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かくかくしかじか~修二会~

2017年3月1日

3月に入りました。
奈良での生活は、始めた当初は「いつまで」と具体的な日にちを決めておらず、「だいたい2月いっぱいかな?」と思っていましたが、奈良は想像以上にわたしの心を満たしてくれて、帰る日程を決めかねていました。
そんななか、観光案内所で目にしたのが「東大寺二月堂・修二会」のポスターとPRの映像。

その時は「修二会」って言葉も知らず、PRの映像を見て、
「あーテレビのニュースでなんか見たことあるかも」程度の知識だったのですが、メインイベントのお松明が「3月1日から」ということで、

「なんかよくわからないけど、せっかくだからこの松明を見てから帰ろう」

と決めたのです。
そんなわけで、わたしの奈良でのフリーアコモデーションは、3月1日までとなりました。(オーナーのご厚意で、3月2日まで寝泊まりをさせていただきました♡)

そんな3月1日。
お世話になったゲストハウスのお仕事も最後。
観光ばかりしているようなわたしでしたが、このお仕事も大好きでした。
正直、ずっとしていてもいいくらい好き。
最後の最後、丁寧に感謝の気持ちを込めて、行わせていただきました。

そして、いよいよ修二会です。
お仕事の後、大好きなカフェ「ミジンコブンコ」さんにてホットケーキをいただいて、腹ごしらえをしてから、ありったけの洋服とホッカイロで防寒を整え、東大寺二月堂へ向かいました。

ちなみに「修二会」とは正式名称を「十一面悔過(じゅういちめんけか)」といって、人々が日常で犯してしまっている様々な過ちを、二月堂のご本尊である十一面観音様に懺悔する」という宗教行事。ちなみに始まった当初から一回も休むことなく、1250年以上、ずっと続いている「不退の行法」なのだそう。なにそれ、それだけでむちゃくちゃかっこいい。
ちなみに有名なお松明の行事(本行)は、3月1日からだけど、2月20日から「別火」という「前行」が行われているそう。そして、本行を2週間にわたって行い、3月15日で「満行」となるそうです。

知識がなさ過ぎて、前行まで気が回らなかったけど、調べると修二会って本当に興味深い行事なので、いつかそのすべてを追っかけてみたい(もちろん見れない部分の方が多いのだけど)というのがわたしの野望なのです。

さて、混んでるであろうと、早めに向かった東大寺二月堂。
この奈良に来てからというもの、朝昼夜と、何度この場所に足を運んだでしょうか。今日はいつもの100倍くらいの人でにぎわっています。

とりあえず、始まる前にご本尊様にご挨拶を…と思い、本堂に上がるとそこもすごい人。すると東大寺の法被を着たおじさんに

「ここで見るの?見ないの?もう閉め切るよ!?」

と迫られました。
はて?ここで見る?ここで見るってなんだ?
修二会のお松明って舞台の下から見上げるものじゃないの?
と思いつつ、よくわからないまま、

「あ、ここで見ます」

と、返事をし、舞台見学組の最後の一人として滑り込むことになりました。
全然知らなかったけど、先着順で二月堂の舞台の上、
要するに松明が披露される真裏で見学をすることも出来るってことらしい。
よくわかんないけど、ラッキー!

(通常は下の芝生の場所で見るのだけど、運よく松明の駆け抜ける舞台上に登れてしまったのです)

そして、舞台上、
途中、東大寺のおじさんの厳しい注意事項を聞きながら、寒さに耐えながら待つ事約1時間。
いよいよお松明の登場です!

(お松明を掲げる練行衆さん)

写真では伝わらないかと思いますが、正直、もうほんとーーーーーにかっこいかったです。

とても長い竹を使って出来ている松明を担いで、何人もの練行衆(お坊さん)が舞台の上を走り抜けるので、とてつもない緊張感。
本当に言葉に言い表せないほどです。

(舞台を駆け抜けるお松明)

初めての修二会を、しかも全然知識もないのに、
一番間近で見ることが出来て、
この瞬間がわたしの人生のクライマックスだったかもしれない(笑)

お松明の行事が終わると、見学していた人たちが一生懸命、落ちている灰を拾っています。ご利益があると考えられているんでしょうね。
わたしも少しいただいてきました。

言葉に言い表せないほどの感動をいただいた、二月堂の修二会。
本当は、この日だけでいいやと思っていたのですが、あまりの感激っぷりに、明日も見に来ることにしました。

絶対にいつか、また1か月の暇を作って、
別火から満行まで、修二会のすべてを見に来る!と心に誓ったのでした。

(帰りに寄った氷室神社では氷の灯篭でお客様を迎えていました)


3月1日に行った場所
・ミジンコブンコ
・東大寺二月堂
・氷室神社



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