虫刺されと日焼けと、キラッキラの思い出 【ペコレラ感想文】
2021年7月。
北海道は八雲町の廃校をリノベして、「キャンプ場」を作るプロジェクトに参加してきました。
丸々1週間の滞在を2回。7月の半分以上をそこでテント生活しながら過ごしたと思うと自分でも少しゾッっとします。
洗濯物は湿気で乾かないし、きもい虫と一緒に暮らさなきゃいけないし、睡眠の質は平均的に悪い。外で過ごすことが多い分、日焼けと全身の虫刺され(アブ・ブヨ・蚊のかゆかゆトリオ)に悩まされた毎日だったけど。「帰りたくない」と大の大人が駄々を捏ねるくらい、豊かで充実した日々でした。
あまりにも豊かだったので、2021年の夏はこんな幸せな思いをしてたなぁっていつかの自分が思い出せるように、できるだけしっかり記録しておこうかなと思い立ちました。
詳しいプロジェクトの内容は、下記リンクから読んでみてください。
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ペコレラは大人の遊び場
(※ここでいう「ペコレラ」は10月頃に予定している「ペコレラ学舎」そのものではなくて、「ペコレラ学舎オープンのためのボランティア生活」を指してます。伝わるかなこの違い。)
ペコレラ学舎とは「森」「サスティナブル」「成長」「交流」をコンセプトにキャンプ場とコワーキングスペース両方を兼ね備えた施設。地元の人と旅人、キャンパー向けの場です。
まずは8月のプレオープンのために、現在はキャンプ場の整備をしている真っ最中。サスティナブルというテーマから、不要になった木材や海で拾った流木、不用品として処分される予定だった家具などを利用して様々なインテリアや道具、仕掛けを作成しています。
手作り感があって、他のキャンプ場では感じたことのないあったかさが詰まった空間なのがペコレラキャンプ場の魅力のひとつです。
ペコレラでの毎日は、大体8〜9時ごろに作業が始まります。お昼休憩まではそれぞれDIYをしたり、デザインやコンテンツを決めるディスカッションなどを行います。
午後は18時〜19時にかけての夕飯をゴールに、その日その日、その人その人で自由に作業を行うのが通常。
この説明の仕方だと、超真面目なハードワーク生活に見えるけど、実際のペコレラは作業疲れじゃなくて、遊び疲れに悩むのが通常と言ってもおかしくないくらい、遊ぶことがメインの暮らしでした。
面白み① 自然と共存
ペコレラの面白み一つ目はなんといっても『自然に囲まれた環境』!
札幌の中心地で生活をしている私にとって、毎晩の焚火やテント泊、虫との共同生活はどれも新鮮で。
札幌でも自然に触れることはできるけど、自然と共に生きる体験は、こういう場所でしか味わえないんだろうなと思います。
自然に触れるだけだと、自然の良いとこどりができるけど、自然と共生すると自然の嫌な所・不便なところにも対面しなくちゃいけないんです。対面できるって言った方がいいかな。笑
例を挙げるなら、まず、虫。
毎日数十種類の虫(蛾、蜘蛛、わらじ虫等様々)と対面し、触られたり、踏んづけたり、コップの中で発見したり、まさに虫とのシェアハウス。
光がある所ならどこにでも現れる通称「ベビちゃん」は一体何個死骸を仕末したかわからないです。二日目になると、「あ、ベビちゃん!」と自然ともれてしまうくらい愛着が湧いていました。
最初こそ見るのも嫌でしたが、日に日に彼らがペットのように思えてくるあの感じは自然と共生しているからこその現象な気がする。
他にも、森の中ならではの「湿気」のせいで全然服が乾かない。これは本当に困った。2日干してもジメジメしてる。あと、朝はテントも雑草も濡れてて大体靴とか足がビチャビチャになる。
あと、何度もいうようだけど、蚊とブヨがえぐい。
本当に勘弁して、って思うくらい何箇所も何箇所も刺されました。滞在の後半には飛ぶ音が聞こえてくる度に「絶滅しろ」って唱えるくらい。
蚊に悩まされる日々から解放されるのは嬉しいけど、それを代償に楽しんでいた「毎晩焚火」や「毎晩テント泊」との別れは結構辛いです。未練タラタラ。
そんな自然のマイナス面も含めて、自然を存分に満喫できるのがペコレラの魅力の一つ。"不便さ"を経験することって人生においてとっても大事。
これを読んでいるあなたにも是非「ベビちゃん」との暮らしを経験してほしい。
面白み② 出会いと交流
ペコレラはこれなしでは語れない!
それくらい大きな魅力としてあるのが「出会いと交流」。
ペコレラ学舎のコンセプトにもある「交流」という言葉。これは本来のコンセプトの意味とは少し異なるようにも思うけど、ペコレラでは数え切れないほどの出会いがありました。
・ボランティアで関わる仲間たち
・八雲町に住む地元民
・「ゲストハウスsento」のスタッフとゲスト
10人前後で同じ釜の飯を食べて生活する毎日。
日中は一緒に作業をして、遊びにも一緒に出かける。
夜には音響設備の整ったステージでライブ、サッカー観戦、プロジェクターをグラウンドに持ち出してのナイトシアター。
23時近くなると、ぽつぽつと焚火に集まって、眠くなるまで晩酌。
こんなの仲良くならない方が難しい。
かけがえのない出会いばっかりで、
そこで一緒に生活をした人には、なんとも表現し難い「愛情と友情をぎゅって一緒にしたようなもの」が芽生えていたように思います。
これを書きながらも、
もうみんなに会いたい。
みんなとペコレラで生活したい。
どんどん欲求が溢れてきます。
もう同じメンバーで同じ場所で同じように暮らすことは叶わないけど、ペコラー(=ペコレラに関わる人のこと)とは札幌での交流が続いています。
それも嬉しい。
そして、何より「ただいま」を言える人が八雲にできたことが嬉しい変化。
今度行くときは、あの人とあれがしたいな、
あの人が作ったあれが食べたいな、
秋になったら冬になったら、あの場所にももう一回訪れたいな。
こうやって妄想を膨らませることができる場所があるって本当に幸せなことだよね。これも全部ペコレラでの出会いがあったからこそ。
八雲は第二の故郷にぴったしの場所ですね。
面白み③ たくさんの"初めて"
コンセプトにもある「成長」という言葉。
これも本来の「ペコレラ学舎」にとっての意味とは少し異なるかもしれない。
だけど、ペコレラでは本当に多くの成長(=「初めて」)を体験しました。
前述したように、ペコレラではDIYをしたり、デザインやコンテンツをゼロから考えたり、プレオープンというゴールに向けてタスクを整理したり、本当に様々なことを行います。
そんな環境に、いろんな場所からいろんなスキルを持った人が集まっているせいか、作業の中で自然とスキルシェアが起きる場面を何度も見ました。
大学生がチェーンソーを使って木材を加工したり、
料理をほとんどしない人が初めて自分でサラダを味付けしたり
日焼け知らずの元販売員が草刈り機を動かしたり、
作業時間以外にも、
海に入ったこのない太陽嫌いがカヌーの上で30分以上釣りをしたり、
ビールが得意じゃない人がクラフトビールを好きになったり、
サウナ経験のない人がサウナに入って「整えない」を経験したり。
普段の自身の環境では絶対に体験することのないことを、そこにいる人の影響で、体験できる、させられる。
未知との遭遇。
というのかな。なんかそんな感じのことが同時多発的に起きてる。
初回の滞在では、あるアクティブな女の子の影響で、デッキに寝袋を引いて屋根なし蚊帳なしで星空を見ながら寝る「外寝」がブームになっていました。
最初は「いやですよ〜」って笑っていた大学生も、次の日には「外寝、最高でした!」って背中を痛そうにしながら報告してくる。
これほど急激な変化って、普段の生活じゃ早々見られないよね。
そこにいる人の影響で毎日みんななにかしら新しいことに挑戦して、小さいけど確かな自信を身につけているように見えました。
私も「やってみたい」をたくさん実現できた。まだまだ全部は消化できていないけど。
これまで見えていなかった自分の側面を発見できる。
そんなペコレラが私は大好きです。
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最終日。
ペコレラ滞在中、ずっと「つくりたい」と言っていた看板を無事に完成させた後、バタバタの中、その場を去りました。
高速バスの時間がくるまで、ゲストハウスsentoの和室で少しの待機。
ペコレラでは中々味わうことのできなかった、休息の時間。
「すみちゃんも書いといてな〜」
同い年のヘルパーが宿帳を手渡してくる。sentoにはもう数え切れないくらい足を運んでいるのに、実は一度も書いたことがなかった宿帳。
あんまりこういうの上手く書けないから苦手なんだよなぁ〜って思いながらB5ノートを開くと、知った名前がチラホラ見える。
読むと思ったよりほっこりして、「私も書いてみるか」とペンを握った。
窓からは昼下がりの太陽の光と心地よい風が漏れてきて、そこにはその瞬間誰もいなくて。なんとなく心がエモい雰囲気に流される。
目をつぶって7月のペコレラでの思い出を振り返ると「あぁ〜帰りたくないなぁ」と少しうるっときた。
大人が子どもに戻ったように、存分に遊べる空間。
ペコレラでは夏休みみたいな時間を過ごした。
帰ってくると少し怠くて、溜まった仕事に目を背けたくなりながら、「楽しかったなぁ〜」って思い出しては心があったかくなる。
あの場所にはかけがえのない思い出がたくさん。
そんな場所のこれからの成長が本当に楽しみ。
きっと、素敵な場所になる。
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さいごに
ペコレラ関係者の皆さんとペコラーのみんなへ。
このような言葉だけでは足りないほど、本当に幸せな時間を過ごすことができました。素敵な時間と経験と出会いに心から感謝します。ありがとうございました。
ペコラーのみんなも、笑いと楽しい思い出を沢山くれてありがとう!
また遊びに行きます。
そして八雲以外でも遊ぼう。
ペコレラが完成したら、今度は利用者として遊びに行かせてください(^^)
2021/07/29 すみか
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