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鎌倉古民家活用会議&天空の芝生庭園でサンドイッチパーティー 開催報告

企画誕生の経緯


私達夫婦がスミカ探求舎という屋号で活動を始めたことを知った古くからの友人が、相続した不動産をいずれ整理したいという方を紹介してくれました。

いかにも鎌倉らしいお屋敷街の一角にその家はありました。築80年は超えているというそのお屋敷には端正な顔立ちの蔵もあり、竹垣に囲まれた和風な庭はゆったりとしています。ひと目見て、この家は是非とも残したい、そのお手伝いがしたい!と思いました。

そしてその方の住んでいるおうちの庭がまた素晴らしかった。90段の階段を登らないとたどり着けない家で、でも登り切ると山のてっぺんに広大な芝生の庭。周りは山に囲まれ、車の音も人の目線もありません。

ここで子ども達とピクニックしたい〜!という私達夫婦の妄想。

そんな2つの家の組み合わせで、何かできないか?そこで、和気あいあいとした雰囲気で古民家活用のアイデアを集めたいなと考え、このお庭でサンドイッチパーティーをしながらご意見をきく、という企画になったのでした。

多世代の様々な意見


相続したのは伯母様と甥御さんですが、甥御さんが「シェアハウスに興味がある」とのことだったので、シェアハウス居住経験者の友人にも声をかけました。

私達のSNSで呼びかけをした結果、20代から70代くらいの幅広い年代の様々な興味を持った方々13人にお集まりいただきました。

オーナーさん関係者含め総勢20人で、まずは古民家を見学。みなさんなかなか入れないようなお屋敷を隅から隅まで見ながら、ここはこう使えそうだ、こういうのはどうか、と目を輝かせながら意見を出し合いました。

その後は天空の芝生庭園に移動してのサンドイッチパーティーです。料理人による美味しい具材を鎌倉の老舗パン屋さんのパンに挟んでいただきながら、話しも弾みます。

参加者の方がどういうことに興味を持ってこの企画に参加したのかなどもきけました。

お腹も満たされたところで2グループに分かれて意見交換。出た意見はこんな感じでした。

・シェアハウスにするとしたら3部屋、家賃5〜8万円程度。蔵の部分は週末カフェに。

・近所のお年寄りが集まる場所、集会所などが無いので、町会や市から補助を出してもらう形でいろんな世代が集まる場所にできないか。

・既存のデイサービスは折り紙をしたり歌を歌ったり子ども向けのような活動が多くそれが嫌で来ない人も多い。リタイヤ後家にいるお年寄りの知的好奇心を満たすような場所にできないか。

・静かな環境と落ち着いた建物を活かして、鍼灸などの身体のケアができる施設はどうか。1人管理人になり住み込み、複数ある部屋をいろいろなケアができる人とシェアする。

・古い建物を貸すとしたら、家を消耗するような使い方ではなく将来にわたって維持できるように、借り主と擦り合わせをした方が良い。

・こういう手の込んだ古い建物は壊してしまったら二度と造れない。このまま活かした方がいい。

みなさま、この家の良さを活かすにはどのような使い方がいいか、それぞれのお仕事や立場や興味から真剣に楽しく考えていただきました。

オーナーさんとは、この家を使えるようにするためにまずはどのくらいの改修費用がかかるのかを見ながら、どこから直すのか考える予定です。みなさまのご意見も踏まえながら、どのような活用の可能性があるのか相談を進めようとしています。

古い味のある建物を残したい


鎌倉を歩いていると、古都の風情に馴染み造りもしっかりしている素敵な家が、雨戸が閉じられ何年も人が住んでいる様子が無いのをちらほら見かけます。

ただ道端から眺めているだけなら、
「素敵な家なのにもったいないなぁ。」
「この家なら借りたい人が絶対いるはずなのに、どんどん荒れていってるなぁ。」
などと思い、いざ壊され始めると
「あぁ!あの古い素敵な家が壊されて味気ない賃貸アパートになってしまうのか!」
「駐車場になっちゃうんだ…。」
などとがっかりするだけです。

ところが相続した当事者になってみたらと想像すると、一緒に相続した兄弟や親戚との気持ちや実利の擦り合わせに大変な気苦労をしたり、残された沢山の物や想い出の残る家を自分の気力体力・時間・お金をどこまでかけてどうしていくのか決断し行動するのはなかなか大変そうです。

効率を重視しがちな今の日本の風潮では、いかにコストをかけずに素早く処理するか、という基準で物事を判断しがちです。でも、そうではない価値に重きを置く人も少なからずいます。

年を経て出てきた味わいも楽しみたい、手間をかけてでも手入れしてこそ輝き出す本物の素材と共に暮らしていきたい、人と人とのご縁を繋いで大切にされてきた家を引き継ぎたい。

古い家の持ち主になった時、本当はこうしたいんだけど、できれば残したいんだけど。そういう気持ちがあるならば、面倒でも手間がかかってもそこに寄り添える相談相手でありたいな、とスミカ探求舎は思っています。

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