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舞台『笑わない君と笑う僕』を見て

先日、T-gene stageにて制作された舞台『笑わない君と笑う僕』を拝見いたしましたので、その感想を綴らせていただきます。

Story

私は笑えない
僕は笑うことしかできない
これは笑わない君と笑うことしかできない僕の物語
ねぇ…笑ってごらん?
世界が大きく変わるから
あなたは...この作品を見た時に笑いますか?それとも涙を流しますか?
https://stage.t-gene.com/warakimi/index.html

HPに書かれているStoryはこれだけでした。
正直、どんな話なんだろうって、全然予想も出来ないようなことしか書かれてなくて笑
でもキャストトーク(前夜祭)を見て、「この人たちが作り上げた作品なら面白いのではないか」と思い、配信を購入することを決めました。
(北海道在住なので、なかなか思い通りに遠征できず、悔しい気持ちです)

あえて私なりにあらすじをまとめさせていただきますと、

ある日、『笑う男』イブスキハジメは彼女であるムライアスカに別れ話をされてしまう。親友であるキムラツバサになんとか間を持ってもらえるよう頼みこんでいたが、気が付いたら彼は歩道橋から飛び降りようとしている『笑えない女』クミコと出会う。
自ら死のうとするクミコを『心から笑わせて見せる』とハジメはクミコと同行するようになるが、不思議なことにハジメの姿はクミコにしか見えなっていて―――

といった具合でしょうか。

Cast

河合健太郎 
広沢麻衣 
氏家蓮 
吉田知央 
長月明日香 
窪田美沙 
花崎那奈 
かよう愛子 
赤江耕之助 
図師光博  
永石匠 
水崎綾 
<日替わりゲスト> 
26日(水): 三井淳平 
27日(木): 湯本健一 
28日(金) 13:30公演: 橘ひと美 / 18:30公演: 沖野晃司 
29日(土): 竹石悟朗 
30日(日): 田中彪
https://stage.t-gene.com/warakimi/index.html

感想(ネタバレなし)

まずは内容に関するネタバレを含まないように感想を述べさせていただきます。
結論は『面白かった』です。
内容がちょっと重い部分もありつつ、それを演じられるキャストのみなさんの演技力。
一度見てからもう一度見ると、「この行動にはこんな意図があったのか」と思わせる舞台特有の感覚。
映像演劇だったり、アニメとかだったりでも「もう一度見てみると分かる」伏線というのがあるかと思いますが。
舞台演出来ってもっと違う色を感じさせてくれると思っていて、
「このシーンのこの人の表情はこういう意図で演じられていたんだ」とか、
「このシーンのしぐさはこの伏線があったからなんだ」とか、
セリフのない所謂「影」というのでしょうか?を見るのも結構好きで、
1回目で主演の方だったり、自分の好きな俳優さんの演技を見て、
2回目で他の方々を含んだ全体を見てみると、「こんなことしてたんだ」「ここまで役に入り込んでいたんだ」と感心することがあります。
脚本の良さ、キャストさんの演技力、演出が上手く噛み合っていて、満足感のある作品だなと感じました。
(ネタバレ含まない感想って難しいですね)

感想(ネタバレを含みます)

以下、ネタバレを含みますためご注意ください。




まず思った感想は「え、重っ」でした。笑

クミコちゃんがDV(デートDVに属するのでしょうか)を受けているシーンや、
ハジメくんが彼女であるアスカちゃんを親友と思っていたツバサくんに奪われていて2人が抱き合ってるシーンを見てしまったりとか。

序盤から心に辛いですよー笑

あとちょっと時系列が分かりにくい、ですかね。
ツバサくんに「彼女に『あなたといると心から笑えないの』って言われて振られたんだ」と相談したシーンの後に
アスカちゃんと「もしかして別れ話とか?」「あなたといると心から笑えないの」というシーンを挟んで(回想?)、
ツバサくんと別れたあとのシーンをやられていたり。

個人的には、クミコちゃんが飛び降りようとする前のシーンに別れ話の回想シーンがあった方がストーリー分かりやすいかなと感じました。(あくまで個人的な意見です!)

で、ネタバレコーナーなので自分の感じたことも含めて話してしまいますけど、
ここまでのツバサくんとのやりとりで「あー、これはツバサくんはハジメくんのことあんまり好きじゃないし、アスカちゃん奪ってるな」っていうのが感じ取れましたね。
特に「こいつ、失恋したんで」て決めつけているところ、「全て分かっている」っていう雰囲気を感じます。

そのあとクミコちゃんがツバサくんとアスカの浮気現場を見たところで、
ハジメくんが2人に見えなくなっていたのも割と分かりやすい、というか、
「あ、幽霊になってら」と思いました。
(もう一度見返すと、クミコちゃんと会うシーンの前に事故が起きた、という描写がありますね)

その後に出てきたDV彼氏。あれ?DV彼氏だと思っていたら奥さんいらっしゃったんですか?という気持ちで。
不倫DV彼氏に進化しましたね。

あとこれは実際に見てもらいたいキャラ「シンガーソングライターダイ」さん、凄いバカみたいで喧しくて、普段だったら「なんだよこいつ!」ってキャラなんですけど、
作中で数少ない「いい奴」です。
割と重要なキャラで、本作になくてはならないと思うのですけど、
それを上手く言語化することが出来ず…。

あとハジメくんのお父さんが笑うことを大事にしているキャラなんだなって言ってくれたり、
ハジメくんが東京に出てくると決めたときのお父さん、妹とのシーンを回想してくれて、
片親だけど、暖かな家庭で育ったことが伺えます。
こんな家族で生まれたかったな、とか思ったり。

とか。
このペースで書いていると全部のシーン書きだしてしまいそうですね!

うーん。

端折ります!(堂々と)

サクライダイくんは本当にいい奴でいいキャラで、ダイくんがいてハジメくんとキミコちゃんの気持ちが前向きになっていくのかな、と思いました。

アスカちゃんは最低ですね。最低です。彼氏の親友と浮気して、二股かけてからハジメくんを捨てる。そのくせ騙されたことを怒って。なんて酷い女なのでしょうか。(一応この子目当てで見てたんですけど)
(この子のオタク、他の男からバックハグされてたけど息してるのかな)

お父さん、妹ちゃん、本当にいい人。本作の良心担当。ハジメくんが優しい男に育つ理由がよく分かります。

不倫DV彼氏、奥さんが妊娠できなくてどうなって、「他の男が」云々いうようになったのか。
クミコちゃんに優しくしてたはずなのに、どうしてDVするに至ったのかなって。デリヘルやDV家族から救ってあげたところは良かったのに。
(どんどん心が不安定になっていったからなんだろうとは思いつつ)

幽霊さん、ハジメくんが幽霊だよって教えてあげて、アイドルを応援してて、(途中のアドリブ?)(タッチのくだりはめっちゃ面白かったです)
最終的に満足して成仏するところが、とても良かったなと。
※私が見たのは10/29(土)の18:30の回です

ハジメくん、自分が死んで(予想通り死んでたんですけど)、その後に親友と彼女の浮気を裏切りを知って、混乱しながらも、家族に愛に行くことができて。
帰ってきてからはクミコちゃんを心から笑顔にしようって、それが自分がここにいる理由じゃ無いかって。そう心から思って最終的にクミコちゃんの世界を変えられたことがとてもよかったです。

クミコちゃん、幸せになってよかったね。
ハジメくんを家族の元へ連れてってくれてありがとう。
DV彼氏からも縁を切れて、本当に良かった。
これから事務員さん頑張ってね。

そして、何より私が注目してみていたのがツバサくんでした。
ツバサくん、ハジメくんのこと騙したり、恋人奪ったりクズ男なんですけど、
ハジメくんが死んだあと、「死んだ?だから?俺別にあいつの友達じゃないし」という態度だったり、
ハジメくんの話題になるとあからさまに不機嫌になったりして、
ハジメくんが死んだ話をしてくるアスカちゃんに感情的になって
「お前のことが好きだったわけじゃない!ハジメの彼女だから奪ってやったんだ!」
って言っちゃたりして。
でも本当はハジメくんの死を一番気にしていたのはツバサくんだったもんね。
自分の方が優れた人間のはずなのに、ハジメくんの方が幸せそうでねたんじゃったんだもんね。
でもだからって、死んでほしい程憎んでたわけじゃなかったのに、それなのに死んじゃって、
「友達ですらない見下してた相手」だと思い込んでいたのにその死を悲しむことすら認められなかったんだもんね。
ツバサくんはこのあと、死んだ相手に対する罪とどう向き合って生きていくのかなって、とても不安です。
もっと自分の心を見つめて、信じて、他人と比べるんじゃなく自分らしく生きていこうね。
この感情を演技に乗せられてた氏家蓮くんの演技が、良かったです。

総括

とまぁ、キャラクター別に話してしまいましたけれど、
最後はハジメくんもクミコも、幸せになれるエンディングでしたので、
とてもおすすめの作品でした。
HPとチケット購入リンク先を添付いたします。

HP 舞台「笑わない君と笑う僕」 (t-gene.com)
チケット購入先 
株式会社T-gene 舞台「笑わない君と笑う僕」 | カンフェティ [演劇やクラシックのチケット情報満載] (confetti-web.com)

カンフェティでアーカイブが購入できますが、
書いてる間に10/26(水)の公演の期限が切れてましたね…
遅筆で申し訳ない限りです…
最大11/13(日)までは見られるようだったので!
少しでも興味持たれた方は是非ご観覧ください。

https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=68897&


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