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【日記】回転木馬|こどもの頃の日記から 3

196X年8月XX日 Y曜日 にわか雨がふった。あとから晴れた。

公園に行った。


196X年8月XX日 Z曜日 晴 とてもよいお天気

今日は雨が一てきもふらぬオーストリー晴れだ。(日本では日本晴れというが、ここは日本ではない。)そこで、「Prater へ行こう」と、みんなで遊園地へ行った。

着くとベンチでおべんとうを食べて Riesenrat に乗った。
それからジェットコースターにのった。
もう、死ぬ思いであった。

それから回転木馬に乗った。べつに私は乗りたくなかったのだが、父に「たあぼうを見てあげて」と言われたので弟と共に回転木馬の上の「自動車」の中に入って乗った。

弟は楽しそうにベルをならしたり、ハンドルを回したりしていたが、私はあまり楽しくなかった。

回転木馬をおりて、スリラーハウスなどに入り、いろいろ回って、帰った。

帰りはねむくてねむくてしかたがなかった。

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小学4年生なのに「雨が一てきもふらぬ」という文語を書いている。
いったいどういうものを読んでいたのだろう? 

「雨が一滴も降らぬ日本晴れ」という表現が頭の中にあったということだから、明治生まれの祖父母からの手紙かもしれない。

祖父母は、オーストリアではなくオーストリーという書き方だった。
戦前の「墺太利」の慣用読みだ。

Moscow は「モスクワ」ではなく「モスコー」だった。