良い支援サイト運用を考える

クリエイターと支援者双方がWin-Winになりたい。

支援を呼び込む、支援が続きやすくなる手法の考察は需要あるのでないかと思い、書いてみました。
運用が良くなく支援を打ち切ってしまったクリエイターさんがいくつかあったことが切っ掛けです。
良いコンテンツを作っているのに、支援伸び悩んでる方に読んでいただきたいです。

先に目を通しておいた方が良い記事

FANBOXクリエイターガイド
FANBOXやFANTIAを使うなら、まずは無料の近況報告からでいいんじゃないのって話
何よりも重要なのは無理せず続けることです。

プラン価格設定について

私が長く加入してる支援先を集計したところ、平均536円、中央値500円、最大2000円、最小100円でした。
FANBOXクリエイターガイドにもありますが、月500円が入りやすく続けやすいボリュームゾーンなのは合っているようです。
ただし、更新頻度やクオリティによりけりで500円だとちょっと高いなと思うこともありますので、ファン数増減を見て調整は必要だと思います。
以下にうまい設定だと思った実例をご紹介します。

・投げ銭として
漫画や3D動画など制作に時間がかかり、かつ活動も不定期な方
100円〜300円 … 不定期な進捗報告、ラフや簡易着色絵など
700円 … 出来上がった漫画・動画コンテンツ投稿
最初から不定期投稿であることを明記されており、コンテンツが上がったら好きに出入りしてくれというスタンスでした。

・有料ブログとして
プロの漫画家の方
100円 … 打ち合せでボツになった方のラフ、公開された作品の設定資料、気晴らしの落書き、日記など
500円,1000円 … 見られるコンテンツは100円と変わらず、もっと支援したいお気持ち用
Twitterで公開されてる2倍以上の内容があり、見応えありました。

・イラスト公開の場として1
定期的に一定量のコンテンツを出す方
300〜500円 … 支援サイト限定差分公開プラン
700〜1000円 … PSD公開プラン
私が支援してるうちで一番多いのがこのタイプ
PSDなど作業ファイルの公開は特別感がありファンとしては嬉しいので、もっと公開される方増えて欲しいです。

・イラスト公開の場として2
コミッションイラストも自作イラストも大量に描かれる作家
$1(100円) … イラスト公開プラン
$10(1000円) … PSD公開プラン
全制作物アーカイブをMEGAに上げており、$1プランは毎月そのアクセスキーがもらえる。
支援サイトは全ダウンロードがし辛く、それが故に海賊サイトに転載されることがありますが、作者公式にダウンロード手段を用意することで、その芽を潰しています。
海賊版への有効な対処はコピーできないよう制限するのでなく海賊版より便利にしてしまうこと、まさにこれだと思います。

更新頻度について

FANBOXクリエイターガイドにも詳しいので蛇足となりますが、私がファンとして長く支援を続けられる最低限は以下のように考えてます。
・1ヶ月に2回投稿 (内訳は、進捗ラフ記事、完成版記事)
・1ヶ月以上投稿間隔を空けない
※不定期投稿と明記されている投げ銭スタンスの場合は除きます

どの支援サイトも1ヶ月単位の課金になるので、制作期間も最大1ヶ月を想定された方が収まりが良いと思います。
制作期間2〜3ヶ月ものに取り掛かっている場合、制作中の進捗投稿は欲しいです。
何も投稿無く1ヶ月以上経つと大丈夫なのか不安になってきますので……

仕事が多忙とか生活のトラブルなどで普段通りの制作が困難なときは、「遅れること、そのうち必ず戻ること」を告知出しましょう。
そういう事情があるならアプトプット無くても支援しようと思うファンもいますよ!

支援金の使い道

基本的に何にでも使っていいですが、ファンのためにもなるようなことは支援サイトでも前向きにアピールした方が良いと思います。
例としては、絵の資料や画材、制作環境整えましたなどです。
支援金の収入支出を報告されてる方もいますが、そこまではあまり求めてないです。

支援者とのコミュニケーション

全レス返したりリクエストに全部応えたり、ということは求めていません。
作品が好きでそれに集中できるよう支援しているので、支援者への対応に時間取られるのは本末転倒になってしまいます。
ある意味で人気商売であることを自覚し、表には「お便り全ては返せませんが、読んでます、いつもありがとう」ぐらいのスタンスが良いでしょう。

pixivFANBOXは入ったらコンテンツ全て取られてしまわない? 過去から入っている人と不平等にならない?

支援はクリエイターの現在と未来に対してのものなので、その考えは合いません。
過去から加入している人は作品をいち早く見られるというメリットを既に消費しています。
どうしてもと考えるなら以下の方法が使えると思います。

・pixivFANBOX … 過去ログプランを用意(1000〜3000円)
※一定期間過ぎた記事の公開を過去ログプランに変更する
・一定期間で記事を落とすことを先に明示しておき、パック販売
※3ヶ月〜半年ぐらいでまとめ、値段はその枚数のCG集として逸脱しない程度に、単純に支援プラン金額×期間で設定すると高すぎます。
・fantia … バックナンバー販売機能

fantiaを2年以上続けるとバックナンバー全部で万を超える値段になります。
長く支援している人は抜けにくくなりますが、何か対策をされないと新規加入の心的障壁が高く、先細りすることになると思います。
また、商売気が強すぎたり閲覧者にとって使い勝手が悪いと海賊版が出てくるデメリットも生まれます。
結論としてfantiaはゆるく長く続けたい方には向かないと思います。

ご新規さんを呼び込む

前項にも書きましたが、サイトの先細りを避けるためには、持続的な新規加入が必須となります。
支援限定コンテンツのチラ見せ、有料記事を限定で無料公開するなどの施策がまず浮かぶと思いますが、イベントを開催するというのはいかがでしょうか。
以下に私が見た事例を紹介します。

・コミッションリクエストイベント
数ヶ月に一度くらいの間隔で実施
プランや加入月数で条件を付けた加入者の中からコミッションリクエストをもらい、それを描く。
フルカラーイラストを抽選で1名〜数名だけでもいいし、ラフだけ受けるとしてリクエスト全員分をひたすら描いてみたり、やり方はファン数・制作速度・制作に当てられる時間と相談して調整してみてください。

・お題リクエストイベント
上記コミッションリクエストと似てますが、お題募集なので受けなくていいし、その通り描かなくてもよい。
コミッションはやりたくないけど、何か新しいひらめきを得たいときにいかがでしょうか。
勘違いする人が出てくるので募集の際、コミッションでないことを理解させるよう十分に案内する必要があります。

・次描くものアンケート
次に描きたい構想をいくつか提示してアンケート
リクエストを受けるわけではないので、好きに描きたい性質の方にもオススメです。
支援者もクリエイターとのコミュニケーションができて満たされます。
プランが複数ある場合、上位プラン限定としてもいいと思います。

やらない方がいいと思うこと

・作品に愛が無いと思われる行為
支援限定作品に明かなミス(塗り漏れ、レイヤー重なりの間違い、差分出力ミス)があった場合は直して欲しいです。
指摘されても直されないと、支援用の作品出したあとは興味も無いんですか?お金出す体裁が整えばいいのかと、蔑ろにされているように思ってしまいます。

・炎上
クリエイター誰もが聖人君子とは思っていませんが、上にも書きました通り支援サイトは人気商売です。
頻繁にSNSで荒ぶられ、支援サイトにまでイライラを持ってこられると、ちょっとな……と離れるファンが居ることをご理解の上、運用して欲しいです。

さいごに

以上、初めてnote使ってみました。
消費者の独善的なお気持ち表明でないように心がけたつもりですが、何ぶんクリエイターの事情は推し量るしかないので、見当違いでしたらご容赦ください。

反応、コメント、ご意見など歓迎です。

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