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ジャーニーマップは使い捨てくらいがちょうど良い

カスタマージャーニーマップ(以下、CJM)は、ユーザーの行動を時系列でまとめた「UXといえば」の手法です。今回は社内での作成例と活用事例、そこからCJMをどう作っていけば良いかの考えをまとめたいと思います。

どんなジャーニーマップを作ったか

とあるサービスで中核となるペルソナ(ユーザー像)を実際に利用されているユーザーへインタビューをしながら作成しました。実際のユーザーがどのようなモチベーションでサービスを利用するに至ったか、どこで不便を感じているのかをCJMで作成しました。

ざっとこんな感じです。
ポイントはユーザーの行動に加えて、サービス内の各チームの施策、KPIを置いたところです。こうすることで、各フェーズのユーザーの行動とKPIが連動していることがわかりますし、事業部長も全チームの動きを把握することができます。更にKPIを一緒に配置しているので開発側だけではなく、ビジネスサイドにも価値のあるCJMになったと思います。

作ってわかったことは、サービスの一番ウリのフェーズで施策を検討しておらず、KPIだけが配置されていたことが発覚しました。このCJMを使って事業部長は来期の事業計画、事業部のメンバーはユーザーの行動に合わせて施策を打つための戦略マップとして使われました。

余談なんですが、ユーザーの行動、各チームの施策、KPIを一枚のA3用紙で印刷できるサイズで作成していまして、事業部長の席にはこのCJMが貼られていて、戦略を考えるのにちょうど良いという言葉までいただきました。
※ちょっと泣きそうになりました

CJMが使われなくなった問題

今期に入りまして、CJMが使われなくなったという話を聞きました。直接事業部長に今後の参考までに使われなくなった理由聞きました。
・CJMはサービス全体を把握できるが、もう少しピンポイントで使いたい
・チーム編成が起こった
・チームの引越しがあり、A3の紙を貼るスペースがなくなった(笑)

CJMは使い捨てくらいがちょうど良い

自分のコミュニケーション不足を実感していた頃、会社の先輩/上司のSNS上でのやりとりを発見しました。

先輩A「往々にしてCJMを作ること、実施することが目的化しているケースが散見されますので、参加するステークホルダーとゴールの設計の共有が大事ですね。」
上司「個人的にはCJMは使い捨てで良いと思っているので、ごく普通の会議でホワイトボードにCJM書きながら施策考えるくらいライトな扱いで良いと思います。」

これだ!

まとめ

分析用とかメンバー共有用などの色々なCJMがあるとは思いますが、基本的にはホワイトボードでささっと書くくらいで良さそうですね。
だから(特に)インハウスデザイナーはジャーニーマップを作って導入するよりも、議事録などを整理するタイミングで「ジャーニーマップカルチャー」のようなものを浸透させた方が使い勝手もよくなってくるかと思います。

最近CJMに限らずUXの手法が至る所で散見されますが、用法用量を守って正しくお使いください。

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