見出し画像

私から見えるカネコアヤノの音楽について

 小山田壮平の音楽を好きでいると、彼女の名前を目にすることは非常に多い。でも天邪鬼な性格上、自分からは積極的に聴かないでいた。

 壮平さんが(andymoriのボーカルをしていた方)あるツイキャスで「抱擁っていう曲、いい曲ですよね」みたいなことを言っていたり、カウボーイを口ずさんでいて、それが聴いてみるきっかけとなった。(好きなアーティストが良しとするものに影響されるのって、きっかけになりやすいと思う。) 

 「抱擁」を聴いてみる。音が丸い粒のようで少しキラキラしている、と思った。おもちゃの星みたいで、クリスマスツリーの一番上の星に手が届かない、みたいなそんな感じ?(ちょっと違うか)

 その次は声が気になった。歌いだしとかは凄く女の子!!って感じがして可愛らしさがある。サビに入ると声に感情がこもるのを感じる。力強い、少し怖いくらい。率直に言うとそう感じた。

 その後はカラオケで歌いやすいことが判明しよく歌うようになり、音源より自分の声から歌詞の良さを知るようになった。(カネコアヤノの声が合うよ〜って女性の方以外と多いのでは?と密かに思ってる)

 Hump Backですら声が高いなーって思うので、声の高さとメロディーの掴みやすさがあるカネコアヤノを最近はよく歌うようになった。新しい歌が出ると、何より歌いたくて歌詞を見ることもあるくらい。

 でもたまに、そこで切るんだ、、!とか音程を誤認したりして、そこが彼女の癖なんだと思う。(演奏的に間違えていても変じゃないからそのまま歌ってることがよくある)
 その演奏にプラスされる少しの癖が、歌に深みを与えていると感じる。(もちろん良い癖とか味という意味で)

 ここまで書いておいて言いにくいけど、少し引っかかりがあって、完全には好きになれないと感じる。

 その理由として、彼女が歌うときに見える、「怒り」のパワーがとてつもないから。
である。

 自分への怒りなのか、誰かを守るための怒りなのか、、おおよそ内面に向いてる気はするけれど。不条理を許さないパワーは確実にある気がする。簡単に飲み込むものかというパワーが。

 そう思っていても気にはなるもので、今年のバンドツアーには参加した。少し丸くなった気がした。(初めて見たWIND PARADEのときは演奏も声もデカくて、得体のしれないエネルギーを放っていて本音を言うと少し怖かった。)
 WIND PARADEの時はMCもゼロに近くて、かっこよくも少し怖いイメージだったが、今年のバンドのライブで見た姿は本当に楽しそうで、ありがとうございます!と何回も言っていて印象が変わったと思う。

 完全に個人の解釈だが、andymoriの初期曲に感じる純粋な暴力性(気づいたら傷つけてるみたいな感じ)をもっと剥き出しにした感じがカネコアヤノの歌には時折あると思う。

 andymoriは自分や他人の醜さを、アルバムを追うごとに諦めながらも少しずつ許していく感覚がある。

 一方カネコアヤノは自分の鋭さを(醜さも含め)大事に抱きかかえている感覚である。
 だから棘はなくさないし、海にはなりたくないのだと思う。執着心を醜くなんかないわと歌うんだと思う。

 だからこそ、日常での思い通りにいかないことへの怒りが自分の中に溜まったとき、カネコアヤノの歌は光だと感じる。
 誰かを傷つけそうになったとき、怒りをぶちまけながらカラオケで歌うことが、気づいたら救いになっていたと思う。

以上、個人の解釈でした。
でも正直、なんだかんだ結局好きです。




感情でいっぱいいっぱいになったときはデカい声でカネコアヤノ歌ってみてください。
効くので。(無責任アドバイス)





※写真は祖母の家に置き忘れられている作者不明の絵。 色使いが綺麗なのに誰にも見られないなんて!と思い掲載。知ってる方いたら教えて下さい。勝手に載せたこと謝ります。。

※andymoriと並べるように書いたのは、この2つのアーティストを両方とも聴く方が多いと日頃から感じるので、共通点があると認識したためそのように書いています。良し悪しを比較する言葉では決してありません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?