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ワインを飲まなかった私がワイナリーで働くことに

私が、ワイナリーで働き始めたのは今から20年も昔になる。カナダに留学した目的の一つは、卒業後カナダで仕事をすることだった。

当時の私は、どうしても働きたいが場所があった。それは、ロッキ-山脈にあるバンフの名門ホテル。留学時代の、単位の一つであるCoop(有給のインタ-ンのようなシステム)時代に、同系列のホテルで働いていたこともあり、憧れのホテル。

ところが、電話上での採用面接にて、あっさり不採用。

その後、そのホテルの様々な職種に申し込みをしましたが、一度面接で不採用になると、連絡は来ないらしく(当然なのですが、当時私はどうしてもあきらめきれなかった)、最終的には不採用という不名誉な事実を、仕方なく受け入れることに。

その当時は、どうしてもそこで働く気でいたので、不採用になって初めて、就職活動の幅を広げることに。

卒業間近で、当然のことながら友人たちはすでに、採用されているし、旅行関係、主なところは採用終了。

そこで、就職担当の先生に進められたのが、地元のワイナリ-。ナイアガラ地区はカナダで一番大きなワイン生産地。

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その時点では、ワイナリ-で何ができるのかも分からず、またワインを飲んだ事も数えるほどしか無かったのですが、仕事がないわけにはいかない。

とりやえず、この際、どんな仕事でもいいからと、ワイナリ-への就職活動を開始。実はこのままワイナリ-でキャリアを築いていくとは当時は夢にも思いませんでした。

今は、インタ-ネットで採用募集が一般ですが、当時は、会社へ直接というのもありだったので、ナイアガラオンザレイク中のすべてのワイナリ-を地図で調べながら一軒ずつ、履歴書を手渡しに回りました。今思えば、何という、就職活動何だろうと思いますが、対面に強い私には、この方法間違ってなかったようです。

すべてのワイナリ-に履歴書を渡し終わって、家に帰ると、なんと一つのワイナリ-から面接兼トレ-ニングに来ないかとの連絡が!

ドキドキしながら、行くと、面接はなく、トレ-ニングもなく、そのまま、簡単なワインの違いについて説明されてワイナリ-のテイスティングバ-で働くことに。

この当時の私は実は白ワイン、赤ワインの違いも知らないし、ワインを飲んだ経験もほぼない、ワイン初心者。

ただ、当時の私としては、仕事ないと困るし、使えないと思われたらもっと困るしということで、周りの人を見ながら、教えてもらったことと、他のスタッフの話を聞きながらマネして、お客さんにワインの説明をすることに。

実は頭の中、すごくパニックだったんですが、どうやら顔に出ないらしく、その後上司になる人に、いい感じにやってるねと褒められ、かなり複雑な気分で一日を終えました。

そして、その面接兼トレ-ニング終え、一日の最後に、ちょっと質問がと呼ばれ、私の中でも、おお、これから面接かと、身構えると、ワインのケ-ス運べる?

えっ? 頭の中?マ-クでいっぱいの私にもう一度、

あなた細くて小さいけど、ワインのケ-スちゃんと運べるの?
ちょっと運んで、10メートルぐらい歩いてみて?

ワイン1ケースとなると20kgほどあり、重いのですが、これが理由で仕事不採用にならないよう、10メ-トル程、ワインケ-スを運びながら歩くと、

あら、だいじょうぶそうねと言われ、じゃあ来週も同じ時間に働きに来て。

それって採用ってこと?ワインケースが運べればいいだけなの?

疑問がいっぱいでしたが、とりあえず私の就職活動は、なんとも不思議な形で終了。無事、海外就職の第一歩を。

今ではソムリエの資格も取り、ワインに興味があってこの業界に入ったと思われがちな私ですが、人生とは不思議なもので、海外就職どうしてもしたいと夢が、偶然このワイナリーで働くという形で実現したのでした。



#この仕事を選んだわけ

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