまでも残って行ってくれるといいなと、願います。

そして、奈良の町は2日後に行われる「節分祭」の準備にすこし忙しそうにしています。


7日目行った場所
・新薬師寺
・元興寺
・格子の家


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