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未来工業(7931) 4Q決算からみる投資戦略


はじめに

 4月25日に4Q決算が発表となりました。2024年3月期は、過去最高益になりましたが今年度の予想が、最終利益ベースで前期比-17.8%予想となったことで株価は一時マイナス約7%まで下げました。しかし、200日移動平均線で反発し、結果プラス5.12%まで上昇、大陽線で取引を終えました。短期的に底打ち感があり上昇に転じそうなチャートにみえます。利回りも3.25%とぎりぎり高配当といえる水準です。自己資本比率も78.9%と高く、ほぼ無借金経営で財務体質は良好と言えます。よって、ここから自身の高配当株ポートフォリオに入れるのもありだと考えています。

2024年3月期決算内容

株探より引用

 結果的に2024年度は最高益になっています。一時的な株価下落の要因は今年度予想が良くなかったからですが、上記の業績推移を確認すると2024年3月期の業績は良すぎだとも言えます。
 しかし、決算短信の今後の見通しを確認すると、「電材及び管材事業、配線器具事業の属する住宅建築業界では、政府による住宅取得支援策や低水準 の住宅ローン金利等が継続しているものの、物価高騰による住宅取得マインドの低下等から新設住宅着工戸数は弱含みで推移する懸念があることや、資材価格や原油価格をはじめとするさまざまなコストのさらなる上昇等、厳しい経営環境が続くことが予想されます。」とあります。
 つまり物価高による住宅取得マインドの低下、コスト高で住宅市場には逆風と言える状況が続きそうです。また、日銀は今後、どの程度利上げをしていくかにも注目した方が良さそうです。政策金利を上げれば、住宅ローン金利にも影響が出るためです。

国土交通省が2024年1月31日に発表した新設住宅着工戸数の推移

 未来工業は新設住宅着工件数に業績が影響されるので適宜、確認していく必要があります。ちなみに2023年は2年ぶりに件数が減少しています。日銀がこのまま利上げを断続的に行なっていくのであれば、暫く住宅市場は厳しい状況が続くかもしれません。これに対して未来工業は、非住宅分野(データセンター、 病院、官公庁など)への推進や、価格改定による利益水準の維持に努めていく予定となっています。

中期経営計画2025

未来工業 中期経営計画2025より引用

 暫くは厳しい環境となりそうで2024年3月期とまではいきませんが、概ね当期純利益は右肩上がりで推移していく予想となっています。

未来工業 中期経営計画2025より引用

 また、株主還元策も増配とまではいきませんが、引き続き配当金130円程度の維持と業績によっては自社株買いもしてくれるかもしれません。

テクニカル的には買い時!?

株探より引用 日足チャート

 200日移動平均線で反発し、しかも大陽線、包み足を形成しています。テクニカル的に見れば短期的な反発が予測できます。現水準で購入してみるのも有りかと思います。

株探より引用 週足チャート

 週足チャートでみると、MACDは下落トレンドですが節目となる3500円近辺で反発し、下髭を長く付けているのがわかります。このまま反転上昇するかはわかりませんが、反発の兆しはあります。

まとめ

 今後は厳しい環境が続く予想となっていますが、財務体質は良好であり微増ながら利益も上昇を維持していく予想となっています。株主還元に関しても積極的であるため、高配当株のポートフォリオに現水準(4000円前後)であれば入れても良いのではないかと考えています。

※投資は自己責任となります。
 
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