ダンサーたちの交換日記 「こうふく日記」 2020年8月15日(土)
「こうふく日記」とは
2020年4月に上演を予定していたダンスパフォーマンス作品の出演者4人による、いつか4人で踊る日までの交換日記。週ごとの担当者が1日分の日記を書いてゆきます。
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あずさ
父が、夢に出てきた。
3年前に、天国へ行った父。
夢では、実家のダイニング一緒にご飯を食べていた。内容はよく覚えてないけれど、たわいもないお喋りをしていた。
途中からなぜか隣のダイニングに父を残し、母と2人で、私の部屋で食べていた。
何故そうなったのかわからないけれど、なんだか父は寂しそうだった。
そんなところで、目が覚めた。
目を開けると、今週一人暮らしを始めたばかりの真っ白な自分の部屋だった。
そうか、お盆さんだ。
お墓参りに行く前の日に出てくるなんて。
大丈夫だよ、お参りいくよ。
待っててね。
そう頭の中の父に話しかける。
次に、連れてきた多肉植物アロマティカスに、
ロマちゃんおはよう、元気?今日もかわいいね、今窓開けるね、と声をかける。
そして毎朝部屋のどこかで会う、小さなクモくんにもおはようを言う。
部屋のものが少しずつ揃っていく過程はなかなか楽しい。その都度ないものを、たとえばテーブルの代わりにダンボールに風呂敷を敷いて補うなどしながら、少しずつ快適な部屋になっていくのをワクワクしながら次の家具の到着を待つ。
当たり前だけど、場所や環境を変えると、人との距離感が変わる。
徒歩十分のところに住む母に対しても優しくなれる。色々な物事に対して自分自身の心持ちが少しずつ変化するのも、大切なものがわかっていくようで、世界が愛おしい。
人生が良い方に転がっていきますようにと、今日もがんばります。
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