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九月のうた

山門の閉ぢられ庭に吾ひとり白砂(しろすな)に浮く石の夕影
海の凪ぎ浜に膝抱く児の影に西入る陽より光ひと筋
天井の高きに揺らぐ日の影を仰ぎ見てをり背泳ぎしつつ
キーボード打つ音幾つ西向かふ列車は渡る木曽三川を
眠らむと閉ぢたる瞼に点滅の影のやはらに十秒ほどの
受け取りしメールの六文字は太字なり「会社やめます」女の強さか
霊地(パワースポツト)と称さる磯に幾つもの穹廬(テント)の並び人の陽を浴ぶ


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