バイトの思い出シリーズ@レジマシーン
レジマシーンの梱包をするバイトをしたことがある。
よくスーパーやコンビニでみる、バーコードをピッとやるやつや、その周辺の機械をひとまとめにして各デパートやスーパーなどに送るため梱包するというものだ。
これは登録の派遣会社から紹介してもらった、日払いで1日だけのバイト。
まずバスに乗り、駅から少し離れた倉庫に向かうのだが、バスは片足が床につかないほど混雑していた。
私はバスが苦手だ。間違えるととんでもない住宅街や畑などに行き着き、周りには目印になるものすらなく、派遣会社に電話して
「迷子です…周りにあるもの?
畑ですかね……多分大根の…」
とかいう羽目になる。
小学生の時畑で野菜を育てるみたいな授業ちゃんとやっといてよかった。
まぁそんな知識を披露しないで済むためにもなんとか無事にバスミッションを完遂させたいのだが、
その焦りが暴走してしまった。
降りる停留所の一つ前で、誤ってピンポンしちゃったのだ。
私が降りないといけないのは、
「〇〇第二倉庫」みたいなところなのだが、
「〇〇第一倉庫」でピンポンしちゃったのだ。
私はなにかとピンポンを押すのが好きだ。
ファミレスなどでは大人になった今でも、私が押す!
とピンポン前の席を確保するので、よく遊ぶ友達とかに「ホラ、押しな、一回だけ押せばいいんだからね。」と赤ちゃんみたいに扱われている。
「見てて。私の指先ひとつで店員さんが動くよ…。(暗黒微笑)」
と言ってピンポンする。
普通にヤベェやつだと思う。
バス内でもそのピンポン好きと焦りが交わり、やっちまったのだ。
しかしまぁ、誰かしら降りるだろうし、すんっと真顔を貫いていた。
だーれも降りねぇ。
幸い運転手さんの近くに立っていたので、
「すみません間違えました(小声早口)」
と謝罪した。
運転手さんはいい人で、少し微笑み会釈で返してくれた。私が運転手だったら車内アナウンスで
「みなさーん!こいつが犯人でーす!エビバディセイ!O-RI-RO!!」
とコールアンドレスポンスをエンジンでビート刻みつつしていたと思う。
ありがとう運転手さん・・・バスが少し好きになったヨ・・・。
バス同士がすれ違う時運転手さん同士で手を振るシステム好き。
さて、そんなこんなで無事(?)倉庫に着き、グループ分けが行われた。
私は部品をひとつひとつを検品し、段ボールに詰めていくグループになった。
指定された作業スペースに行く。
すでに先輩の方がそこにいらっしゃり、私の指導担当として紹介されたのは、
「うわ〜あたしが指導〜?ダル!ダッル〜!」
という地獄のミサワさんが描く「バイトリーダー」みたいな女性だった。
その方はディズニーのパーカーを着ていて、隣に色違いのパーカーを着た男性もいた。
(アベックや!)
脳内で思わずエセ関西弁がでてしまった。
アベックの女性が、
「あ、そういうやり方ね?そっちね?」
とか、
「いいの、私が育てた子達はみんなそういう道通ってきた。」
とか地獄のミサワさんっぷりを遺憾なく発揮しつつ指導してくれたので、面白すぎて1日早くすぎていった。これに関しては感謝している。
お昼も、アベックの男性と仲良くパンを食べていた。
微笑ましいが、めちゃくちゃでかい声で
「ここにパンついてる〜!食べちゃおっ、ぱくっ!」
とかやっていたので、ちょっと静かにしてほしいと思ってたところ、
従業員のおじさんがきてアベックの男性に
「君が昨日壊したレジマシーンについて、あとで話あるから来て」
と言われたあとはものすごい静かになっていていた。
そこまで静かにならなくてもいいけど…なんかごめん…と思ってしまった。
その日はだれもレジマシーンを壊すことなく、18時に業務が終了した。
自分の所属する派遣会社の列に並んで、サインして帰る。
結構長い行列がなかなか進まない。サインと判子を押すだけなのに、列の先頭を覗いたらアベックの男性が印鑑を忘れたらしく、倉庫の人にまた怒られていた。
ていうか派遣だったんかい。
しかし私も今朝、満員バスの乗客全員に迷惑をかけた前科があるので静かに待った。
しばらくして、サインと判子を押し倉庫を出た。
帰り、最寄りのバス停からのバスは混むから、マップを見て別のバス停に向かってみたものの迷子になり、畑に差し掛かったところで引き返した。
畑はなんの野菜か、微塵もわからなかった。
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