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この街の人々の心

僕のランニングコース、ウォーキングコースには四季折々の花が咲く。
その花々は自然の力に身を任せ、咲いているわけではない。
この街の人々が、この街を訪れる人たちのために、日々の手入れをしてくれている。僕の街でもある、この街は観光の街として、多くの人たちが訪れる。
だが、コロナ禍で訪れる人たちは激減した。
それでも、この街の人々は、四季を通じて、ずっと花を咲かせてくれる。
いつか戻ってくる、この街を訪れる人たちのために。

僕は、春の花、チューリップを見た。そして思った。黄色い花々の中に、一輪の赤色の花。
「これは、この街の人々のお洒落で粋ないたずらだな」

美しいものは、どんな場所でも美しい。
どんな場所でも、そこに受け入れる心があれば、違和感は生じない。
黄色も赤色も、同じ美しい花だから。
この街を訪れる人たちならば、それを感じてくれるはず。そんな気持ちが伝わってきた。「多様性」を理解しよう、理解してほしいという心意気。

たくさんの話をして、互いの理解を深めて、どんな人でも受け入れて、笑顔と平和な世界になりますように。
そんな、街の人々の心を感じた、春の日だった。


【あとがき】
私の主軸は、消防防災の活動について考えることです。
明日の天気図は、南西諸島以外も、梅雨の走りのような天気になりそうな雰囲気です。いよいよ、毎年、心して迎えるシーズンだなと気を引き締めました。
その前に、なんとか春の出来事を伝えたいと、筆をとりました。
ゴールデンウィークが終わり、梅雨に向かう前の束の間、チューリップを思い出して、春を振り返る日となりました。

どうか、今年の梅雨が穏やかな「そぼ降る雨」で、明けますように。


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