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翻弄と抗いとユーフォの四月

四月が終わった。復職して1ヶ月と少し、久しぶりにお給料が口座に振り込まれた。お金を稼ぐのは簡単ではなくて、大小さまざま色とりどりの敵を一つずつ倒す、敵は次から次へと現れてくる、そんな感覚で先月は働いていた。

戦いの過程では、コントロールできるものとできないものを分け、極めて理性的に自らのリソースを割く対象を選び、そのほかは潔く捨てる必要があった。

そしてそもそも、そういった活動に苦しくなく取り組めるように、自分をしっかりと保つ必要があった。

さまざまな敵とそれらに衛星する石ころに対峙しながら、翻弄されながら、必死に抗って自分を保った。

無事ゴールデンウィークまで逃げ切れて、心底ほっとしている。そんな私の、四月の振り返り。


体が春についていかない


何度も寝込んだ。頭がぎゅうぎゅうと重たくて、全身がだるくて力が入らない。春らしい三寒四温な気候と気圧に自律神経が置いてけぼりで、体がしんどい日が多かった。

体に引っ張られてメンタルも落ちそうだったが、全力で抗った。思うように働けない日の自分を責めようとする自分を、眺めてなだめて、「病み上がりだから仕方ない」を合言葉に心ゆるやかに過ごせたことはナイスだった。

ただ、欲を言えば、抗わなくても大丈夫な、元から朗らかな暮らしをしたい。モヤモヤやイライラに翻弄されず、柔らかく受け流せるようになりたい。

抗い続けて気付いたことは、いい暮らしには体力が必要ということ。体力が全てを解決するわけではないだろうが、体力がないと解決の土俵に立ててすらいない。

五月の目標は体力作り。今日も朝ランした。偉い。



本、全然読めなかった


復職後の目標は、平日の仕事後でも江國香織が読める暮らしをすること。仕事に人生の100%を注ぎ込まず、自分の好きを生活に散りばめること。

そう意気込んで仕事に戻ったものの、働いてると全然本読めなかった。もう、頭に文字と思考がいっぱいいっぱいなんだよね。これ以上入りませんよ状態。

文庫を開いて文字をなぞっても、目が滑っていくばかりで脳みそに届いてこない。脳みそにまで食い込ませようとすると、とてつもない気力を使ってしまって、心地よい時間とはかけ離れてしまう。

レシピ本をパラパラめくるので限界だった。悔しい。積読たくさんあるし、新作も欲しいのに。読みたい、読めない、読みたい。頭に詰まってしまう思考をパイプユニッシュする必要がありそうだ。

noteの投稿頻度を増やしてみようか。詰まっているあれこれを外に出すための手段として。それか、バシッと頭を切り替えられる方法が知りたい。適度に忘れられる、勝手に考えない脳みそが欲しい。



吹奏楽部に入りたい


響け!ユーフォニアムというアニメを見初めまして、見事にハマりました。万が一、来世も人間に生まれてしまった暁には、吹奏楽部に入ってユーフォを吹こうと思います。

このアニメの推しポイントは3つで、まず、部活(とくに女子特有)のリアルが描写し尽くされているということ。思春期の青臭い人間関係とか、先輩との微妙にそわつく距離感とか、そこから生まれるコミュニケーションやシーンがなんだか妙にリアルで引き込まれる。

私は吹奏楽部の経験はないが、分かる〜、そーゆうごたごたってあるよね〜、と共感したり、自らの過去と重ねて懐かしんだりを十分にできる。

全身全霊で走り抜ける爽快感とか、刹那的だと分かっているが故の無邪気さとか、夕暮れ時の空気にくたくたな体が絡まり合う切なさとか、流れが悪いけどどうしたら良いかは見当もつかないもどかしさとか、若さと仲間と体力が生み出していた無敵感とか。

部活の思い出が濃くって、自分を心地よく揺らす概念として存在し続けている自分にとって、一話ずつ大切に見守りたくなる物語だった。

もう一つは、アニメーションのすごさ。京アニってすごいんやね。楽器の演奏シーンってアニメに起こすのすごく難しいと思うんですが、躍動感にはじまり、指や口の細やかな動き、それが50人分重なり合ったステージと音楽は、生演奏のような重厚な臨場感を醸しているんです。

演奏の描写も去ることながら、人間が恋をした時の反応が忠実すぎて感情を手に取るように分からせられたり、教室や帰り道に垣間見える「そこ切り取ってくれるの?」な仕草に深く頷いたり、個々の人格設計とその表現の生きているような細やかさに没入させられたり。自分もそこにいたかのうよに錯覚するくらい、とにかくなんか妙にリアル。

最後に、声が好き。声優さんには明るくないので、どなたのどの声がって訳ではないのだけど、声質が好きなキャラクターばかり。世の中を決して明るくなんて捉えていない、かといって沈んでいるわけでもない、若い、種のような声に私には聞こえる。

そんでもってね、アニメの声ってよりかはクラスメイトの声なのよ。作品の声ってよりかは感情をもって生きている声。これもまた臨場感とのめり込みに一役買っていて、良いのだ。

思ったより語れてしまった。今日も帰ったら続きを見よう。


***


五月の私はどんな生活をするのかしら。ちょっとは成長できるといいな。朗らかな気候に、私の心もついていってくれると良い。すでに五月病の兆しも現れてきている気もするけど、そんなものには屈せず、強く気高く美しく、Going my wayしてみせようか。


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