なぜセルフレジに人は並ぶのか?

西友に買い物へ行くたびにいつも疑問に思うことがあった。

「なぜ、有人レジが空いてるのに、混んでいるセルフレジに人は並ぶのか?」

ということだ。

ここ数ヶ月間、西友へ行くたびに「セルフレジに人が並ぶ理由は、きっと〇〇なのでは?」と考えてきた。

正直、セルフレジは面倒だ。自分でバーコードをかざす必要があるのはもちろん、バーコードのついていない玉ねぎ1個買うのに、別オプションとして、ひと手間かかる。

僕も基本はセルフレジ派に所属しているが、実験的に有人レジを通して買い物をしてみた。予想通り、スタッフさんにやってもらう方が圧倒的に楽だし、かかる時間もだいたい半分くらい。商品をレジにかざすスピードがベテランと素人ではまるで違うので、当たり前だ。

さらに疑問は深まった。なぜ、人はセルフレジに並ぶのか?

浮かんだ仮説は、例えばこんなもの。

・商品をレジのスタッフさんに、「ピッ」としてもらいたくない
・商品をレジのスタッフさんに、見られたくない
・人に自分自身をなるべく見られたくない
・実は無人レジの方が安くなる(←事実は知らない)

どれもあまり納得はいかなかった。

幾度考えようが、どうも腑に落ちなかったのだが、つい最近、とある様子を目にして、「あぁ、なるほど...これが理由かも?」と思った。

子連れのお母さんがセルフレジの前についた時のこと。

お母さんのそばにいる、小さなお子さんが「僕がやる!」と言って、お母さんから商品を奪って「ピッ」とやっていたとても楽しそうだった。

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思った以上にシンプルな結論。セルフレジに人が並ぶ理由は、「セルフレジで商品を買う体験が楽しいからでは?」と、僕の中ではとりあえずの結論がついた。

無論、人によって感じることは違うし、セルフレジを利用する理由も違うはず。

ただし、少なくとも子供が楽しそうにセルフレジを利用しているシーンを見て、「ユーザーに楽しい体験を提供している」サービスは素晴らしいなと感じた。(それが意図的なのかどうかはさておき)


ポジティブなサービス体験の意義

セルフレジは、本来の導入目的であろう「人手不足」「人件費・採用費の高騰」といった課題も解決しつつ、ユーザーに「楽しい」というポジティブな体験を提供している。

この「ポジティブなサービス体験」は、ユーザーがサービスを継続利用し、そしてサービスが定着する上でも強力な因子になるはずだ。

toC向けアプリなどではきっと、ユーザー体験を重視するのは当たり前なのだろう。

一方で、インフラ系サービスやBtoB商材はどうだろうか。エラーなくきちんと動くこと、課題を解決すること、それは当然重要だし一番求められていることだ。いくら楽しかろうが、課題が解決できなければ意味がない。

しかしながら、競争が激化する中でユーザーに選ばれ、そして長く利用され続けるためには、インフラサービスやBtoB商材もサービス体験に着目するのも大事なのでは、と思った。


ユーザーの継続利用期間を伸ばすために、ちょこまかとした施策を実施するのでは無く、俯瞰して「ユーザーが自社サービスを利用するたびに、ポジティブな感情をいだいてもらうことはできないか?」と考えてみるのも良いかもしれない。

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そんなことを考えた、西友買い物日記でした!!!以上です!


ちなみに、こういう話が好きな人には、「ハマるしかけ」という本はおすすめです。対象はWebサービスとかがメインですが。


またまた、ちなみに、、、今回の話に中心となった西友のセルフレジ「スグレジ」を提供する会社はこちらです。


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