大学生活で最高の3日間

2022/11/07(月) #181:hiko


タイトルを書いたのはいいものの、2ヶ月経ってしまった。今は1月9日。成人の日だ。
止まってしまったnoteを、少しでも進めたい。

雑になること請け合いだが、どうぞよしなに。

前回の日記に書いた通り、渋谷で行われたビートボックスのイベントから帰って、昼まで寝ていた。
いつもなら夕方まで寝ているところだが、昨日は予定があったために昼に起きた。頑張った。

予定とは、今月末に控えた俺の誕生日に向けて、姉がプレゼントを買ってくれるという予定。
羨ましいだろ。

高円寺にある行きつけの古着屋、って言ってもここ5ヶ月くらいは行っていない、で古着を買ってもらうことになっていた。
俺が以前からこのお店の話をするもんだから、姉も気になっていたらしい。


店に入ると、いつもの明るいお姉さん店員がいた。俺は毎回かっこつけて、気づかれるまで声をかけないようにしている。「えーっと…どちらさまでしたっけ…?」って言われるのが怖いから。

5ヶ月ぶりに行ったけど、覚えていてくれた。嬉しい。いつもここから買い物がスタートする。

行きつけなだけあって、やっぱり好きな服が多い。
これだ!これは俺の服だ!!って、試着した瞬間に思える。鏡を見なくても、袖を通している間からもうちがう。

よく「買わない理由が金なら買え。買う理由が金ならやめとけ」って言うけど、まさにこれだ。
お店を出ると毎回、「あー買っちゃったなぁー。でもいいや。好きだし。」ってなる。


今回もそうだった。姉に買ってもらえるから、俺は買わないつもりだったのに。2着で3万円。
なんでもない大学生が服に使う金にしてはデカすぎる。
買ったものはこちら。

バチかわいい。


姉に買ってもらったのは、3万のミリタリージャケット。フランス軍のM-64だったかな。デッドストック。新品。
ミリタリーだから買ったわけではなく、単純に好きだったから。知らなすぎてオタクに怒られるレベル。

見た目も機能も非の打ち所がないし、当然愛着も湧く。この冬はほとんど毎日着ている。


そんな新しい服に身を包んで、今日はストリップ劇場に行ってきた。

え?

ってなるよな。
俺もなんで行ったのかわからない。

理由なんてない。そう。エロスに理由などいらないのだ。

学割が使えるようで、通常5000円のところを3000円で入れた。
ちょっとモヤッとしたのは、この3000円はさっき回収した、先々週のkeyとのドライブの車代だったこと。
こんなことに使うならあげた方が良かったかもしれないし、こんな話題のなかで名前を出されるkeyもかわいそうだ。

で、ストリップ劇場に初めて行った感想だが、
すっごくよかった。

初めてクラブに行ったときみたいな感じ。
でも、そのときよりもすごかった。

とても意味がかわらなかった。
全く新しい世界があったよ。

初めは衣装に合ったダンスから始まって、1度暗転する。照明がつくと、さっきよりも薄着になっている。曲がスローテンポになり、ゆっくりと素肌があらわになっていく。一糸まとわぬ姿のまま、中央ステージまで歩き、曲のクライマックスではダイナミックなポーズをとる。その度にあがる拍手。中央ステージは円形になっていて、ステージの床が盛り上がり、回転する。妖艶な明かりとスモークの香りのなかで、女体が回転する。なんだこれ。

この空間にいる俺の事を書こうとすると、何をどう書いてもキモくなるから筆が止まってしまう。
キモイことを承知で書くから、そのつもりで読め。

ダンスからポーズまでが一ステージになっていて、これが5ステージ行われる。
ステージごと(出演者ごと)に撮影会があって、1枚500円で撮ることができる。

撮っちゃったよね。記念だし。
それに、ファースト乳首インプレショッションがたいへん良かったから。
なかなかみない、見事なまでの綺麗な乳首だった。

撮影するとき、出演者の方と少しお話できるんだけど、その場にいる自分に慣れて無さすぎて、あんまりお話できなかった。後悔。

相手も困っていたかは知らないけど、会話の間で、着ている服を褒めてくれた。
嬉しかった。
けど、この嬉しさを別のなにかと混同してしまいそうで、それならそれで受け止めればいいのに、そうじゃないと思ってしまった。

せっかくだから写真載っけとく。

ギリギリアウトな気がする。乳首は隠したから許して。


撮影会が終わるとカーテンコールがあって、ここでは決まった構成などはなく、あいさつみたいなことが行われる。
っていっても、もう一度全裸になって軽くポージングもあった。

どっちかと言えば、こっちの方が衝撃だった。

演技っぽい方がまだ見世物って感じがして見やすかった。
けど、声とか使う言葉、話すときの表情をみたあとになると、もう「その人」としてみてしまう。

声、使う言葉、表情を知る「その人」が、目の前で股を広げている。
きっとここまでがストリップ劇場が提供するものなんだろうって思うことにした。

ポージングというよりは見せつけるって感じのポーズもあって、例えばM字開脚しながら両指でヴァギナを広げたり、Y字開脚で手を振ったり。

びっくりして手を振り返しちゃった。
両手で。
指ハートされたときも、指ハートを返しちゃった。

全裸で股を広げる女性に手を振ったり指ハートしたりする自分が恥ずかしくなった。
こんな俺を俺は知らない。


1番おもしろかったのは、このカーテンコールのとき、常連っぽいおじさん方2人がステージ下の両端でペンライトを振っていたこと。
俺も混ぜてほしかった。

3人目を見終わって会場を出た。
飽きてしまったのと、この後にKNと飲む予定があったから。
結構珍しいことに、俺から誘った。

最寄り駅より1駅下った駅のホームで合流。
その駅周辺に新しく出来た鳥ヤローで飲むつもりが、まだオープンまで2日あるとのことだった。
困った末に適当なお店に入った。
たしか、テング酒場だったかな。わからん。全然覚えてない。普通にいい所だった。

ストリップ劇場の感想から話し始めて、その後はいつも通りの、今となっては覚えていない、ぽつぽつと続ける会話があった。
酔いも回ってきた頃、今日飲みに誘った理由である本題について語った。

「就職先が決まったわ」

KNのファーストリアクションは驚きだったなぁ。
まあそうだろうな。俺が就活を続けていること自体知らなかっただろうから。
このnoteでも書いてないもんな。
それほどに誰にも喋らなかった。当然、親にも。

今となってはなぜかはわからないけど、他の誰でもなく、最初にKNに話したかったんだよな。
っていうことも全部喋っちゃった。

そしたら、そのお返しにKNから衝撃の告白があった。「誰にも話さず、墓場まで持っていくつもりだった」って枕詞付きで。
だからここにも書かない。

思えばこの時から急激に酔い始めて、頭も呂律も回らないまま、声だけはデカく、感情に任せて言葉を発していた。
ここから先はあんまり覚えていない。辛うじて家には帰った。

かくして、この4年間で最高の3日間は、重い瞼と一緒に幕を閉じた。


現場で聴くビートボックスとの出会い、大好きな古着、内定、人生初のストリップ観劇、友だち。
一つ一つが高濃度の輝きを持った出来事が、3日前に凝縮されていた。


この日を境に、生活が好転し始めるのだが、同時に、ひっそりと影を落とす絶望があった。


By hiko.

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