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「コロナに気持ちがやられちゃっている」と言いたい

ここ数日、もやもや、ふんわりしている。
一言で言えば、コロナにやられちゃってます。気持ちが。

私は会社員でなく、出社すべき場所もない、自由業です。子供もいない。高齢者の父は今施設におり「面会禁止」のお触れが出され、会うこともできない。そして私の体は、概ね元気です。取り急ぎ、守るべきは自分のみ。だから家にいて大人しくしている。
だからこそやられちゃってます。

なんとなく、経験上知っている。
「安全」な場所にいるそれなりに「元気」な人間は、一番弱音を吐きづらいってこと。
だからこそ今、私は弱音を吐きたいと思った。

「不要不急の外出を控えよ」の圧力がすごい

日本中が今、不安に苛まれて混乱しているこの感じ。もちろん思い出すは3/11以降の「自粛ムード」のこと。

いまは、「不要不急の外出を控える」と言う言葉に妙に反応してしまう。
数日前までは、「不要不急の外出ってなんだよ、それがダメだったら私は家から一歩も出られないよ」と笑いながら飲み会にも出かけていた。

全国の学校の休校要請が出た後の昨日。国立近代美術館の工芸館が東京での公開が最終日だと聞いて、足を伸ばした。そこには、最終日を狙って来た人が多くいて、ぎゅうぎゅうではないにせよそれなりに人は多かった。ちなみに、行ったこと自体には後悔はない。

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工芸館は初めて来たものの、この先見れないのかと思うと今見ておこう、というミーハー心で来たわけだが、どうにも見ているうちに具合が悪くなって来た。人がたくさんいる閉鎖空間にいるだけで具合が悪くなる感覚。「不要不急の外出をするなんて」という、誰かに歓迎されていないような、見えない圧力を勝手に感じ取ってしまった。

自粛して、政府に怒らなきゃいけないみたいなんだけど

今朝はスキーを楽しんでいる神田うのが非難されていて。それ自体はなんてことないけれど、ああ、目に見えて「自粛せよ」の圧力がすごい。「みんな●●してるのに、どうしてあなたは●●しないの?」と。誰も口にしていなくても、みんなが言われていること。あるいは、自粛ムードを押して開催されるイベントを「欠席してもいいのだろうか」と悩む時間も見えない圧力だ。

それと同時に、「政府に怒れ」の圧力も強い。これについては怒らなければと思うし、実際怒ってもいるのだけれど。じゃあどうするの?というところで踏みとどまって、私は日々何をしているんだろう、という気持ちに陥る。twitterも殺伐としている。見ないようにすれば楽なのかもしれない。だけど半端に元気であるだけに、目をそらしてはいけないと言う気持ちが生じる。

何もしてないのに疲れてしまう家にいることを正解とするとしても、家にいることがこんなにも疲れさせる。こういう心境の人が、結構いるんじゃないか。

ああ、震災の時にも感じた思いだけれど。
半端に体が元気な人ほど、「無理しなくていい」「目を背けてもいい」んだと思う。疲れたとかもういやだとか、いっぱい言っていいんじゃないか。
社会全体が全員、毎日そうなると機能しなくなるけれど、少なくとも毎日真正面から受け止めていたら、どうにもこうにもならなくなる。

現実的な対応に追われてそれどころじゃないよ、という人がたっくさんいるはず。
だけど私自身が、家で平和に過ごせる環境だからこそ言いたい。
「休める時に休んでください」と。

ああ、無責任なことを言っているのは重々承知です。

「できる行動をしろ」の圧力に私は疲れている

自由業の自分ができることは何か。
絵はんこ作家として?エッセイを書く人間として?チェコ親善アンバサダーとして?34歳として?一人の人間として?

答えはたぶん、<自分の持ち場で、ベストを尽くす。自分も持ち場以外でも、身の回りの手助けできそうなものをサポートする。>多分それが正解で、そうしたほうがいい。
でも疲れているなら、今日は目を逸らさなきゃいけないなとも思う。

「何か行動しなければ」の圧力も常に感じている。
私にとってはこれが一番大きいのかもしれない。普段生活していれば感じないことが、妙にうるさく聞こえてくる感じ。

今自分が弱っていることも含めて、書くことに多少なりとも意味があるとも思いたくて。これを書きました。

弱音、吐きましょうよ。じゃなきゃ押しつぶされちゃうよ。
目の前の忙しさに押し出されて考える隙を与えられない中で頑張れることは本当にすごいことだ。
だけど、見えないつらみに押しつぶされて自分を失っていくのは一番怖い気がする。
弱くてすいません。情けないな。

だけど情けないことを言えなくなる世の中が、多分一番怖いと思うんだ。

Netflixで面白いドラマやってたし。例えば、エンタメへの逃避も休息だと思う。
閉塞感を感じる場所からは、一時的にも、逃げるに限るんじゃないか。
そういえばこのドラマのタイトルは、「ノット・オーケー」。英語だと「I AM NOT OKAY WITH THIS」=「私は大丈夫(オッケー)じゃないよ」。タイトルが気持ちとリンクしたのかもしれないな。

追記:週末にかけて色々なかたと雑談をしたら、なんだか元気が出て来ました。今私に必要なのは「ゆっくりお茶を飲んで、雑談する」ような時間だったんだな。



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