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信越化学工業(4063) 暴落時に狙いたい半導体銘柄の投資戦略


はじめに

 昨今、米国の景気後退懸念や円高から半導体関連株は軒並み売られました。またAIブームも終わりかと言われる中ですが、そんな時こそ、半導体関連銘柄に注目してみようと思いました。日本でも、半導体関連銘柄は多数ありますが、中でも大型銘柄であり、概ね売上高、EPSが右肩上がりであること、財務も健全であることを考えると、候補に信越化学工業が上がってきました。もちろん高配当ではありませんが、今後の成長(キャピタルゲイン)をとりに行く投資となります。結論、1回目の買いは5500円付近、2回目の買いは5000円付近を狙えれば良いかと考えています。

塩化ビニール・半導体ウエハーで世界トップシェアの会社

 信越化学工業は、産業や生活の基礎になる素材、製品を作っている化学メーカーです。特に日常生活を支えるのに欠かせない【塩化ビニール】と半導体の基幹材料である【シリコンウエハー】が有名です。

信越化学工業HPより引用

 売上高の約79%は、海外です。という事は、為替の影響をモロに受けます。現時点での全体の方向感は円高なので、決算は不利になります。今後、米国の景気後退となれば、売り上げ減とプラスアルファでFFレートの引き下げから、さらなる円高の加速が考えられ、信越化学にとっては大ダメージとなります。

信越化学工業 決算短信より引用

 信越化学工業の想定為替レートは以下です。現在、ドル円は142円付近です。すでに想定よりも円高が進んでおり、為替による売り上げ減が起こりえそうです。

信越化学工業 決算短信より引用

 ちなみに、信越化学工業の2024年3月期の経常利益の為替感応度は、1円の変動でUSドルは年間44億円、ユーロは年間3億円です。かなりインパクトのある数字が動きますので、為替には要注意です。

 2025年3月期 第1四半期決算短信を確認すると、中国市況の低迷や米国の景気の陰りもみられていそうということで、今期は苦戦しそうな予感があります。

 ただ長期的な業績を確認すると、売上高、当期純利益ともに右肩上がりなので、下がったタイミングで拾っていくのはアリかなと考えています。

マネックス証券より引用

 自己資本比率は80%超え、有利子負債倍率も低値であることから、財務も健全であると思います。

株探より引用

各種指標の確認

  • PER 20.6倍 過去5年平均は18.4倍です。現時点では平均より、やや高い水準に位置しています。

マネックス証券より引用
  • PBR 2.46倍 過去5年平均は2.36倍です。現時点では、平均よりやや高い水準に位置しています。

マネックス証券より引用
  • 配当利回り 1.93%(予想ベース) 過去5年平均は1.76%(実績ベース)です。現時点では、過去5年の中でもやや高水準に位置しています。

マネックス証券より引用
  • ROE 11.97% 過去5年平均は13.57%です。現時点では平均より低い水準に位置しています。※一般的なROEの合格点は8%以上です。

IR BANKより引用

 各種指標を確認すると、利回りのみやや平均値を超えていますが、その他のPER、PBR、ROEはやや割高感があります。指標だけを見ると買い時とは言えない水準です。出来ればもう少し割安感があるときに仕込みたい感じがあります。

テクニカル視点での買い場は⁉

株探より引用 日足チャート

 すべての移動平均線を下回っています。短期的には崩れかけており、強いて言えば、8/5の安値5013円付近が節目となりそうです。もしくは終値の5245円が節目と考えられます。また上値も重そうで200日移動平均線が抵抗となりそうです。信用倍率は8/23に1.87倍まで落ち着きましたが、直近は6.19倍まで上昇しています。

株探より引用 週足チャート

 週足チャートで確認すると、5500円付近に節目があり、次は5000円付近に節目がありそうです。長期的に狙うのであれば、5000円付近まで待ちたいところです。

まとめ

 結論、1回目の買いは5500円付近、2回目の買いは5000円付近を狙えれば良いかと考えています。しかし、株価指標的には割安感はなく、現時点で景気後退と言えるようなデータはないですが、明らかに米国の失業者数は上昇しています。筆者は近いうちに景気後退が起きるかもしれないというシナリオで考えています。そのため、信越化学工業のポジションはかなり少なめに設定しています。また場合によっては、1~2か月程度の短期投資となるかもしれません。投資はそれぞれの判断になりますが、参考にしていただければと思います。

※投資は自己責任となります。
 
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