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芝浦電子(6957) 4Q決算からみる投資戦略


はじめに

 5月10日に4Q決算が発表となりました。2024年3月期は、ほぼ会社予想と一致する形で着地しました。しかし2025年3月期の予想は減収減益となっています。最終利益ベースで約-12%予測ですが、増配と株式分割、自社株買いを発表し、決算後の株価下落は免れました。現時点で、利回りは5%と高配当で魅力的です。そのため決算内容とテクニカル指標合わせて確認していき、投資戦略を考えていきたいと思います。結論から言えば、5900円から6000円くらいで買っていきたいと考えています。

芝浦電子は温度センサ専業の電子部品会社

芝浦電子HPより引用

 芝浦電子は、温度変化に対し抵抗値が大きく変化する半導体:サーミスタを製造、販売する会社です。温度センサは国内トップシェアを誇ります。また国内のみならず、約半数はアジア、ヨーロッパ、アメリカと国外への販売もしています。
 サーミスタは、自動車、炊飯器、オーブンレンジ、コーヒーメーカー、冷蔵庫、調理コンロ、洗濯乾燥機、アイロン、エアコン、ファンヒーター、給湯器、温水便座、家庭用燃料電池、火災報知器、複合機、医療機器など多くの製品に使われています。つまり私たちの生活に、なくてはならないものです。

2024年3月期決算は会社予想とほぼ一致、来期は減収減益見込み

株探より引用

 2023年3月期を境に減収減益が続いているのが気になります。決算短信で減収減益となる原因を探してみましたが、これと言って明確な理由は見当たりませんでした。自動車関連に関しては半導体部品の供給解消に伴い増加傾向ですが、家電関連の売上は苦戦しているようです。また研究開発には積極的であり、EV/HVへシェアを拡大するとともに、環境規制やエネルギー効率化に関わる様々な分野への展開や海外市場での売上拡大を図っていく方針となっています。研究開発に関しては、かなり評価できる部分ではないかと思います。芝浦電子は景気敏感株であるためEPSがある程度ぶれるのは仕方がないと考えています。俯瞰してEPSを確認すると右肩上がりですので、長期視点であれば問題ないかなと考えています。

IR BANKより引用

80円の増配

 芝浦電子は株主還元に積極的であり、減収減益ながらも80円の増配を発表しました。利回りは現時点で約5%であり、かなり高配当と言えます。配当性向は68%とやや高めですが、自己資本比率が80.6%であり、ほぼ無借金経営なため財務に問題はみられません。

株探より引用

上限10億円の自社株買いの発表

 さらに上限10億円とした自社株買いを発表しました。割合で確認すると発行済株式の1.28%と大きくはないですが、株主還元の積極的な姿勢が伺えます。

株式分割の発表

 2024年6月30日を基準日に、1株につき2 株の割合をもって分割することを発表しました。これで個人投資家も買いやすくなり、流動性もあがることが予測されるので印象は良いはずです。ただ実際の株式分割後は株価がやや低迷しやすいことが多いので、株式分割後しばらくは警戒が必要です。

テクニカル的には買い時か!?

株探より引用 日足チャート

 3月後半から横ばいです。どっちつかずな感じですがMACDはゴールデンクロスしそうな感じがします。また利回り5%を考えると長期保有できる方は買い時ではないかと考えています。

株探より引用 週足チャート

 6000円付近が節目となっているように見えます。ここを境に上昇していけるか確認する必要がありそうです。もし下落すれば、5100円近辺が次の節目となるため、そこが買い増しポイントとなりそうです。

まとめ

 減収減益となった決算でしたが、内容的には特別悪い状況になったわけではなく、また積極的な株主還元策もみられたため、長期的な視点では買っても良い銘柄かと考えています。ただテクニカル的に買いシグナルが出ているわけでもなく、株式分割を6月30日に控えていることもあるため、株式分割後に少し様子を見てから購入していくでも良いかなと思います。とりあえずウォッチ銘柄に入れて観察していく方針です。

※投資は自己責任となります。
 
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