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[玉造温泉街再生秘話㉟]最終話 新しいお役目

ご拝読いただきました皆様。

いよいよ今日が最終話です。

ここまで更新を続けてこれましたのも、皆さまのおかげです。

コメントをいただいた方。

サポート(寄付)をいただいた方。

SNSで広めていただいた方。

皆様の応援がとても心地よく、最終回までたどり着きました。

本当に感謝いたします。

それでは、最終話は角さん自身のお話です。


熱意のオファー

2019年 6月

観光協会の仕事に限界を感じながらも、毎日楽しく過ごしておりました。

事業も順調。

視察受け入れも毎月5組くらい来られます。

温泉街も観光客が歩かれていて賑わいも定着したようです。


そんなある日のことです。


電話がかかってきました。

角「もしもし?角です」

相手「始めまして!私、富山県にある高岡商工会議所青年部の加藤と申します」

ん?

富山県??

商工会?

瞬間的に「講演依頼だな」と察しました。

答えは、察した通りです。

以下加藤さん

「じつは11月に総会を開きます」

「つきましては基調講演をお願いしたいのですが」

「ぜひ角先生にお願いしたいのです!」


角(えーっと… どうして角の事を知ったのだろう…)


どうやら出町譲さんの書籍を読んで感動された模様です。

〔補足〕出町譲さんが全国の地方創生事例の現場をまとめた書籍です。

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▲記事の最後にサイトのリンクを貼っときますね♪


そちらを見て角さんに連絡をしてくださった模様です。

電話の向こうから熱弁してこられます←正直、嫌いじゃないタイプです

ただ、

2年前に大病をしてから、遠くへの出張はお断りをしていたのです。

富山かぁ、、、

行ったことは無いので興味はあります。

でも体調も心配です。

一旦考えさせてください、と電話を切り玉造温泉 ⇄ 富山のアクセスを調べました。

すると


電車で7時間58分!


いや、無理。

絶対無理!!

体力もたない。

という事で翌日に『ウソをついて』お断りをする事にしました。

〔補足〕断ったウソの内容⇒ご依頼日の前日の夜にどうしても外せない会議と懇親会がありまして、、、本当に申し訳ないのですが、今回はお断りさせてください。 と言いました。

富山かぁ…

と思っていたのも その日くらいでして

翌日にはすぐに忘れておりましたが…

 

1週間後の事です。

また加藤さんから電話がかかってきました。


以下加藤さん

「角先生。この前はお時間いただきありがとうございました」

「一度お断りをされた基調講演ですが」

「どうしても諦めきれなくて、なんとか来ていただける方法を考えました!」 

「前日の夜にご予定があるという事でしたので」

「加藤と副委員長の村田の2人で前日夜に車で迎えに行きます」

「安心ください!」

「先約が終わり次第、出発出来るように会場外で待機します」

「大丈夫です!」

「角先生は後ろで寝とってもらえたらいいですから」

「島根を夜中の12時に出発すれば開演1時間前には着きます!」

「どうしても、高岡の仲間に角先生のお話を聞かせてやりたいのです」

「どうか、もう一度ご検討をお願いします」 

~熱い電話10分~


ええええーーーーー!

いやいやいやいや

なんという熱量…

久しぶりに心が震えました。

ここまでして角さんの話を聞きたいというこの人は…

そして仲間に聞かせたい!というこの加藤さんは一体どんな人なのだろう…

角「ありがとうございます。その熱意がとても嬉しいです。なので…えーと…そうですね…先約ともう一度相談してもよいですか?」←ウソついちゃったから困ってます。

一旦電話を切ります。

どうしよう…

こんな嬉しい依頼はなかなかありません。

とりあえず、妻に相談しよう…

〔補足〕角家の妻はとても良く出来た奥さまですので5秒で結論が出ました。

さて。

ウソついちゃった角さんは、熱い男、加藤さんにどうやって『行きます!』と言おうか悩みます。

結局、ウソにウソを上書きして

『会議と懇親会を別の日にしてもらえたました♪ラッキーでしたー』

とお返事をしました。

〔補足〕その後、9月に「一度打ち合わせをしましょう!」と言われてメールや電話でやるのかな、と思ったら加藤さんと村田さんの2人が富山から車で来ました。マジかよ…

富山行きは決めました。

しかし、体調は心配です。

なるべく移動時間の少ない飛行機乗り継ぎにしました。

出雲空港→羽田空港→富山空港 約3時間

よし

これなら身体の負担も少なくてすみそうだ。

講演内容も普段以上に準備をしました。


2019年11月 講演日前日

何かあるといけないと思って前日に富山入りしました。

※加藤さんが色々と案内してくれました←楽しかった♪

夜20時ごろにリハーサルって事で加藤さんがホテルに迎えにこられました。

その車の中で

加藤さん「いやー…いよいよだなぁ。ついに明日、みんなに角先生の話を聞かせてやれるなぁ」

角(いや、あのね?加藤さんも僕の話、聞いた事ないよね?)と心の中でツッコミしときました。

そんなツッコミは加藤さんには届かず(笑)

加藤さん「角先生!明日はぜひ!心の震えるようなお話をお願いします!」

「仲間たちの心をガツっと熱く燃やしてください!」と続けます。

心が震えるような講演かぁ…

この時に本番の話の内容を少し変える事を考えました。

※リハーサルの後で主宰チームのみなさんと飲み会をしました。料理とお酒と場所、そしてメンバーが最高でした。超いい人たち。またお会いしたい。

本番の朝

ホテルの部屋で1人リハーサルをします。

よし!

これでいこう!

心を震わせてもらえるかわかりませんが…講演内容も固まりました。


迎えが来て、会場に入り、本番を迎えます。

高岡商工会議所 大会議室

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体育館くらいの広さがある会場に150人くらいの若者が集まっております。

司会「それでは、基調講演に入ります。〜角の紹介〜 それでは角先生!よろしくお願いします!」

壇上にゆっくり上がります。


さて、普段なら

「みなさん!こんにちは〜」と明るく始めますが…

今回は変えました。


落ち着いたトーン。

簡単な自己紹介。


そして

いきなり謝罪からスタートしました。

「みなさん。こんにちは。玉造温泉からやってきました角です」

「こうしてお招きいただき嬉しく思います」

「さて、今日はまず最初に、謝罪をしたいと思っております」

「加藤委員長にお詫びいたします」

「今年の6月にこの基調講演の依頼を加藤さんからいただきました」

「ですが、最初はお断りをしました」

「実は2年前に、1か月近く入院する病気をしました」

「下手したら歩けなくなるような大きな病です」

「幸いにも回復し、今は日常生活には支障なく過ごせるようになりました」

「しかし、長時間の移動は身体への負担が心配でした」

「最初に加藤さんから電話をいただいた時に、断るためにウソをつきました」

前日の夜に先約がある、というウソです」

「一度は断りましたが、1週間にまた加藤さんからお電話をいただきました」

「どうしても仲間たちに角さんのお話を聞かせてやりたい」

「だから、前日の夜に車で迎えに行きますから!」

「夜通し走りますが後部座席で寝て休んでくださったら大丈夫です」

「加藤さんはこのようにおっしゃられるのです」

「正直、心が震えました」

「ここまでして、自分の話を仲間に聞かせてやりたい!と思う人がいるのだ。と感動しました」

「加藤さん」

「最初にお電話をいただいた時に、私はウソをついてお断りしました」

「本当に申し訳ない事をしました」

ー 深々と頭を下げる -

「でも、加藤さんやみなさんが諦めずに依頼し続けてくださったおかげで高岡市に来れました」

「本当に感謝しております」

「ありがとうございます」

〜約10分〜

落ち着いたトーンで、ゆっくり、ゆっくり、お話をしました。

会場のみなさんが集中して聞いてくださっている空気が伝わってきます。

それはもう、瞬きすらしないくらいの空気でした。

うなずきながら真剣に聞き入る若者たち。


会場を見ると、ハンカチを目に当てている女性もおられます。


そして、お詫びを終えて

その後は予定通りの講演内容をお話しました。

※覚悟を決めたお話(第2話)と願い石・叶い石(第7話)のお話をしました。

60分の講演が終わりました。

頭を下げると同時に

もの凄い拍手をいただきました。

今までの講演で一番大きく、そして長い拍手でした。

『無理をして来てよかった』

心から思いました。

その総会が終わった後も

「凄く良かったです!」

「心が震えました」

「涙が止まりませんでした」

「今まで参加した講演で一番良かったです」

など、ありがたい言葉をたくさんいただきました。

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▲高岡商工会議所青年部のみんな 超いい人ばかり


本当に来て良かったなぁ…

帰りの飛行機の中。

余韻にひたりながら、心の中で自分の声が聞こえてきます。

『本当はこのような事がやりたいんだよね』

『人に何かを伝えて生きていきたいんだよね』

観光協会の仕事も大好きです。

周藤さんの事も尊敬しています。

玉造温泉も大好きです。

これまでの13年間は、温泉街とみなさんの世話焼きをしてきました。

しかし、病気による体力低下、そしてアイデア不足となってしまったこの先は…

玉造温泉の現場を離れる事になるかもしれないけど…

周藤さんや皆さんの事を全国へお伝えしていきたいなぁ…

飛行機の窓から見える雲を見ながらぼんやりと考えていました。


玉造温泉に無事に帰りました。

心配していた体調も、若干疲れがありましたが…

玉造温泉には凄腕のマッサージ師がおります。

〔補足〕タイ古式マッサージから始まり、現在は身体全般を整えるゴッドハンド常松香織氏。月2回のペースで整えていただき体調も万全になりました。マル秘:超大物俳優や超有名な著名人も彼女の常連さんなのだとか。

体調は整えていただきました。

問題は心の声です。

ということで迷ったときには玉作湯神社へお参りします。

感謝の意、そして今の気持ちを神様へお伝えし、正しい道へのお導きをお願いします。

すると

12月にちょっと不思議なセミナーがある、という情報が入りました。
※半日としてはなかなか高額のセミナー

迷わず出席。

そこで、なかなか毒舌の先生からお導きの言葉をいただきます。

「やはりこのセミナーも神仕組みだ!」

「これからの10年は現場を離れて全国の皆様へ玉造温泉をお伝えする仕事をしよう!」

13年間勤めてきた観光協会への未練が完全に消えたセミナーとなりました。


2020年 3月

世界中が混乱に陥った状況のなか

穏やかに、静かに、

13年間勤務した

松江観光協会玉造温泉支部を卒業いたしました。

気持ちは世の中とは正反対で晴れやかです。

迷いや未練は一切なく、感謝の気持ちで卒業いたしました。



そして…


2020年4月

日本でも緊急事態宣言が発令されました。

外出の自粛要請、飲食店や観光地の営業自粛要請がありました。

玉造温泉も突然、観光客がゼロとなりました。

驚きました。

非常に焦りました。

でも、すぐに「大丈夫」と安心しました。

私には、13年間教わってきた「ありかた」

そして姫ラボの通販がありました。

「なんとか助かった…」

安堵の気持ちです。


しかし

世の中にはまだまだ困った方がおられることでしょう。

これから困る方も増えてくるのかな、と考えております。


私が玉造温泉で教えていただいた13年の経験や

周藤さんや地域の方から教えていただいた

『ありかた』と『やりかた』をお伝えしていきます。


学んだ事を必要な方に届けて

困っている方のお役に立つ事を

新しいお役目として生きていきたいと思っております。

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全35話 おしまい


参考 出町譲さんの著書はコチラ


最後までご覧いただきありがとうございました!

玉造温泉の現場での13年間のお話はこれで終わります。


最初は2週間くらいで終わるかと思っておりましたが

予想以上に長期連載となりました。


こうして毎日書き続けられたのも

冗談じゃなく皆様のおかげです。

皆様からの反響無くしてここまで続ける事は出来ませんでした。


最終話まで

励ましていただき

応援していただき

本当に感謝いたします。


35話で一応完結ですが、サイドストーリーをまた不定期でUPします!
※そこは無料で見られるようにしますのでご安心下さい!


そして、2つだけお願いがございます。

1.シェアのお願い
このマガジンを皆さんの周りで困っている人に届くようシェアをしていただけると喜びます。

2.お仕事ください
困っている人がいたらぜひ、角さんを紹介ください。←要はお仕事くださいっ! 講演、コンサル、相談、承ります!

ということで


最後までおつきあいいただきありがとうございました!!


皆さん

ありがとーーーーー!!!!

大好きだよーーーー!!!!!!



ー 完 -

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ここまで読み進めていただきありがとうございます! こうして読んで、コメントをいただいたことが大変励みになります。もし皆様のなにか参考になれば嬉しく思います。 皆様からいただきましたサポート資金のおかげでこうして続けられます。そして次の方にもご覧いただける事ができました。感謝☆