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地獄旅X-3 島原 レトロかんばん天国

前回の!地獄旅!
いろいろあった。海にでた。おもったよりもでかいぞ天草。
そして、舞台は島原へ。

水面がとろり。あぶくがふわり。

視界にでっかい赤い橋が入ってきた。口之津港の入り口に位置する「なんばん大橋」。

異常角度路面。フェリー、一度も車で乗り込んだことがない。

当然、今回も歩き乗船だ。

ここからは長崎県となる。

島原。例によって、ほとんど予備知識がない。
ただ、どうも九州は温暖地なせいか、まあまあ田舎に見える所でも都市圏が広がってるような印象がある。たぶんどうにかなるでしょ。

なにはともあれ、ここを脱出しなくてはならない。

バスのルートを確認。例によって、複雑すぎてまったく理解できない。

とりあえず次の目的地は島原駅なのだが、せっかくなので島原港駅までバスで移動し、そこからローカル線「島原鉄道」に乗り換えるという計画だ。

うどん。

観光ムード…

フェリー港の建物内をうろうろしている。

ひっそりと歴史民俗資料館があった。
「からゆきさん」に関する展示に重きを置いている。

写真可の古道具コーナーにガリ版のツールがあった。

巨大さが売りの斬新なゆるキャラ、ベイガ船長。悩みが多い!

まだ時間あるし、例によって散歩。

あとのことを考えると、コンビニでお金でもおろしておきたいのだが…
ないね?コンビニが…

ゆらり、水草。

にゅるり、雑草。

猛烈なミカン色の建物の背後に…あっ

ウワーッ!!

いきなり遭遇!!ベイガ船長!!
デカァァイ説明不要!!!!!

…なんかボタンがある!ウワァァイ説明希望!!!!!!

…そういえばメガCDに「SWITCH」ってゲームあったな…

だめでした。

南蛮船。散歩はつづく。今度こそバスを乗り逃ししないようにしなくては…

看板が
くどい!

やっぱりちゃんぽん皿うどんが生活に根付いている。いいぞ。

…ん?なんか妙な道。

橋でも落ちたのだろうか?

すごく遊びたくなるムードを醸し出していたが、きけんだというから遊ばない…

ここにもちゃんぽん屋さん。もうやってない店かもしれない。

このガススタンドも稼働していなさそうだな。静かな街。
さて、ここで問題が発生。

デイリーヤマザキにATMがないのである。
今日も出たとこ勝負で宿をとる関係上、カードは常に使えない場合を想定しておかなくてなならない(booking.comや東横インが頼れる場合は事前にカード決済になる場合も多いのだが、そもそもこのまま進んでどこにたどり着くのか分かっていない)。島原の街はおそらく全く問題なくお金がおろせるだろうが、このバス待ちのラグタイムに解決しておきたかった。

地図上ではさらにこの先500mもいかないところにセブンイレブンもありそうなのだが、このパターンで散歩でバスを乗り逃してえらい目にあった直後でもあり、セブンイレブンにATMがある確証もないため、ひとまず港のバス停までひきかえすことに。(このログを書くためにストリートビューで確認したところ、セブンイレブンの看板にATMの文字を発見。なるほど、こういう手段で店の外観を見れば設備がわかるのか…今後のため覚えておこう)

魚屋の看板も侘びている。
このへんの店、どれももうやってないのでしょうね。

すべてが最高なボウリング場看板。
ボウリング場の看板や痕跡は、どこの街でもだいたいいい雰囲気がある。

南蛮船オベリスク。
こうして余裕をかましているのも、先程の鬼池港でこのへんの公共交通機関の共通パスを購入済だからである。飲み物買う程度のお金があれば、さしあたりなんの問題もない。

バス停のある港に戻ってきた。…あっスタンプラリーあるじゃん!
さっき気が付かなかったな。早く戻ってきてよかった。

グェーッ!スタンプラリーが非接触型になってる!時代の波!!

ふと、港の観光情報を流しているパネルに謎の天草四郎的ななにかが踊っていることに気づいた。
MISOGORO!!

ミソゴロウ!!!!!

みそ五郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

…誰なの!?


バスに乗りました。ぼーっとしてたら城跡が過ぎてった。

バスの速度が早い上にバス停留所が高密度すぎるため、放送が異常にせわしない。墓石の名入れが金色に輝いている。この地方独自のものであるらしい…

干潟。
そういえば、とちゅう「安徳」というバス停があった。海辺の町だし、諸星大二郎「妖怪ハンター」のあんとく様の物語のモデルになった場所なのかな…って思って調べてみたら、全然関係ない場所だった。たぶん。

とりよけタコ。

むぎみそ、むぎばたけ、小麦粉加工食品…粉の世界だな、このあたり。

バス停のような駅のような、奇妙な停留所にバスが到着した。

ホームと駅舎はあるけれど、線路はなく建物の中はがらんどう…どうやら、島原鉄道はいま向かっている終点駅「島原港」よりもっと南まで伸びていたらしい。この有家駅は、2008年に廃止されたとのこと。


疲れたし、直接島原入りしてもよかったのだけれど。

初志貫徹。島原港駅前バス停にて降りました。降りたのおれだけか。

降りてそうそうなんだけど、このバス、島原鉄道との乗り継ぎが考慮されていないっぽい。ちょうどいま列車出たばっかじゃん!また1時間待機!?

なんともリズムの悪い旅。
大人しく島原まで乗って行ってもよかったかも?
まあ、そんなにあくせくアクセスすることもないんだけど、さすがに待機待機でもうちょっと大胆に動きたい。

年季の入った踏切の近くに案内看板。

あれか。駅は。

いい佇まい。

風化しつつある踏切の色合いが美しい。

進む先をぼんやり眺める。好きな時間。


そして反対側は…じわじわと、緑のなかに溶けていく線路。
そうか、この先がさっきの有家駅とかに続いていたんだね。

行く先々で出会う鉄道むすめ。
昔、鉄道むすめの食玩かなんかを関東で見たときには、「人気あるのこれ?はじめてみた なにこれ?」とか思った記憶がある。
だんだん旅先が魔境になるにつれ、あちらで出会い、こちらで出会い…
温泉むすめもだいたい似たようなロケーションにおるのよな。

思ったより本数があって頼もしいね。
そして、思ったより終点まで長くかかるね。
距離があるのか、遅いのか…

がんばらんば。

ウルトラマンのような、乳酸菌飲料のような、そんな配色の奴が来た。

マモル号…誰!?また謎の人物が!?
(注記:2018年に急逝された島原新聞の社長を偲んで、その名を頂戴したもののようです。これもいまこの文章を書いてて調べた。その愛された人柄のしのばれる文章を、一緒にお仕事なさってた方が寄せておられました。)


あっかわいい。
鉄道むすめもいいけど、こういう絵柄、いいよね。

イェーッ!

さすがに片田舎の始発駅だと空いてるな。
こういうとこだと、鉄道マニアとか流れ者は早々に電車に乗り込んでるけど地域のひとは出発ギリギリに合わせて駅に来たりするんよね。
味わいある車内の様子。

鉄道マニアじゃないけど、運転台にはワクワクを感じる。

あっテーブルがスチールだ。ウールロイドは足元に磁石が入ってるからわかるのだ。記念写真がらくで助かる。さあゆくぞ。


車両基地。幸せの黄色いハンカチ感。

ジオパークだもんなあ。そりゃあ環境もよかろうもん。
電車のガラスの装飾文字が端正でキレイ。

君、妖怪ウォッチにいなかった?

野生の萌えが生息している。瞳のオレンジのハイライトが皮膚と溶け合い奇妙な表情になる。

近くの高校の美術部か漫研の子が描いているんでしょうね。
興奮するわい。

ミーミーもこういうの描きたいな。駅とか公共空間とかの飾るやつ。たのしそう

それにしても、みんなやたら絵がうまい。そして、いつごろ描かれたものなのか気になる。退色してる感じはないんだけど、表情表現はすこし前の時代のものに感じる。

というわけで、島原駅に到着。歩くぞ…ここがこの旅の最後の目的地だ。



あれ?鉄道むすめが着替えてる。

さっきの島原港駅でみたのこっちだったな。
2Pカラーが初めから設定されるのいいですね。同キャラ戦が捗る。

驛ーッ!車輌にかいてあったイラストのリアルバージョン。
島原の、子守唄…

いい絵だなこれ。(アフィリエイトくらい、やったほうがいいのかな?儲かるとも思えないけど、もしかしたら旅費の足しになるかもだし…)

予備知識なしで来ているので、ここで初めてどういう街かを知るという。

駅前はこんな感じ。

さあ、歩いていくぞ。この街はチブサン古墳・道の駅リップルランドと並び、このあたりに来たら一度は行ってみようと前から思っていたポイントがあるのだ。攻めるしかGO。

クラッシュ!看板に偽りなし。

澄んだ瞳の豚野郎。

いつもの国道沿い放浪よりは旅情あります。

なんか、全体にタイポグラフィがいいんですよね。この街。
九州とか北海道とか、東京からの物理的距離と文字の良さは比例してる気がする。効率と魅力の綱引きを感じます。

ナマモノジャンルの検索避け。腐女子を感じる

ヤス子。

あおき…アーイイ…子供の頃、おもちゃ屋さんって、「夢の国」的な場所だったわけじゃないですか。あの空気を吸うだけで健康になるような。そういうのが生き残っているおもちゃ屋さんです。店主といっしょに終わりの時を待つ店、という感じじゃなくてピカピカなのもいいですね。独自のチェーンおもちゃ屋さん、ぜひ末永く営業してほしいものです。

しまばらしにしまながし。

よろず。「城下」サービスセンター…お城あるのかな?

さて、この街最大の謎案件。松下ひふ科。
どう見てもまったく皮膚科のロゴじゃない!電気屋だこれ!

とおもったらロゴが複数ある!
けどこれもどう見てもひふ科じゃない!?
とんかつ屋とかちょっとした割烹の赴きが…そして象の像!?

TAIZOU!!
ここの皮膚科の家の出身…というわけなのかしら?お国自慢???
なぜ象????

別アングルから。

門柱には龍。ぜんぜんわからない。造形いいなあ。

あっロゴマークは象の形なんだ。わかったような、わからないような…

ちなみにサイドビューの印象はパチンコ屋でした。
すべてが謎の「俺の世界」。なにかの居抜き物件…なのか?(何の?)

2分間仕上げ!

もうすでにボロボロに疲れてるのだけど、なんていうか、
歩いていて飽きないね。いい街~

ウワーッ!

宇宙の騎士!宇宙の騎士!

手 造 り ま ん じ ゅ う
ウンゼンシュビョウテン!って響き良いですね。真言か必殺技の類

長かった…ついに見えてきた、旅の終わり。

ウワーッ!

ウワーッ!!

エレナ島原!!!!

エレナ
なかよし村
これだ!!!!
スパイス付き!!!!!

ロン龍!!!!!!!!

すばらしいローカルスーパーでの
すばらしい買い物。
すばらしい旅の疲れをゆっくりと
すばらしいお茶が洗い流していきます。

わらって

…唯一の問題は、ここからまた島原駅まで歩いて帰らにゃならんことだ。

旅も人生も、最終面が一番長い。

ゴシック系だけど地味に良い文字。会の字、左寄り?

あっ!城発見!

非情感あふれる超怖い事故看板。
帰り道も下を向かずに歩いて良かった。これは名品だ!


やっと駅に帰ってきた。

※今この地獄旅ログを見返すまで、「日本一海に近い駅」の文字に全然気付いてなかった…なんとなく鉄道むすめ撮っとくかくらいの気分だったんだろうな。風景、意識して見てればよかった…もう暗くて何も見えなかったかも。

味のある改札。

謎のキャットと渋い冗談Tシャツ。

渋いハイカラさん。

当然、売店も渋いのだ。

思ったよりは栄えているのだけれど、宿が見つかるかは別問題。
とにかく、諫早に至急到達しなくてはならない。

幸い、列車本数はかなり多い駅だ。どうにかなる。

スタンプおしてっちゃお。

いまさら気付いたけど、駅の中に日本庭園みたいな池がある。
なんか鯉でも有名な街だったかもしれん。

おいでなすったきいろいの

ひとりがけクロスシートひじかけつき。ぜいたく仕様だ。

巨大な電波塔そびえたつ。
このあたりは学校があるようでけっこう人が乗っている。栄えてるね。

神代の昔と大正時代の間に、西郷どんがいる。
そういえば、明治対象昭和平成の全地名、踏破してそうな気がするな。
確認まではしていないけど。

もう限界。寝たり起きたり。

いい駅舎だな…

大正駅です。

写真全然撮れてない。ぼけぼけだ。

もはや、ゾンビ状態なのだ。

愛野…

幸…
なんか縁起いい感じの地名続くね。


というわけで終点、諫早。

部屋とYシャツと私と手提げとTシャツと私(鉄)。

鉄道パンツ、赤パン2。

さて、ここからは勝手知ったるJRに乗り継ぎです。

たくさん列車があるのはいいけど、一番行き先が決まらない。
長崎・佐世保・佐賀あたり…明日は長崎空港に戻らなくてはならない。
メルヘン村ってのが気になるんだけど、これにいったら明日帰れなくなるかなあ…そもそも、どこにあるのやら。

時間あるんだから、めし食べよう、めし
少しは食べたいよ、旅情をさ…

郊外の栄えた街って感じ。居酒屋さんがメインかな。

駅からそばの「ひかり亭」ってお店がやってそうなのでイン。
popに描いてあるダメな感じの女子の絵がかわいい。わーい!!

ハピネスチャージ、しておくか…

とりあえず馬刺し。積極的に馬刺しを食べていたい気持ち。
あとは名物を1品くらい…疲れてるので控えめに、トルコライスだけ注文しておこうか…


マツタケが消滅していく…

大いなる肉のいかりに触れました…






助けて胃腸力…

しらぬひ。

「コンピューター視力測定室」いい響き…

むつごろうもこのへんだったんですね。
ワラスボもムツゴロウも食べるタイミングなさそうな旅…

明日は完全に旅程無しなので、最後空港にたどり着く事に関してかなりの警戒感がある。どこまで行けるのか、何時に戻らなくてはいけないのか。そもそも、空港って最寄り駅からかなりありそうだしなあ。こういう施設を見ては、ルートとして使えるのか検討していく。
タクシーで空港入りして飛行機乗り逃してLCCじゃない航空会社で買い直しなんて絶対いやだぞ。今回の旅費全体くらいの額が追加でふっとびそうだからな。

すこやかヴィヴィ。

デジタルスタンプラリーは…たのしくないな…

ポ。

最後の分岐点。佐世保バーガーとレモンステーキも食べたかったわね…
長崎ルートでいきます。

こいつでな。

懐かしいな、このイス。かっこいい。

あばよ諫早。

ところで、この補助椅子の…

このボタンなんだろ。

押すと、イスが開くのかな。押したら怒られるだろうか。
…押そう。

……ボタンじゃなかったっぽい。
イスが使える時間を表すランプかなんか。

せっかくなので記念撮影。

夜の似合う火星の猫ZEEGと汎用小型端末Mortimer-12。


終点マークが妙に好き。

ついたぞ、長崎だ。
夜の鉄道旅なんて道中撮る写真なにもないんだ。
ゴトゴト振動音を聞きながらスマホ見てるかねてるだけ…

足跡マークにびっくりだ。

かんぼこ一族
千円札投入口の上の目がいってるやつがかわいい。

長崎の駅を出ると。

一面の、荒野…
なんか日本中の巨大ターミナル駅がいっせいに駅前を更新している気がする。JR、都市の未来像を作るここ一番の大勝負に出ているのかしら。

ローカルな観光ムードある駅から、どこか画一的な全面ガラスのディテールを打ち出してカフェが併設された駅に変わるケースが多い気がする。観光客向けだけじゃなくて、地域のコミュニティ拠点、特に若い住人のよりどころ、あつまりどころ、縁のむすびなおしどころとしての側面を強調した新しい駅たち。きっとそんな駅たちも30年後には、懐かしくて時代に合わない風景になるのだろう。とにかく、いまある古い駅独特のムードを味わえるのはいまのうちだけかもしれないな。

歩道橋を渡り…

ロマン電車こと路面電車にのります。

中華街に向かいます。

ここでの一連の行動は、「楽しみたい」ではなく「生き残りたい」が同期です。

つまり、どういうことかと言うと。

中華街には、あるのよ。部屋が空いてる、東横インが…

謎の石像。

目的の街へ。部屋もどうにかなりそう。
ここまでくれば、もうどうにかなる。そういう安心感があります。

運河なんか撮っちゃう余裕もある。

五芒星だ。

横浜に比べると、小規模っぽい中華街。

夜の中華街の路地、独特のムード。

異界へ…

お、四神のプレート。

この街、あらためて明日歩いてみたいですな。

でも、今はとにかく。

もう…限界だ…

オヤスミ…

ナサ…

イ…

(つづく)

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