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人間と馬

馬が好きだ。
大地を駆ける蹄の音が好きで、
手放しに称賛が出来ない戦争映画の中でも、
騎馬兵ないし騎馬武者が駆ける様には、
心が踊る。

そして今、馬が走るところといえば競馬場だ。

初めて競馬場に行った日、生憎の雨だったが、
大地を踏み轟かす、
美しく逞しい競走馬たちに
感動したのを覚えている。

だが、競馬は賭け事だ。
馬と人の命に金を上乗せしていく。
考えてみれば、おぞましい。
外道の極み、とも言える。

しかし、それでも。

競馬という文化を
非難し、否定したくないのだ。

全てを無に帰すには、
あまりにも長い歴史を紡いできた。
先人の努力を無かったことにしたくない。
何より、競馬に関わる多くの人々が
路頭に迷うようなことになるのを望んでいない。

かつて、人々の生活を助けてきた、
馬という生き物は、
その役割を車などに取って代われた今、
限られた場所でしか生きられない。

競馬を非難し、否定することは、
人間の歴史と文化を非難し、否定することであり、
人間の歴史と文化に密接に関わってきた馬たちの存在を否定してしまうように思えてならない。

この愛は業なのだろう。
救い難き罪なのだろう。
しかしそれこそが、
人間であるという証明なのだ。

↑写真撮影にチャレンジしてみたが…
やはり、写真はプロに任せるに限る。


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