知的障害者たちに教わったこと！

2023.11.19 #83

『障がい者と生きる』

ゲスト紹介

三宅光子さん

今年還暦ほやほやの三宅光子です。
知的障害の人たちと、縁あって長年の付き合いに…関東から三重県の湯ノ山温泉山麓に越してきて、はや三十年。まだまだ頑張る臨床心理士です！

紀子さん：もう山の暮らしは30年ですか？

光子さん：そう。長くなりました。

紀子さん：本当に山なんだよ！湯ノ山って電信柱とかがあんまりなくて、時代劇の撮影をするのにぴったりなくらいの田舎なのよ。

光子さん：温泉も近くて、男はつらいよのロケもされてたかな。

あさけ学園の話

紀子さん：そもそも何で山に行ったんだっけ？？

光子さん：小学校の時に知的障害の子たちと学校で一緒になって、普通に付き合ってたりとか遊んでたりもできたのね。そういう流れから「何かこういう人たちに興味を持ってもっと知りたいな。でも、わかんないこともいっぱいあるな。」みたいなところからボランティアになり、仕事になり。ちょっと通いのスタイルから「そこに住んでる人たちとも付き合いたいな」って思って、そういう仕事があるところが三重県の「あさけ学園」だったの。

紀子さん：「知的障害」ってひとくくりにしちゃうけど、どういう人を言うの？

光子さん：重たい人だと、読んだり喋ったり書いたり、そういうことがすごく難しい。だから感覚として私達と全然変わらないんだけれども、いろんなスキル、生活のスキルや勉強のスキルとかっていうのがやっぱり不得手っていう感じかな。

みっちゃん：なるほど。

光子さん：だから、そういうとこを助けてあげると逆に一緒にいろんなこともできるし1人で会社に行く人もいたりする。

紀子さん：東京でいろんな施設に通いで来てる利用者さんに就労サポートしてたりしてるのを聞いていて、私は「世の中ってこんなに仕事がたくさんあるんだ」って思ったんだよね。みんな色々働いてるワケよ。難しいわけじゃないもんね？

光子さん：そうそうそう。世界は広がるよ。一緒に。
紀子さん・みっちゃん：うふふふふｗ

紀子さん：あさけ学園って自閉症の学校なんだっけ？

光子さん：そう。「自閉症の人たちの大人になっていく人たちを誰が見る」みたいなことで日本で一番最初に専門施設としてできたんだよね。知的障害もあって自閉症もある人たち。

紀子さん：自閉症と知的障害って違うの？

光子さん：違うっていうか、一緒になってるっていうか。こだわりが強いとか、いろんな感覚障害があるとか、そういうのを単純に「スキルが弱い」っていうことプラス、そういう脳みそのちょっと偏った部分っていうのが出てきてる人たち。それはやっぱり「ちょっと付き合い方を工夫してあげた方がいいよね」っていうところで、その人たちを専門に診る施設も必要だねっていう話になってたみたい。

みっちゃん：そこの施設には、何人くらい利用者さんがいらっしゃるんですか？

光子さん：生活スタイルは色々なんだけど、住んでる人たちは70人ぐらい。で通ってる人たちは他にまた別に何十人とかいるかな。

みっちゃん：どんな1日なんですか？

光子さん：私達と一緒で「ちゃんと朝起きる。それから仕事に行く。帰ってきたらまたご飯食べて寝る」なんだけど、そのお仕事に行く先が下請けのお仕事をいただいてやってるところもあれば、自分で1人で会社へ行ってる人もあれば、私達が付き添って会社に行ってあげて、そこでお仕事してる人たちもあればっていう感じで。

紀子さん：仕事をする意欲はあるってこと？

光子さん：うん。意欲はある。だから、仕事は会社だけじゃなくって畑仕事もあるし、パン作ったりとかっていうのもあるし木を切ったりとかそんなのもある。意欲があるっていうところを自分でも気がついてなかったりする子たちがいっぱいなので、その入口まで連れてってあげる仕事をしてますね。

みっちゃん：なるほど。

光子さん：経験がないから、経験させてあげると「あれっ？」て本人も気がついてくるみたいなところもあるんだよね。「できるのかなぁ」って。

紀子さん：でも、それは普通の人もそうでしょう。就職するときに不安だったりとか、もう自分が駄目かもとか思ってる人も。

光子さん：そうそう。

障害のある人と付き合うということ

紀子さん：大学から入って初めて大学でボランティアもしてるから、そういう意味でいうと40年もそういう障害者の人たちと付き合っていきたくなった魅力とか、楽しみとかって何かあるの？

光子さん：最初は「楽しいから付き合う」っていう感じじゃなくて「わかんないから知りたくなっちゃった。」から始まってるんだけれども、入口は「障害者の人・障害者の子」みたいに入ってるんだよね。

紀子さん：うんうん。

光子さん：だけど、一緒に付き合ったり動いたり遊んだり食べたりとかしてる間に、いつの間にか「障害」っていう部分が一括りになってたような部分がちょっと薄らいでいって、洋子ちゃんとか、太郎くんとか、その子が浮かび上がってくるんだよね。

みっちゃん：なるほど。

光子さん：「個人の個性の塊いっぱいのパンパンのなんかエネルギッシュな魅力」みたいなのが出てきて「こんな面白い子たちなんだ！」みたいなところが探り当てられちゃったりすると本当に何か「いいもの見つけちゃったみたいな」感じになるんだよね。

紀子さん：うんうん。

光子さん：逆に私もそこに引っ張られて元気もらったり、何か頑張ろうかなと思えちゃったりする。私がどうこうっていうよりも、彼らに私が助けられてる部分もすごくあるんだと思う。ギブアンドテイクっていう言い方あんまりしたくないけど、やっぱり一緒にやってきてるんだなっていう感じがするね。

紀子さん：なんかすごい息苦しく生きてる人いっぱいいるじゃん。

みっちゃん：うん。

紀子さん：なんかそんなに息苦しく考えなくていいかもよっていう感じがして。

光子さん：面白いもん！

紀子さん：人が好きなんだよね。そういう意味ではね、

光子さん：人とか子供すごい苦手感がすごくあったはずなのに、なんか「そういうこと言ってる場合じゃないでしょ僕たちと付き合う場合には！」っていうふうに、何か殻を壊された感じにはなるかな。

リクエスト曲はこちら！

矢野顕子・忌野清志郎 の『ひとつだけ』

この人が普通に最初は好きっていうところぐらいだったんだけれども、いろんな中であの人の曲を聞いてたりすると...　ステージでいつも「愛し合ってるかーーーい！！？？」ってあれを言い続けていけるって、もう本当最高すごいなって思って。もう亡くなって何年か経つけどそのオマージュというところです。

健康法を教えてください！

簡単に、背中をピンと伸ばすだけで心も伸びるというか、意外にシャッキリするなって。いつもそれを心がけているのと、あとは山中にいるので緑とか、動物とか、虫とか、風とか、光とか、そういうものと、あとうちの中にいるかわいい3匹の猫に癒されてるなっていうふうに感じるとなんかすごい嬉しくなってほっこりする。それ結構私にとっては大事な健康法かなと思っております

紀子さん：基本的には、すごく雑多な仕事だと思うんですよ人相手だから。

みっちゃん：人のサポートってすごいですよね。

紀子さん：ちっちゃいことから大きいこともいっぱいあって、東京で働いてるときより圧倒的に肌つやがいいの。

みっちゃん：確かに！綺麗！！

光子さん：そう！向こうに行ってから、喘息のアレルギーも収まったの。

みっちゃん：やっぱり空気がいいの？

光子さん：いい！水も美味しい！だって仕事行きたくなくなったもん。仕事しに行ったのにｗ

東京で出会った人たちとのいま

紀子さん： 東京で付き合っていた利用者さんたちとの付き合いって今もあるの？

光子さん：親御さんたちを通じて時々会わせてもらうことがあったり、葉書とかが急に届いたりして「元気でやってる」とかって。

紀子さん：そういう人たちはやっぱり手紙書いたりとか...

光子さん：出来ない子たちはお母さんがとかっていうのもあるし、本人がっていうのもあるし、時々パソコンとかメールとかを使える子たちもいるけどね。

紀子さん：「繁華街子ちゃん」はどうですか？

光子さん：繁華街子はね… そういうの苦手なんだけどブイブイまだ言わしていると思う。

みっちゃん：繫華街子ちゃんって？？

光子さん：「繁華街子ちゃん」って呼んでる繁華街が大好きな女の子。もうおばさんになってるけどｗｗ

紀子さん：私が知ってる頃は17歳ぐらいだったから、そんな話を聞いてうんうんってなるけど(笑)

光子さん：47ぐらいだと思う。
紀子さん：あー！そうなんだ！ｗ

光子さん：普通のちょっと不良っぽい女の子たちと「フンガ、フンガ、フガー！」って言いながら、万引きしそうになって、お店の人に呼ばれて拉致に行ったこともあります。

紀子さん：会話ができなくてもコミュニケーションは取れる。

光子さん：スーパーとれる！

紀子さん：そういうことを知ったんだよね。「枠」とか「これはできないだろうとかっていう制限」はとっぱらえばいいんだなって。光子と話をするたびに思います。

光子さん：私も発見させられるんだよね。「この人のこと大体知ってる。30年も付き合ってるし！」って思ってた人が「こんなことできるの！？こんなこと言うの！？」って。「え？恋しちゃうの？」とかびっくりすることがいっぱいあるんだよね。

みっちゃん：なんか宝物いっぱいですね！

光子さん：そうなんだよね。恵まれてると思っちゃう。本当にね。

放送を振り返って

次回は、2023年11月26日(日)午前8時から。
おにぎりみっちゃんとミスターによる
エンタメ番組「Music Force」です！

お楽しみに～！

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お越しくださるゲストの方の健康法を伺い、
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セットリスト

「ひとつだけ」矢野顕子・忌野清志郎
→三宅さんリクエスト

「My Sharona」  The Knack

「Silly Love Songs」 Paul McCartney and the Wings

「Norwegian Wood」 The Beatles

「Michelle」 The Beatles

「In my life」　The Beatles

「As」　Stevie Wonder

「中央フリーウェイ｣ ハイファイセット

「You’ve got a friend」 Carol King