咎人の雛という男について

咎人の雛、と言う名前は知っているだろうか。
オモコロチャンネルというYouTubeチャンネルで生み出された、架空の俳人の名前である。

金色の和服に口髭、長くもっさりとした黒髪に
サングラスという、怪しい風体をしている。

その動画では、
参加者の持ち寄った俳句に対し、
雛先生(動画内での呼び方に準ずる)が
添削を行う、という企画が行われていた。

雛先生の行う添削は支離滅裂で、
俳句どころか日本語としてのフォーマットをも
破壊しており、それをみんな面白がっている。

最近、新規の動画が投稿されたことや、
あるテレビの企画が雛先生に影響を受けたことを明言したこともあって、少し前に
話題になった。

しかし、私は、先生を見ていると、なんだか
恐ろしさを覚えるのだ。
言動や添削の支離滅裂さからではない。

ただ、
「本当はみんな素晴らしい俳人だと思っているのではないか」
「みんなではなくとも、見識のある人は咎人の雛先生の良さを理解できているのではないか」
「私だけ思考の次元が低いのではないか」

そう、脳内で囁く声がするのだ。
みんな、笑っているのだろうか?
雛先生を見て笑っているのだろうか?
私のような蒙昧を嘲笑っているのではないか?

そんなことを思った私は、この記事を書き、
下書きに保存し、封印していた。

いま、しばらく経ってから見返してみている。

考えすぎである。 解散!

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