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なんでもない事9


 すっかり涼しくなった。夜は耳をすませば秋虫の鳴く声も聞こえてくる。どこからともなく刈られた草の匂いが風に乗ってやってくる。よい季節だ。死期を選べるなら断然秋と決めている。毎年秋が好きすぎて死にたくなっている。

~結末の話~

 自粛自粛で何かと書籍を読む時間が増えているであろう皆さまは、漫画でも小説でもアニメでもドラマでも、最終話を読み終えた時、何を思うか。感動?達成感? 自分は喪失感でいっぱいになる。だからご飯も喉を通らなくなるくらい好きになった物語以外は、最終話は見ない、もしくは読まない事にしている。

 多分その物語に入り込みすぎるのだと思う。好きだから終わって欲しくない。例え世間では終わっていても、自分の中ではずっと生き続けていて欲しいので、黒子のバスケとか、ゼロの使い魔など、とっくに終わっているのに結末を知らない。黒子のバスケに至っては20巻くらいまで買った時点で最終巻が出ていたが、そこで読むのをやめて全部ブックオフに売りに行った。だから今自分の本棚に置いてあるのは、殆どが続くと分かっているものだ。あと一巻買えば終わってしまう漫画もあるが、多分これも一生最終巻は買わずに終わるんだろう。

 最終巻まで持っているのは、本当に好きすぎて頭の中がその世界一色になって、ろくに頭が回らなくなってしまい、そして毎年読み返す中毒性のある本ばっかりだ。神様のメモ帳とか、宵鳴なんかは毎年一度は必ず読み返す。

 最近中華ファンタジーの魔導祖師にハマって全巻買って読み終えたが、オマケの小冊子は読めずにいる。これを読んでしまったら本当に全部終わってしまう。アニメもやってるので見ているけど、多分最後までは見ない。終わってしまえば多分廃人になる。鳴夜を読み終えた後みたいに。終わりのセラフのアニメを見終えた後みたいに。ちなみに終わりのセラフは好きになり過ぎて二期は断念した。原作も買っていない。こうして文字に起こしてみると何言ってるんだコイツって自分でも思う。

 どんなにハッピーエンドでも、逆にバッドエンドであっても、最後を知った後は絶対心が空っぽになってしまって辛くなる。どうすれば心穏やかなまま、物語の結末まで辿り着けるか誰か教えてほしい。これ以上ぐだぐだ言っていても収拾がつかなくなりそうなので、この話題はここで終わる。


~ようつべの話~

 ようつべって死語なのだろうか。世代がバレてしまう言葉かもしれない。

 自分も例にもれず、毎日youtubeを見ている。オカルト系からネコチャン、パグの動画までジャンルは幅広い。頭を空っぽに出来るので、よく流し聞きもしている。

 最近思うのが、広告の内容だ。動画を再生する前、再生中に流れる鬱陶しいアレだ。それらの内容が、大抵副業や投資系のものになる。あとは楽天カードマーーーン‼ これには個人差もあるかもしれないが、自分は脱毛系の広告よりも副業系の広告が多く流れている気がする。

 広告、どうせならもっと別の何かにしてはくれないだろうか。水族館の広告とか、旅行の広告とか、そういうものにしてほしい。ココロをワクワクさせるようなやつ。新作ゲームのやつでも良い。
 何が悲しくて、斜に構えた人間が椅子に座って蘊蓄を垂れる動画を五秒も見なければいけないのか。世間がそうさせるのか。副業なんて、お前が簡単そうに言ってる以上にハードルが高いしリスクもあるんだぞと見る度に思う。
 自分はクソ真面目に貯金している保守派だ。そしてきっと将来憂き目に遭う事も分かっている。どちらに転んでも自分は心底安心して生きていく事が出来ない性格だ。多分病気なんだと思う。
 いっその事、月額会員になって広告を消すのも有りなのかもしれない。しかし今までそういう物に課金した事がほぼないと言っても過言ではない自分にとっては、それすらもハードルが高い。ああ駄目なやつだ。またそんなつまらない事をぐるぐると考え続けて胃が痛くなってしまう……。


~しょくぶつの話~

 久しぶりに文章を書かせてみれば上記二つはこのザマだ。悲観が過ぎるので、最後くらいはちょっぴり明るい小話をば。
 自分は多肉植物を二つ飼っているのだが、家の日当たりが絶望過ぎるが故に今にも死にそうになっていた。
 一応朝は柔らかい日差しが差すのだが、午後は全く入らない。普段は仕事をしているので、窓も閉めて風が入らない。そんな環境で飼っていればそうなるのも当然だ。

 そこで、人の助言を貰って人工太陽(?)を買った。植物を育てる専用のライトだ。
 ワクワクしながら設置してもらい、いざライトを点灯するとどぎつい紫色のライトだった。その光をずっと見ていると目がしょぼしょぼする。ラブホかな?

 しかしコイツを使うようになってから、ハルオチア・オブツーサ(レタスっぽい多肉植物)は明らかに元気になった。以前まではずっと萎んでいたのに、葉一枚一枚が開いてきている。
 胴切りに失敗してどうしようもなくなっていたサボテンも、心なしかハリが出てきた気がする。こちらは根っこがない状態なので、恐らく快復までにもっともっと時間がかかるだろうという事で、気長に応援している。

 人間には目に毒な光であっても、植物には良いらしい。これから冬になるにつれて、日照時間が短くなってしまうので、元気になるまではこのライトに世話になるつもりだ。
 瀕死な植物を飼っている皆さまも、騙される前提で人工太陽を買ってみては如何か。ただし結構不良品も多いみたいなので、購入する際は気を付けてほしい。それだけ。

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