お金がなきゃ創作活動しちゃいけないの?


※1月に書いてた記事が下書きからでてきました。途中で飽きたのか、自分でもわからんけど、せっかくアンケートまでとったので、打開策には至らなかったけど公開します。

あらゆる創作活動には、それなりのお金が必要です。
先日、ふと気になってこんなアンケートをとってみました。

収入と創作活動の関係性が気になったのです。

どのジャンルでも、初期費用、継続費用が必然となってきます。しかし、それらを工面するためには、生活費以外のところから数万円〜数十万円をポンと出せる環境が必要なわけです。
今回はあくまで「趣味」としての創作活動に対するお金の話です。

このアンケートでは独身者、既婚者を問わずに行ったため、世帯収入でお答えいただいた方の収入額が501万円以上となっている可能性もあります。

ですが既婚者でさらにお子さんもいて、住宅ローンなどの固定支出があると、趣味として使える金額は年収200万円未満とたいして変わらないのでは?とも思います。

そこで、実際に創作活動ってどれくらいお金がかかってるんだろう。

同人活動から音楽活動、映像、服飾などにかかる費用を算出してみました。
ぶっちゃけ、クリエイターって、お金の話をあまりしないよね?
まあそれもそうなんですが。
それらを表現する場で、お金を支払ってくださる方々に、本の印刷代や楽器や機材の値段、材料費などの話を聞かれては、受け手は複雑な気持ちで作品を見聞きすることになるでしょうし。

でも実際に、同じ創作活動を趣味としている身の私としては、お財布事情がとても気になったのです。
まずは私が経験上語りやすい、同人活動についての費用を算出してみました。


同人誌に関わる費用

漫画原稿印刷は、スターブックスさんを参考にさせていただきます。

【漫画同人誌の場合】
一般的な、A4/B5サイズ 26ページ 表紙フルカラー 本文モノクロ オプションなし 100部 通常入稿
¥21.200+送料¥1500

これはほんとうにシンプルな、最低限の価格です。表紙に特殊装丁(タイトルがキラキラしてたり紙がザラザラしてたりするやつです)がされてると、お値段がドーンと跳ね上がります。

さて、別に同人誌出さなくても、pixivやTwitterにイラスト投稿するだけでもいいじゃん。と思いますよね。本にしなくても、作品を見てもらえる場は、インターネット上にたくさんあります。
ではイラストをデジタルで描く場合、最低限、必要な道具のお値段です。

【パソコンをすでに持っている場合】
ペンタブレット/Wacom ¥5.346
イラストソフト/CLIP STUDIO PAINT PRO ¥5.000

【パソコンを持っていない場合】
iPad Pro2018年モデル/¥141.670
イラストソフト/CLIP STUDIO PAINT PRO¥5.000

もちろんイラストソフトはメディバンなど無料のソフトもあります。

そして、同人小説ですが、まあ書いてネットに投稿するどけなら、初期費用タダです。
最悪スマホさえあれば書けます。
辞書を購入されてる方もたくさんいますが、タダで書けます。パソコンで書く場合も、無料ソフトOpenOfficeでなんとかなります。
ちなみにMicrosoft Wordは年間¥12,984です。

しかし、いくら初期費用ゼロ円から始められるとはいえ、同人誌を作るとなった場合、ページ数が漫画よりも格段に多くなるため、印刷費は倍以上になります。
印刷所はbook nextさんを参考にさせていただきます。

【小説同人誌の印刷費】

文庫サイズ 表紙フルカラー 本文モノクロ オプションなし 204ページ 100部
¥54,390

204ページがどれくらいかというと、背幅が1.5cmくらいです。

本を頒布するにはイベントにサークル参加しなければなりません。
もちろん参加費は有料です。
コミケだとサークル参加費は¥8,000

これに地方在住の方だと交通費と宿泊費がかかります。
ちなみに青森から遠征した場合、最安値で、
高速バス(往復)約¥16,000(時期や曜日によって変動アリ)
カプセルホテル 約¥3,000~5,000

総額すると、印刷代、サークル参加費だけでも、およそ¥50,000前後かかります。まあ、その分手にとっていただければ印刷費は回収できる可能性もありますが、まずその印刷代と参加費を合わせた数万円をどうやって捻出するかです。

音楽活動に関わる費用

音楽関連がまったくわからないので、推測の範囲で算出しました。
【ギタリストの場合】
ギターと言えばフライングVしか知らないので、フライングV(FV68) ¥59,840
あとはアンプですかね。
Fender MUSTANG LT25 ¥16,480
あとエフェクターだなんだとこだわればキリがないのでしょうが、とりあえず弾けるようになるには最低限これくらいはかかるでしょう。という、ざっくりとした算出です。

では、ギターがうまく弾けるようになり、バンドを組むことになりました。
ライブで演奏しようとなるのが自然です。
ライブにも色々な形態がありますが、例として5組のバンドが共同企画でライブを開くとしましょう。
会場代(いわゆる箱代)
新宿歌舞伎町でキャパ100名までのレンタルライブハウスを参考にさせていただきました。

¥50,000で借りられます。が、時間が早い!20:00まで。
ちなみに同じ新宿のライブハウスで金曜日に借りた場合、¥170,000という会場もあり、ピンキリです。
では間をとって¥100,000だとしましょう。
チケット¥2,000として、1組ノルマ20人で100人お客さんを呼んだとします。
チケット代だけで¥200,000の儲けです。
そこから箱代を引いて¥100,000が残ります。
儲かってんじゃん!
ですがこれを5組みのバンドで割ると1組み¥20,000です。
さらにバンドメンバーがそれぞれ4人いたとして、ひとり¥5,000。
これはあくまで共同主催という形をとっているのでこういった算出方法にしましたが(単純に考えた場合)オーガナイザーがいて、出演者としてバンドをライブに呼んだ場合はこの限りではないでしょう。
そのへんはほんとうに未知の領域なんで割愛します。知り合いにオーガナイザーがいたら聞いてみてください。

そしてまずライブに出演なり開催するにいたっては、練習は不可欠です。
人の家に集まって音を出すわけにはいかないので、スタジオを借りなければなりません。
こうして、音楽活動(今回はバンドに絞って書きましたが)もなかなかに金のかかる趣味です。

ここまでほんの一例として、創作活動にかかるお金をざっくり算出しましたが、私が気になっているのは、
みんなこの元手、どこから捻出してんの?
て話です。

冒頭で挙げたアンケートでは、年収200万円未満が一番多く、まず活動するための元手を捻り出すのにかなり苦労する印象があります。
ご家庭を持っている方も、趣味に給料のほとんどを使える訳もなく。

もちろんコツコツ貯めて、印刷代や機材代などを支払っている方々が大半だと思います。(いや、そうなのか?そのへんの事情がわからないから、今回の記事を書くにあたったんだが・・・)

けど、「何かを作りたい!表現したい!」
と思った時に、まずお金の問題にぶち当たる。

それって、どうにかならんの?

そもそも、金がないなら創作活動なんてやるな。
ごもっともな意見です。
でも、それで完結してしまっていいのか?って思ったのです。
やるな、縮小しろ。
それを言ってしまうのは簡単です。
ただ、そうして門戸を閉じてしまうのが、ほんとうに正論なのでしょうか。

つうかそんなに金がかかるのになんでやるのよ?
その答えをここ一週間くらい考えていたんですよ。
これは私の個人的な理由にすぎないのですが、人並みにできるものが、自分にもある。そう思いたかったんですね。
でかい言葉を用いれば、アイデンティティです。
実生活、社会生活において落ちこぼれで、昔から何をやらせても人並み以下の私にも、生産性があると証明したかったんです。自分に。

そして、考えているうちに気づいたのが、
創作活動って、人に何かを与えられる趣味
なんですよ。
自分が表現したものに、誰かが賞賛してくれたりお金を払ってくれるって、そうそうないことだと思うんです。
だからとり憑かれてしまうのかもしれません。どうにかこうにかお金を工面してまでも、やめられないんです。
これって何かに似てますよね。
そう、シャブです。

いや、そういう話しがしたかったわけではなくてですね。純粋にそんな誰かに何かを与えられる趣味なのに、お金の問題に阻まれ続けることがどうにかならないのかって、提案したかったんです。

クラウドファンディングはまたちょっと違うんですよ。
まあ、誰かが出資してくれるのが一番手っ取り早いんですが、第一クラファンってある程度知名度がなければ成り立たないじゃないですか。
その前の段階。「何かを作りたい!やりたい!」って思い立った、はじめの一歩(ボクサーではなくね)を踏み出す際のお金どうにかならんの??
という問題なのです。

ここまで書いといて、結局なんの結論も出せなかったんですよね。アンケートがただの興味本位でとっただけになってしまった。

(ここまで下書きに残ってた。ここからはとりあえずそれっぽく締めるための追記)

又聞きした話だけど、YOASOBIの男の人も実家のコタツで、妹たちに狭い邪魔だと言われながら、何度も落ちる低スペのPCで曲を作ってたらしいですからね。
っていう話を聞くと必ず「金がないから創作で成功できないとか言い訳だ」って言う人が出てくるんですよ。
でもこの場合、YOASOBIの人は貧乏だけど成功した一例にすぎないんですよ。この人のほかに、貧乏だけど創作してる人ってのが大勢いるわけで、成功しなかった、できなかった人達の話が話題にあがることがないから、際立って映るだけの話なんですよ。

で、これたぶん下書きに保存したままになってたのって

結局、創作活動には金がいる。

という結論にしかたどり着けなかったからなんでしょうね。昨年一月の私は。
でもまあその金を工面するために仕事を掛け持ちするなり、借金するなり、やりたいならどうにか金をつくってやってみた方がいいと私は思います。
借金つったって、個人で借りることの限度額は30万円からスタートして、パートでも枠が80万ぐらいにはなりますからね。正社員なら複数の銀行やらに申し込めば300万ぐらいは借りられるんじゃなかったですかね。
そのへんはあんまり詳しくないし、調べるのもめんどくさくなってきたんで割愛しますが、もし返済できなくなっても命まで取られることはありません。闇金に手を出さなければ。
自己破産して、信用や財産は失いますが、命を失うことはありません。

決して借金を勧めているわけではありません。しないに越したことはないてす。
でも住宅ローンや車のローンだって、言ってしまえば借金ですよ。
家も車も、生きていく上で必要なものであると同時に、趣味だって生きていく上で衣食住と同等に必要不可欠な人だっているわけです。
家や車は財産にもなりますが、創作活動だって私は立派な財産だと思います。それができる人、それぐらい打ち込めるものがある人って、かなり少数らしいです。(なんかでオタクの中でも同人誌出してるのは数%って聞いたこたがある)

だからどう足掻いても金はかかるんで、その何かを創り出す財産に金を突っ込むのは、家や車を買うのと大して変わらないのでは?と思いました。

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