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Selection:トップとビリは個別指導。中間層は集団授業。

学習塾には大きく分けて以下2形態あるのはよくご存知の通りだろう。

- 個別指導
(先生一人に対して、生徒が一人ないし二人。家庭教師もここに含む)
- 集団授業
(先生一人に対して、生徒が5人〜20人で1クラス。塾によって人数はバラつきがある)

もちろん、予算が許せば

全員にとって個別指導が理想なのは間違いない。

「一人一人の課題を分析・発見して、その解決のためだけに時間を使う」

という体験は個別指導でなければ絶対にできない。

(集団授業では一人一人にそこまで手厚く構っているヒマがない)

だが、現実には個別指導は集団指導の最低倍以上の授業料がかかるから

「お金のことを考えるとできれば集団に…」

という親御さんの気持ちも痛いほどよく分かる。

そこでこの項は、

「集団授業にも適応できるタイプ」と

「集団授業はできれば避けたいタイプ」を紹介する。

結論はタイトルの通りだ。

要は性格の問題ではなく、現在の学力が全てであるということだ。

多くの親御さんが心配するような

「ウチの子、内気な性格だから集団授業が合うか不安で…」

ということは実際にはほぼ起こらない。

(結局勉強は他者ではなく、自分との戦いになるからである)

まず、「5段階評価で1」という生徒は絶対に個別指導行きである。

ただでさえ基礎・足元がグラグラの状態なのに、

その上他人のペースを意識なんてしていたらもう大変だ。

このレベルの子が周りに合わせてはいけないし、

(より正確に申し上げると合わせることができない)

集団にでも放り込もうものなら確実に周りの子に迷惑がかかる。

これは正直に告白しなければならないが、

私がこれまで見てきた生徒の中にも

「今は集団授業にいるけど、この子はどう考えても個別向きだな…」

という子は複数いた。

より詳しく言えば、

先に進むよりも、中1の初歩や基礎をもう一度復習し直した方が伸びる

と感じさせる子である。

野球のボールやバットの握り方すらちゃんとしていないのに

バントやエンドランの練習をしているような状態なのだ。

こういう子は個別に回った方が長い目で見れば成績は伸びる。

さて、もう片方はトップ層の子だ。

例えば東京都で言えば、都立トップ3校(日比谷・西・国立)を

「誰がどう考えても無謀な挑戦」ではなく

「この子ならそうだよな」という自他共に納得の第一志望としているような子だ。

(偏差値で言えば70以上)

この層に集団授業をお勧めしないのは、生徒側の問題ではない。

塾側の問題だ。

「塾・予備校の花形」と呼ばれる大学受験向け大手予備校の著名講師(自分の名前で本を出しているようなレベル)なら話は別だが、

高校受験向けの集団授業塾となると

偏差値70超えレベルの複数生徒を集団授業でまとめてキッチリ捌けるようなレベルの講師はほぼいない。

そんなハイスペックなことができる塾講師はそれこそ数えるほどしかいない。

指導側の実情を囁いておくと、

一対一の個別指導であればある程度はどうにかなる。

その子のためだけに授業準備・仕込みができるからだ。

しかし集団授業となるとそうはいかない。

クラスにいる生徒全員の丸付け・課題分析・その他諸々をしなければならない。

どうしても「その子のためだけに」というのは無理だ。

だが、「集団のうちの一人」として扱うには偏差値70以上は重すぎる。

予備校のように完全こちらからの一方通行授業ならどうでもいいが、

こと添削・分析・指導を行う必要があるとなるともうお手上げである。

という訳で、現時点での成績が「5段階で5以外を取ったことがない」という子は

ぜひ「難関専門」と書いてあるような個別指導塾の方がお勧めだ。

残る「5段階でたまに5〜基本は2」は

いわゆるボリュームゾーン(多数派)に属する生徒である。

ここのレベルであれば、使う教材・教え方・見つかる課題・解決方法はある程度共通化・システム化できる。

もちろん生徒一人一人ごとに多少の振れ幅はあるだろうが、

過去にあった事例を参照すれば十分にこれまでと同じ方法で対応できる。

つまりこの層なら概ね集団塾にも適応できる。

もちろん最後はその子ごとの好みだから、

「集団がいい」「個別がいい」というのは聞いてあげるべきだ。

概して、個別指導が合わない生徒は滅多にいないが

(念の為、個別が合わない子というのは「根本的に勉強をやる気がない」など学力以前の問題である)

集団授業はある程度生徒を選ぶ。

現在の成績を考慮しながらどちらがいいかを考えよう。


…筆者、透佳(スミカ)


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