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リニアの問題について

静岡県知事が辞職するということで。

静岡県は大井川の水の問題で、リニア工事の着工に許可を出していません。命の水。静岡県知事はそう表現していました。水は生活する上でも、産業でも大事ですから。

マスコミは、静岡県知事を批判していますが、静岡県知事の発言はかなり筋が通っているので、わたしは静岡県知事の主張を聞いていて特段違和感ありません。静岡県知事がリニアに反対したとか、そのようなニュースが時たまありますが、大井川の水問題を解決できずに着工の許可を出しませんよ、しか言っていません。リニアには反対していません。

本当なら、この問題はここまで揉めるような話ではなかったはずです。静岡県は、大井川の水の流量が減らないように対処してくれ、貴重な沢の水を枯らさないでくれとずっと言っているのですから、JR東海は最初からそれに真摯に、静岡県の不安に寄り添って対応すべきでした。静岡県の要求をJR当会がきれいにクリアできるならそれで良かったのですが、その保証はできなかったのですよね。であれば、流量が減ってしまう問題についてはその補償をするとか、流量が減っても流域に迷惑がかかりづらいことを示すとか、沢のケアをするとか、もっと別のことで対応をするべきでした。しかし、JR東海はそれらをしようとしなかった。官僚的に事務的にのみクリアしようとしてしまった。完全にコミュニケーション不足です。

JR東海は、2027年(年度でしたっけ)に開業を断念した理由として、静岡県区間の工事に着工できないことが開業時期先延ばしに直結していると述べたとニュースになっていましたが、その発言が本当にあったなら、わざわざ静岡県の批判をすることは間違えています。ただでさえコミュニケーション不足な状態であるにもかかわらず、もっとコミュニケーションを取りづらくするような、静岡県を挑発するような行為をすることは、悪手ですよ。それに、他の工区も場所によっては工事が遅れている状態ですから、静岡県だけを槍玉に挙げるのは完全に未熟な、洗練されていない発言です。
(この発言が本当にあったのかわからないので、たらればなコメントですが。)

愛知県知事は、静岡県知事が水問題を楯にリニアの妨害をしていると考えているようですが、それは完全に間違えています。水問題の解決手段をJR東海が示していないから着工を許可しない、それに尽きます。もし、水が止まったらどうなるのか、愛知県で1週間水の供給を止めてみればどうなるかよくわかりますよ。南海トラフ地震が発生したときも同様のことが起こりますから、愛知県知事は試してみるといいです。自動車の生産にも水が必要ですから、その水を止めたらどうなるのでしょうか? 言うまでもないですよね。そして、愛知県は日本の工業製品出荷額の50%以上を占めているので、これを1週間止めたら、単純に、日本の産業が死に直結しかねないですよ。

少なくとも、静岡県はリニア開業に反対していませんので、その点では西九州新幹線の佐賀県区間とは大きく違っています。西九州新幹線は、佐賀県がお金の持ち出しや開業後に並行在来線の管理をする必要があり、佐賀県はそのデメリットが開業のメリットを上回るだろうと考えているわけで反対しています。これはお金の問題ですから、どこかがお金を出すか、佐賀県もデメリットよりもメリットが上回ることを示せれば解決しますが(たぶん)、少なくとも佐賀県以外が佐賀県の負担部分を身代わらないので解決が難しいです。いずれにせよ、解決の方向に向かうといいなと思います。

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