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テキストコミュニケーションで重要な「質問力」

テキストコミュニケーション研究家の角田です。研究すればするほど色んなことがわかって、楽しくなってきました。

たまにこんな質問(意見)をいただきます。

テキストだと、自分の意見をうまく伝えられない/相手の意図が伝わらない

こういう質問をまあまあの頻度でいただくので、きっと一定数の方が困っているのでしょう。

このお悩みに対し、今回はこんな提案をしてみようと思います。

質問力をあげましょう!

コミュニケーション=意思疎通

以下のweb辞書によると、コミュニケーションの意味はこのように定義されています。

社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。

ふむふむ、という内容なのですが、その中でも「伝達し合うこと」という言葉が重要だと考えています。このことから、伝達し合うことは即ち意思疎通であって、「コミュニケーションは意思疎通の手段」と言えます。

これを前提として、話進めていきましょう。

意思疎通とはなんぞや?

「そもそも意思疎通とはなんぞや?」ということですよね。僕も気になったので調べてみました。

相手に考えていることを伝え、相互理解、認識の共有などを計ること。(以下ページより引用)

キーワードが出てきましたね。「"相互"理解」、そして「認識の"共有"」。読んで字のごとくですが、意思を分かち合う、意思を共有する、といった感じ。

テキストコミュニケーション、ひいてはコミュニケーション全般においても意思疎通はやっぱり「共有」や「相互理解」を目的とするものです。

意思疎通の2要素

その意思疎通には、要素が2つあると考えています。

1.自分の考えを相手に理解してもらう
2.相手の考えを自分が理解する

書いてみると当たり前のことのように見えますが、とても大事なことで、かつ今回のnoteの根幹となる部分なので文章化しました。

どちらか一方、もしくは両方を満たすことで意思疎通は成立することになります。

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意思疎通がうまく行かないのは「伝える」が目的になっているから

この2つが意思疎通の条件なのですが、うまく行かないケースはどうなっているのでしょうか。

1.自分の考えを相手が理解してくれない
2.相手の考えを自分が理解できない

こんな感じでしょう。言葉遊びのようですが、間違ってはいないと思います。

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この2ケースには共通の原因があり、それは、

発信者主体で考えている

です。自分が伝えたことを相手に理解してほしい、という感じ。

つまり、理解や判断を相手に委ねていて、相手の理解に寄り添えていない、ということです。もっと言えば、意思疎通をしようとしていない、と言えるでしょう。

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受信者主体で考えると

改善策としてはこうなります。また言葉遊びになりますが、僕は真だと思っています。

受信者主体で考える

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これをもとに、意思疎通の2要素を書き換えるとこうなります。

1.相手に理解してもらえるように自分の考えを伝える
2.自分が理解できるように相手の考えを聞く

受信者が理解することを必須条件としてコミュニケーションを取ることが、意思疎通への重要な一歩になると考えています。

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受信者主体のコミュニケーションで重要な「質問力」

では、この受信者主体のテキストコミュニケーション、ひいてはコミュニケーションをするためには何が必要なのでしょうか?

あくまで1つでしかありませんが、私は「質問力」だと定義づけています。具体例をあげながら解説します。まずは自分が受信者であるケース。

たとえば、あなたが誰かから「〇〇についてミーティングしたいです」と連絡が来たとしましょう。すぐに「はい!」と答えて日程調整に進むのも1つですが、せっかくならある程度認識をすり合わせた上でミーティングに臨みたいですよね。

僕ならこう質問します。

・〇〇の目的は何ですか?
・〇〇のゴールは何ですか(決まってますか)?
・打ち合わせでは何をどこまで話したいですか?
・打ち合わせでは何を決めたいですか? など

これは、"何を"打ち合わせるのかを明確にしたかったためです。

また、実際にあったやり取りですが、「〇〇(イベント)のスケジュールを決めましょう!」と連絡が来たとき。僕はこう返答しました。

それはどっちのスケジュールを指していますか?
①当日の動き方
②前日までの準備や打ち合わせ
③両方

これはシンプルに"何の"スケジュールなのかを明確にしたかったためです。

次に、自分が発信者側のケースを考えましょう。

たとえば、企画書を作って上司(Aさん)に提出するとしましよう。そのとき「作成したので確認お願いします!」と送りがちですが、これではコミュニケーションロスが発生しがち。

ということで、「僕ならこうする」を2パターン紹介します。


企画書を作成したので、以下の点について確認いただけますか?
・企画の目的
・スケジュール
・ターゲット
・…

企画書を作成しました。ターゲットに関して私は〇〇と考えて決めたのですが、Aさんの意見を聞かせていただけますか?

この2つは、企画書の"何を"確認してほしいかを明確にするためのメッセージです。

このように、質問という要素を追加することで意思疎通にぐっと近づき、コミュニケーションが円滑になります。

質問力を磨くための簡単な視点

じゃあどうやって質問力を磨くの?ということですが、実は前章にいくつかヒントを仕込んでいました。"何を""何の"など。

答えは「5W1Hを意識する」です。何の、誰の、いつ、どこで、なぜ、どのようにをお互いクリアにすることで、認識の共有が完了した状態でコミュニケーションを進められるのです。

何のミーティング、いつの話、どこでやるイベント、などなど。

質問力は、テキストコミュニケーションでこそ求められる

今回は、テキストコミュニケーションで重要な「質問力」というタイトルで書きました。テキストコミュニケーションに課題を感じる方がいたら、参考にしていただけると幸いです。

この質問力は、コミュニケーション全般で重要です。対面で話すときも、質問によって会話が深くなりますよね。その上で、僕はテキストコミュニケーションでこそ求められると考えています。

対面だとその場の空気感や表情などで補完できることも多いですが、テキストコミュニケーションにおける判断材料はテキスト情報のみ。情報量が少なすぎるのです。

だから、相手に寄り添って、質問によって意思疎通を図って、それをもとにテキストコミュニケーションを進めていくことが重要なのです。きっと、寄り添うがテキストコミュニケーションの鍵。

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