作品テーマのヒントを得る方法
脚本家・壽倉雅(すくら・みやび)でございます。
脚本や小説においては、作家自身が「こういうストーリーを書きたい」「こんなシチュエーション良いよな」という理想を形にすることもあれば、「こういうお話を書いてください」とオーダーが来ることもあります。
つまり、ぼんやりとダラダラと話を書くだけではいけないということです。
作品においては、作者が訴えたいメッセージやテーマが欠かせません。
今回は、作品テーマのヒントについて書いていきたいと思います。
新聞やニュースから、社会問題を引っ張る
私がよくやる方法は、新聞やニュースからヒントを得ることです。
トレンドというよりかは、どんな社会問題が起きているか、どんな事件が起きているのかを考えます。
実際、私が以前YouTubeドラマの脚本を担当した時、ヒントになったのがニュースでした。
ニュースで報道されていたのは、「ぼったくりバー摘発事件」。逮捕されたオーナーは反省の色を見せずに連行されていました。そのニュースを見ていた私は、こういう人にビシッと言わせてやりたい、と思い執筆しました。それが、このYouTubeドラマでした。
ドラマの内容は、ぼったくりのお店に引っ掛かった客が店員から金を払うように脅されたものの、実はそれが警察の潜入捜査で、最後は店員が逮捕されるというストーリーに仕立てました。
店員役の俳優さんも見てるだけでムカつく芝居を見事に演じてくださり、客役の俳優さんもひ弱に見えて実は刑事だったという変化を表現してくださいました。おかげで、とても楽しいドラマになりました。
日常会話からヒントを得る
もう一つ、私がヒントを得ているのは日常会話です。
家族や友人との他愛もない会話。ホームドラマなど会話劇を書くことが多い私は、特にこの会話ややり取りから、ヒントを得ます。
例えば「今日のご飯をどうする?」となった場合だけでも、様々なやり取りができるものです。
「今日のご飯は?」「オムライスだよ」
「今日は何?」「晩御飯?」「そう」「ハンバーグだよ」
など、会話のやり取り一つで、それぞれの家族が見えてくるものです。
明確な単語がなくてもニュアンスだけで意思疎通ができて、会話のキャッチボールを行うことができるのも、ホームドラマの良さです。
また、実際私は、お盆や連休に遊びに行った際の祖父母の会話のやり取りが、ホームドラマにおける夫婦の会話のヒントになることもありました。
「ここにおいてあったゆで卵どうした?」「ああ、あれならおでんにいれましたよ」「あれはサラダに使うように作ったんだぞ」
これは祖父母が台所でやり取りをしていた会話です。他愛もない会話ですが、クスッと笑えると思い、即メモをしたほどです。
また祖父母は広島在住なので、愛知在住の私には通じない方言での会話が多く、「おばあちゃん、それどういう意味?」と毎回聞くのが恒例となっていました。
こういう日常生活でも、ネタは落ちていると私は思っています。
私は主にニュースや新聞、日常会話からヒントを得ていますが、中には音楽からインスピレーションを受ける方もいらっしゃると聞きます。
ヒントを得る方法が、皆さんそれぞれで異なるのも面白いですね。
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次回もお楽しみに!
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