【訳】これがコロナウイルスに打ち勝つ方法だー米The Atrantic記事から




先週19日に、アメリカの有力複合メディアの一つであるThe Atranticウェブ版に新型コロナウイルスに関する記事が掲載されました。筆者のひとりAARON・E・CARROLは、インディアナ大学医学部の小児科教授、もう一名のASHISH JHAはハーバードのT.H.チャン・スクール・オブ・パブリックヘルス(公衆衛生)の教授だそうです。

今のアメリカのムードを伝えるとともに、太平洋を挟んだ日本にとっても示唆に富む内容に思いましたので翻訳してみました。といってもまずGoogleの機械翻訳にかけておかしいところ・補足の必要なところを手直ししただけですが。最近の機械翻訳の精度はすごいですね。なおカッコ内は訳者による補足です。

元記事はこちらでご覧いただけます。
https://www.theatlantic.com/ideas/archive/2020/03/how-we-beat-coronavirus/608389/

--- 以下訳---

(アメリカの)多くの人が何ヶ月もの間コロナウイルスが世界中に広がるのを関心を払うことなく眺めていましたが、先週ついに私たちのほとんどが、それが私たちの生活を崩壊させることに気付きました。インペリアルカレッジ(※)の最近の分析は、多くの専門家を含む一部のアメリカ人をパニックに陥らせています。同レポートは、220万人が米国で死亡する可能性があると予測しています。しかし、この分析は希望の根拠も提供していますーそれは最悪の結果を回避するための道筋です。
(※訳者注:インペリアルカレッジ自体はアメリカではなくイギリスの有力大学です)

物事は改善することができます。遅すぎることはありません。しかし、私たちは進んで行動しなければなりません。


悪いニュースから始めましょう。インペリアルカレッジの対策チームのレポートは、(感染拡大の)カーブをフラットにするための、またCOVID-19で病気にかかる割合を減らすための対策の影響を調査しました。対策チームは、私たちが何もせずにウイルスをそのまま進行させると毎年の心血管疾患による死亡の3倍の死者を目にすることになると予測しています。さらに、感染は6月中旬にピークになると推定されました。たった1日で約55,000人の死亡が予想されます。

もちろん、私たちは何らか(の対策)をしているわけですから、この結果は起こらないでしょう。 私たちは学校と企業を閉鎖し、(他人との)社会的ー実際には物理的なー距離の確保に取り組んでいます。 しかし、同分析からの目を覚まさせるようなチャートが示すように、これは十分ではありません。 これらのことを行った後でも、このレポートでは、かなりの数の感染が発生し、より多くの人が我々が病院で提供できる以上のケアを必要とし、100万人以上が死亡する可能性があると予測しています。

アジアでは状況が改善しているように見えるのに、なぜインペリアルカレッジのチームは欧米でこうした結果を予測しているのでしょうか?それは私たちが異なるアプローチを取っているからです。 アジア諸国は(コロナウィルスの)征圧(Suppression)に取り組んできました。 私たち(欧米)は緩和に取り組んでいるだけです。

征圧とは、専門家がR0(R-naught、基本再生産数)と呼ぶパンデミックの感染力を1未満に減らすキャンペーンを指します。 野放しの場合、COVID-19のR0は2〜3であり、すべての感染者が平均して他の2〜3人を感染させます。 R0が1未満の場合、各感染者の(生み出す)新規感染は一人未満であることを示します。 こうなるとアウトブレイクはゆっくりと停止します。

これを達成するには、症状のない人も含め、多くの人々を検査する必要があります。 検査により、感染者を隔離して、他者に感染できないようにすることができます。 用心深く、絶対的な注意深さでもって人々を検査する必要があります。

(欧米では)検査のインフラ準備に失敗したため、それほど多くの人を検査できません。 現時点では、病気の人ですら全員テストすることもできません。 したがって緩和を試みているわけですー流行が進行することを受け入れつつ、R0を可能な限り低下させようとしているのです。

私たちの主要なアプローチは、社会的距離戦略です。つまり、人々がお互いに近づかないようにすることです。 これは学校、レストラン、バーを閉鎖することを意味します。 またこれは、人々に在宅勤務をし、10人以上のグループで会わないよう求めることを意味します。 私たちのこの取り組みは、優れた一時的な措置です。 感染症の進展を妨げることにより、医療システムを維持できる可能性が高まります。

しかし、これらの取り組みは、すでに感染している人々は助けられません。 今日感染した人が症状を示すまでに最大2週間かかり、症状をまったく示さない人もいます。 社会的距離戦略は、これらの感染を防ぐことはできません、なぜなら感染はすでに発生してしまっているいるからです。したがって、たとえ私たちの取り組みが長期的には改善をもたらしていたとしても、状況はしばらく悪化しているように見えます。 アウトブレイクは引き続き進行します。

しかしインペリアルカレッジのレポートには楽観的に構えられる根拠が埋もれています。(同レポートの)分析では、何もしないシナリオでは多くの人がすぐに亡くなってしまいます。 しかし(実際には)真剣な緩和策が講じられているため、現在実施している多くの対策がそれをスローダウンさせます。 同レポートは夏までに病気になる人の数が最終的にごく少数まで減少すると推定しています。

ところがこのルートでは、本当のホラーショーは秋に始まり、次の冬、COVID-19が逆襲しに戻ってくるときに私たちを押しつぶすのです。

これは1918年のインフルエンザで起こったことなのです。春時点(の状況)は悪いものでした。 夏の間、病人の数は減少し、誤った安心感を生み出しました。 これによりあらゆる地獄が解放されてしまいました。1918年後半、数千万人が死亡しました。

COVID-19についても同様のパターンが当てはまる場合、今の状況もたしかに悪いのですが、今年の年末に我々が直面しているだろう状況と比較すれば何ということもないかもしれないのです。

このため一部の人々は、今後18か月間は閉鎖(ロックダウン)される可能性があると主張しています。 彼らは代替案を見つけていません。 彼らはこう主張しますー私たちが通常の状態に戻ってしまうと、ウイルスはチェックされないままはびこり、秋と冬にはアメリカの人々を引き裂き、私たちの40から70パーセントに感染し、数百万人を殺し、数千万人を病院送りにします。これを防ぐために、彼らは世界をシャットダウンし続けることを提案していますが、それは経済と社会の構造を破壊するでしょう。

しかし、この主張はすべて、我々のただ2つの選択肢は数百万人の死、もしくは社会の崩壊であって、これは変えられないと仮定しています。

これは真実ではありません。 私たちは3つめのルートを創り出すことができます。 この課題に真正面から取り組むと決意することができるのです。それは間違いなく私たちの能力の範囲内なのです。 高速で信頼性が高く、どこでだってできる検査を開発することができます。もし全ての人を定期的に(感染者・非感染者に)選別すれば、ほとんどの人をより普通の生活に戻すことができます。 人が集まる学校や場所を再開できます。 集まる人々が感染していないと確信できるなら、彼らは交流することができます。(※)
※訳者注:つまりこれは必ずしも現在のPCR検査を大量に実施せよという意味ではないと思われます

感染していない人とは別に、感染者の迅速なスクリーニングとケアを行う医療施設を構築することもできるはずです。 これにより、病院やその他の医療施設で、ある感染者から別の感染者への感染を防ぐことができます。さらに我々は感染した人々を彼らの健康な家族から分けて収容し、家庭内での感染を防ぐことにコミットすることもできるはずです。

これらの手順だけではまだ十分ではありません。

医療インフラを大幅に強化する必要があります。 換気設備をつくり、病院用ベッドを増やす必要があります。 医師、看護師、呼吸療法士をトレーニングし、最も必要とされる場所に再配置する必要があります。医療従事者の安全を確保するために、マスク、手袋、ガウンなどの保護具の製造に工場を集中させる必要があります。 そして、最も重要なことは、この悪夢を最終的に終わらせるワクチンを開発するために、莫大な知的資源と財政的資源を注ぎ込む必要があるということです。 効果的なワクチンはパンデミックを終わらせ、世界中の何十億もの人々を守ります。

(感染の)カーブを平坦化するために現在行っている困難なアクションはすべて、感染率を医療システムが管理できるレベルまで低下させることだけを目的としたものではありません。それらは時間を買うことも意図しています。それらは私たちに真の違いをもたらすために必要なものを作り出すためのスペースを与えてくれるのです。

もちろん、これは私たちがその(買った)時間の中で何をするかにかかっています。過去数週間で、この国の雰囲気は、(新型コロナウイルスを)相手にしない態度から恐怖と懸念のそれに変わりました。それは正しい態度でしょう。これは深刻なパンデミックであり、感染率が米国の一部の地域の最大キャパシティを大きく上回る可能性は依然として非常に高いです。治療に必要なリソースより多くの深刻な感染者が発生する可能性が高いです。つまり、医療提供者は誰を治療し、誰を治療しないかを決定する必要があります。

彼らは、明確に示すにせよ示さないにせよ、誰が生き、誰が死ぬかを決めなければならないかもしれません。


しかし、社会的距離戦略にコミットすれば、今後数か月のうちのある時点で、感染拡大の速度は遅くなります。息をすることができるようになります。いくつかの初期に感染した国のように、制限を緩和することができます。正常に見えるようになります。

そして誘惑は、私たちが最悪の事態を乗り越えたとみなすことでしょう。その誘惑に屈するべきではありません。 その時こそ私たちの努力を倍増させる時です。 やがてくる嵐に備える必要があります。 備蓄を増やし、戦略を立て、準備を整える必要があります。

3つめのルートを選択した場合、秋が到来したときに感染の復活に対して先手を打つことになります。 ウイルスに晒される人の数を最小限に抑え、感染した人に注意を集中し、そしてそれでもなお(感染拡大に)失敗した時にその場所でのみ、より厳密な物理的距離を取るように定められるようになります。

学校と企業をできるだけ開いたままにして、抑制に失敗した場合はすぐに閉鎖し、感染者が特定され隔離され次第再開させることができるようになります。 防御をする代わりに、より多くの攻撃をすることができます。

私たちは治療方法やワクチンを見つけるためのスケジュールを守っていく必要があります。

前回我々がこのレベルの感染力と危険性を持ち、かつ治療法もワクチンもないパンデミックに直面したのは100年前で、それは5000万人の死亡をもたらしました。 コロナウイルスのパンデミックは前例のないものではありませんが、生きている人のほとんどはこれまで経験したことがありません。 しかし、私たちは今日、はるかに知識が豊富で、より協調的で、はるかに優れた能力をもちます。

一部のアメリカ人は現実を受け入れようとせず、他のアメリカ人は絶望を感じています。 いずれの感情も理解できます。 私たちは皆、選択肢を持っています。 せまりくる炎を見て、燃えるにまかせることもできます。 膝を抱えてしゃがみこみ、それが去るのを待つこともできます。あるいは、できるだけ少ないダメージでそれを乗り越えるために協力することもできます。 この国はかつて大きな脅威の数々に直面し、挑戦しようと立ち上がったことがあるのですから、もう一度できます。 ただその実現のために決意する必要があるのです。

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