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人が自然であること。

おそらく
30年ぶりにサワガニをつかまえる。

うちの子どもがこんなに虫たちとかかわることが好きだなんて知らなかった。

少し大きい子どもたちはあちこちに行き、カエルやカマキリや、いもむしをつかまえる。

大人はそれを全力で手伝う。

車で着いて早々に溝からカエルを。

落ちていた木を投げ落として砕いて幼虫を。

わたしにはその親たちが

とても新鮮にうつった。


川の縁の高さのある通路。

反対側は土手だけど。

歩ける幅は25㎝くらい。

スタッフがその道を3歳の息子に案内してくれる。

手をひくわけでもなく。

ただ見守りながら。

息子は怖がることもなく進んだ。

先に川に降りて

息子を抱えて下ろしてくれた。

カニをとって渡してくれた。

カエルを渡してくれた。

息子が興味深く見ていたからだ。



あるママさんは

息子にひっつきむしを渡してくれた。

指につくのも面白く見ていた。


午後の工作の時間。

息子が遊びたいと言っていくと

アイスクリーム🍨作ろうかといって

箱を取ってきてと言われる。

どんな箱がいいかなと考えていた私。

スタッフさんは息子に選んでと言う。

息子がとったのは細長い四角い箱。

とてもアイスクリーム向きとは思えない。

私は提案しようとした。

こっちがいいんじゃないかって。

スタッフさんは

一言、あーこれかぁーと言ったけど。

そのままそれで作るのを手伝ってくれた。

でも、どうやら彼はハサミを使うのがおもしろかったらしい。

ハサミやりたいのね。

と言ってもらった。

ワタを詰めて、毛糸もつめてといわれてやったけど。

でも、息子は飽きてまた別のところへ。


それからまたそのスタッフのところにきたとき

また遊びたいという。

彼がやりたいのはままごとらしいですと説明すると。

あーそれかぁと言って奥から

キッチンを持ってきてくれた。

それからしばらく嬉しそうにお料理を作った。

お鍋に貝を入れてもらって。

私にご馳走してくれた。


朝のハッピータイムも

昼ご飯のときも

午後の工作も

最後の会も

集まってくださいとは誰も言わない。

ただ

ありますよ。

始まりますよ。

と知らせてくれるだけだった。


私は

あまりに長い間

しなさいとか

だめだとか

子どもたちに何かを要求する世界にいた。

そんなことをしなくても

いいはずだと思いながらも

そういう世界にいて

そうしてきた。


私は

やっとたどり着いたのかもしれない。


自然。

ここの大人たちからは

それを感じる。

叱らない。

褒めない。

声をはらない。


少しお願いをして

心が動いたら伝えて

自分の周りの人に伝わる声で。


それで十分で

だれもがありのままで

無理をしない。



自然でいる

いられるということは

それでいいよと言ってくれる存在。

やっぱり

環境が全てなんだ。



最後に弾いてもらった

ギターの音が

あまりに響いて

泣きそうだった。










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