ネイルがやめられない女の話
誰だって、好きにさせてくれ、と思うことくらいあるだろう。それを口に出してはいけないときもあるだろう。でも、思うことくらいはいいじゃないか、と思う。褒めてほしいわけでも、いやなるべくなら褒めてほしいけど、爪の色ひとつ思い通りにいかない世の中じゃ、必要とされていないわけじゃないのに、外れ値扱いされる人間がどうしても出てきてしまうのではないだろうか。
「梅田さんさ、いくら事務とはいえ、大学生じゃないんだから」
そのときの私ときたら、あー、いま思い返しても悔しいのだけど、ポカンと