投球動作における鼠径部痛へのアプローチ -Groin pain syndrome 内転筋編-
トレーナーマニュアルにて定期的にnoteを投稿させていただくことになりました。
C-I Baseball サポートメンバーの 久我 友也 と申します。
私は整形外科クリニックで勤務しており、メディカルな視点でお話しさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
今回の記事は
以前に投稿させていただきました
「投球動作における鼠径部痛の病態とアプローチ -Groin pain syndrome編-」の続編となります。
Groin pain syndromeについて、病態と病理解剖学的な評価方法を解説しておりますので、まだご覧になっていない方はぜひ下記のリンクからどうぞ!
本シリーズの記事では
野球選手の投球動作中に発生する鼠径部痛について、
現場で実践しやすい評価・実用的なアプローチ方法を解説していきます。
細かい病態や画像所見などは成書をご覧ください。
可能な限りのエビデンスや解剖に基づいた話をメインにさせて頂きます。
はじめに
今回はタイトルにある通り
Groin pain syndromeの中でも
”内転筋” について話していきます。
まずは
なぜ ”内転筋” なのか。
Groin pain syndromeと内転筋について
Groin pain Syndromeの病態として画像所見でよく報告されているのは
以下のMRI所見があります。
・内転筋の恥骨付着部における高輝度像(Cleft sign)
・恥骨の骨髄浮腫(Bone marrow oedema)
・恥骨結合円板の突出(Central disk protrusion)
この中で”内転筋”そのものと関係があるのはやはり
内転筋の恥骨付着部における高輝度像である ”Cleft sign” です。
そのCleft signは2つにわけられています。
①恥骨上肢に生じるSuperior cleft sign(長内転筋の付着部)
②恥骨下肢に生じるSecondary cleft sign(短内転筋、薄筋の付着部)
この所見は基本的には内転筋の付着部症(Enthesopathy)とされています。
他の部位でいうと、
・前腕伸筋群の付着部症:外側上顆炎
・アキレス腱の付着部症:アキレス腱の付着部症
と同様の病態として整理されています。
内転筋由来の鼠径部痛に関わるメカニカルストレスとは
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