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唯一無二のゆるキャラ

かつての、ゆるキャラブームは
すでに遠い昔のことなのか。

昔も今も、
唯一、推しているゆるキャラが
“ひこにゃん”だ。

『もち』の愛称でも親しまれている。

他のゆるキャラにはない、
完璧な由来、緩い愛らしさ。
ゆるキャラ界の絶対王者。
いや、唯一無二の存在。

“ひこにゃん”以外は認めない、
と思ってしまうほどだ。

数多に存在する『招き猫伝説』のひとつ。
「彦根藩2代藩主、井伊直孝が
 江戸在中のある日、急な雨に降られて
 大木の下で雨宿りしていたところ、
 寺の門の前に、
 まるで手招いているかのような猫を
 発見して、大木から寺の門へと移動。
 その直後、大木に雷が落ちた。
 直孝は猫のおかげで命拾いした」

…あれ?
自分が聞いた話では、
「直孝が鷹狩りの帰り道、
 寺の門の前に、
 まるで手招いているかのような猫がいて、
 不思議に思った直孝が
 馬を下りて、寺の門に入ると、
 突然の雨が降り出した。
 直孝は猫のおかげで濡れずに済んだ」
…だったような気がする。

まぁ、どちらにしろ、
猫が直孝を救ったことがきっかけで、
猫のいた寺は井伊家の菩提寺になった。
それが世田谷の“豪徳寺”で、
招き猫の寺として今、
外国人観光客に人気らしい。

だから“ひこにゃん”は『猫』なのだ。
〈彦根→ひこね〉が何となく猫っぽいという、
語感で猫になったわけではないが、
猫でしかあり得ない、ゆるキャラがいる市名が、
何となく猫っぽいというのがまたいい。

“ひこにゃん”の被っている兜は、
伝説の登場人物である2代藩主直孝のものがモデル。
ドラマやゲームで、初代藩主直政が
この天衝兜を被っていることが多いが、
初代の兜には天衝がない。

彦根城の博物館には、
歴代藩主の鎧兜が展示されているが、
戦の記憶が遠ざかるにつれ、
この天衝兜が酷い…いや、すごいことに。
殿よ、もう被る気ないだろ…。

とにもかくにも、
“ひこにゃん”は素晴らしい。
老若男女、全ての人類におすすめ出来る。
まるっと、もちっとした体型どおり、
ゆっくりとした動作、
おっとりとした雰囲気、
そこはかとなく上品で、
愛らしさは天元突破している。

ゆるキャラとは本来こうあるべきだと思う。
誰もが、ほっこりとした気持ちになり、
何度でも会いたいと思う、
柔く和やかな、優しい存在。

是非是非、1度、
“ひこにゃん”に会いに、
滋賀県の彦根城にお出かけ下さい。

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