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二月のうた

おのおのが水紋持ちて川底を覗く真鴨に陽の麗らかに
冷酷を乾き判断と言ひ替へる組織の常を思ふも虚し
車三台止めて慌てず母猿は子猿抱きて雪道渡る
節分の朝(あした)に目覚めひとりゐて心のうちの鬼と向きあふ
陽を受けて滲むる樹海の息を吐き足元白く流れゆくなり
陽光を孕む樹海に正対し凍むる心を融かしゆくもの
屋根滑る雪の音して吾(わ)の中の春待つ心のややに高まる

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