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共通テストに「情報I」が導入される意義 大手予備校講師の考察

藤原進之介の考察
東進ハイスクール・東進衛星予備校で日本初の情報I講師になり、代々木ゼミナールに移籍、武田塾の教務も勤めております、藤原進之介です。

情報I

今回は、共通テストに「情報I」が導入される意義について、備忘録的に説明します。


なぜ今、情報Iなのか。

まず、「情報I」が共通テストに導入される背景には、現代社会での情報技術(IT)の重要性が大きく関係しています。私たちの日常生活や仕事の多くは情報技術に依存しており、今後さらにその傾向は強まると予想されています。例えば、スマートフォンのアプリやインターネット、データ分析、人工知能(AI)など、情報技術はあらゆる場面で活用されています。

「情報I」では、プログラミングやデータサイエンスの基礎、情報セキュリティ、情報モラルなどを学びます。これにより、生徒たちは現代の情報社会で必要とされるスキルや知識を身につけることができます。例えば、プログラミングを学ぶことで問題解決能力や論理的思考が養われます。また、情報セキュリティの知識を学ぶことで、インターネット上の詐欺や個人情報の漏洩から自分を守る方法を理解することができます。

つまり、情報Iは、現代を生きる必須の教養ということなのです。

さらに、情報教育は経済的・社会的格差を縮小する役割も果たすと期待されています。全ての生徒が情報技術に関する教育を受けることで、デジタルデバイド(情報技術を活用できる人とできない人の格差)を解消し、全員が平等に情報技術を活用できる社会を目指します。これにより、将来的には誰もがデジタル技術を使いこなすことができるようになり、社会全体の生産性や競争力が向上すると考えられています。

もちろん、「情報I」の導入には課題もあります。例えば、情報科の教員が不足していることや、学校によっては設備が整っていないことが問題となっています。これに対して、文部科学省や各自治体は情報教育の環境整備を進めています。具体的には、GIGAスクール構想により全ての高校生に一人一台のコンピューター端末が配布される予定です。また、情報科の教員を増やすための採用活動も進められています。

さらに、受験生にとって新たな科目が追加されることによる負担も懸念されています。情報科目の導入により、受験生は新たな知識やスキルを学ぶ必要があり、そのための時間や努力が求められます。しかし、これも将来的には大きなメリットとなるでしょう。情報技術に関する基礎知識を持つことは、大学や社会に出てからも大いに役立つからです。

以上のように、「情報I」が共通テストに導入されることは、現代社会における情報技術の重要性を反映したものであり、生徒たちが未来に向けて必要なスキルを身につけるために非常に有意義です。これからの社会では、情報技術を活用できる人材が求められており、その基礎を学ぶ「情報I」は、まさに未来を担う若者たちにとって重要な科目と言えるでしょう。

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