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スマブラ勢が今更スト5にハマっちまった話

 私はスマブラ勢だ。起動時間がだいたい3000時間で、メインキャラはクマメイトさんでいう魔境街道の真ん中を彷徨いて、何体かサブをVIP入りさせたり程度のカジュアルさで楽しんでいた。

 ある日の事だ。なんとなーく、PSプラスのフリプでずっと腐っていたストリートファイター5を起動した。いつも遊ぶメンツも一緒にわちゃわちゃ初心者らしいプレイをしようと誘い合わせて。そして気づいてしまった。

 このゲーム、クソ面白い。

 ということでスマ勢向けに敷居が高すぎる神ゲーの布教を兼ねて、楽しかったぜゴールドタッチできたぜ自慢の日記である。

・とにかくトレモが神

 最初に断っておくと、私のメインはデデデという、コンボは基本2ヒット、動きはクソ鈍、長所といえば寿命の長さと崖ハメという典型的な重量級キャラである。要するに格ゲー経験なんてものは微塵も無い。ピカチュウというコンボキャラをちょっと触っていたこともあるけれど、その程度だ。

 そのせいというわけでは無いが、熱心にトレモに潜るという文化が壊滅的に薄い。必要最低限のアプデ・コンボ確認だけだった。あとは滑り強攻撃とか空ダとか反転空後とかダウン練とか。うん? 意外と頑張っていたらしい。

 しかしながらスマブラのトレモは恐ろしく不便なのである。ベク変固定できないし。回避連打は外部ツール要るし。反確調べるのめっっっちゃ大変だし。痒いところがずぅっと痒いまま、実戦を通して感覚を掴む必要がある。
(※Switchを改造することで拡張トレモツールを導入できるが、そこそこの知識が要求される。また当然ながら認可されていないためオンライン接続してしまうと永久BANだ)

 さて、布教である。スト5のトレモはマジで神だ。やろうとした事はおそらく何でもできる。しかも実戦も意識されている。

 パッと思いつく限りの感動を列挙する。

・アタックデータ表示
--本当に全部出る。上中下段打撃投げ等の属性、ダメージ、スタン値、コンボ補正などよりどりみどりだが、目玉はやはり有利/不利フレームの表示。打撃・弾問わず、ヒット・ガード問わず表示される。特筆すべきは受け身にも対応している点。フレーム単位での持続重ねを狙うにはうってつけだ。

・キーディスプレイ表示
--入力可視化。コンボや必殺技の不発原因は全て見える。しかも恐ろしいことに、実戦のリプレイデータでも表示できる。オンラインマッチのリプレイはアカウントを登録していれば全て確認できるため、野良戦・フレ戦の仕込みやらブッパやらコンボミスやらまで全部丸見え。トッププロの試合ですら気軽に拝見できる。スゴい。これに先のアタックデータ表示を加えれば、わからん殺し連携のボッタクリも一目瞭然となる。

・開始位置設定
--ポジションの左右はもちろん、左右画面端などで開始位置を自由に設定できる。さらに"状況の保存"を使えば、技を振っている最中や飛んでいる最中でリスタート可能。ゲージ状況も自由自在となる。ナッシュのCAが突き刺さったタイミングで保存して再生連打すると、美人たちの無様なツラを拝めます。

・ガード/受け身設定
--これが本当に嬉しい機能。ずっとガード、ずっとその場受け身、ずっと後ろ受け身、ずっとカウンターヒットなどなど、コンボを当てたその後の展開について非常に丁寧に研究させてくれる。さらに衝撃的なのは、それらをランダムに行う設定もあること。受け身確認がとっても捗る。ヒット確認もまことに捗る。

・アクションレコード
--無限の可能性ィ〜。自分でダミーの操作を完全自由に入力できる。攻撃動作、被弾後動作、なんでも良い。研究にも反復練習にも重宝する。レコードスロットが複数存在し、それらをランダムに再生することもできる。行き届きすぎてもはや怖い。

 極めて高い水準で練習可能なのが伝わるだろうか。分からない事を知るための環境が整っているおかげで、成長を容易に享受できるのである。

・マッチングが超快適

 マッチング画面に3人目の挑戦者が現れることはもうありません。いきなりモンスターボールが降ってきたりスマッシュボールが流れてきたり相手が虹色に光ったりすることもありません。突如としてタイム制通常ステージのガン逃げソニックに苦しめられることも無いのです!! やったー!!(見えにくいクソステはあります。一戦抜けしてブロックしましょう)

 もちろんセールスポイントはここだけでは無い。

 マッチング待ちは基本的にトレモをしながらできる事はウメハラの配信切り抜きをご覧の人であればご存知だろうが、マッチング待機は思っていた以上に細かく設定できる。

 例えばお気に入りステージ。見にくさとは縁遠いシンプルステージが1/2の確率で選ばれるようになる。BGMも選べるおまけ付き。英雄の証を響かせろ。

 例えばマッチングフィルタ。回線強度が強い相手しかマッチしないようにできる。クロスプラットフォームのONOFF切り替えもできるが、基本PC勢にしか必要無いだろう。

 例えば確認設定。これが凄い。とんでもない。なんと、相手の回線強度を確認して対戦するか否か選べます。回線弱者とはもうおさらば。それでもカクカクの相手は悪意の権化だ。切断してしまえ。
(切断ペナルティは極端に高い勝率・切断率の場合適用される。悪用厳禁)

 他にも、直前に対戦したキャラクターでそのままトレモを開始できたり、相手のプロフ確認がスムーズだったりと便利さが隅々まで行き届いている。

 ランク最底辺だと多少Botとマッチする場合があるが、続けていれば気にならない程度である。気軽かつ快適に同レベル帯の対戦相手とのファイトを楽しめるのだ。

・スマ勢、割と戦える

 正直ほら、スマブラって愉快なパーティーゲームだし、硬派な格ゲーに移るとやっぱ厳しいんじゃないかしらと思っていた。先入観があった。

 意外にもちゃんと戦えた。

 有利フレームの概念はスマブラにもあるし、対空だって、反確だって、起き攻めだってスマブラに存在する。画面端の攻防は言うなれば崖狩りそのものだ。ライン管理や有利不利の状況判断に至ってはスマブラのほうが複雑まである。

「でも、コマンドとか難しいし……」

 と、おっしゃるあなた。いや、下投げ反転空後のほうが難しいと思います。

 実は必殺技コマンドは簡単である。なぜなら、方向入力自体は通常技を振っている間にじっくり入力できるからだ。覚えるべきはキャンセルできるタイミングだけで、技が当たったタイミングで上手く攻撃ボタンを押す、そうするとアッサリ必殺技は出てくるのである。

 中足波動は実質下投げ空前である。とっても簡単。

「でも、目押しコンボとかもあるし……」

 と、おっしゃるあなた。いや、4式空ダのほうが難しいと思います。

 目押しコンボというのは、キャンセル技と違って技の硬直が終わる瞬間に次の技を降る連続技である。先行入力の猶予は3F。そしてみんな大好き空ダも猶予3Fだ。ちょっとの練習で習得できる。しかも空ダと違って連打で問題ないのだ。

 目押しコンボは実質ダウン連である。割と簡単。

「でも、キャラ対とか大変そうだし……」

 と、おっしゃるあなた。お前やってたゲームのキャラ数87体やぞ。

 スト5のキャラ数は45体である。確かにVトリガーやVスキルなどで幅は広がるが、スマブラだって負けていない。変身したりゲージが増えたり乱数だったり、なんなら対戦開始時に相手の技構成が公開されない奴らも居る。クソが。

 そしてストとスマで決定的に違うのは、技の詳細データが公式からどの程度公開されているか、である。スト5は、シャドルー研究所という公式サイトにて全キャラクターの全技データが記載されている。発生硬直有利不利を、公式が用意してくれている。見るしかねぇ。ありがとうカプコン。

 こんな感じで、意外とイケるのだ。格ゲー。敷居が高く感じているだけで、蓋を開けると非常にシンプルなのである。

 特に、"重ね"はスマ勢がめちゃくちゃ得意であろうと考えている。相手の受け身がその場か後ろか確認して無敵の切れる瞬間に適切な技を重ねるというテクニック。つまりやっていることは、誰もが途方もない回数繰り返してきた崖狩りである。そして、これができると普通にブロンズ帯を無双できる。別にコンボ出来ずとも無限にターン継続ができるので。さぁ、初狩りしようぜ。

・フレーム表というパズルゲーム


 算数の時間だオラァ!!


 先述した通り、カプコンは公式でフレームデータを公開している。スマ勢はアルティメットフレームデータだとかスマブラWikiで技のフレームデータを見たりしていたと思うのだが、いかんせんスマブラは当たり方や被ダメ・ステージによって状況が変わりすぎるため、局所的にしかフレーム情報が有用ではなかった。

 その点格ゲーは非常にシンプルで、カス当てというものがめちゃくちゃ少ない。ヒットすると、確実にフレーム表通りの状況が再現される。技を振りまくってゴチャゴチャしている状況は、複雑なように見えて単純な数値で表現できるのである。

 じゃあどんな数値なんだろうかとフレーム表を見ると、一瞬慄いてしまうような数字の羅列が待ち構えているわけだ。ちょっとビビっちゃう。でもコワクナイヨ。

 ファイタープロフィールからヒット率の高い技を見つけて、その技がヒット時の硬直差の数値以下の発生を持つ技を探して、出来るだけ必殺技キャンセル可能な技に繋いで、起き攻めがどんな感じになるか実地検証するわけだが、うーん。こうしてフローをテキスト化すると全然楽しくなさそう。

 最大火力とかスタン稼ぎとか、色々なコンボルートとかハメとかをこねくり回してパズルして、開拓するのが非常に楽しいですよという話をしたかったのだが……意外と要約が難しかったので割愛する。

・一応キツイところもある

 魅力ポイントをたくさん紹介してきたわけだ。しかしまぁ、そりゃあ当然だが、全部がラクショーとは行かない。

 最初に躓いたのは、ジャンプの暴発である。弾きジャンプどころの騒ぎではなく、スト5は斜めだとしても上方向入力すると大空へ飛翔してしまう。ニュートラル盤面で波動拳を出そうとすれば、大体が前ジャンプ強パンチに化ける。私はPAD勢なので方向キーで甘えているが、レバーを使うとなると相当な時間を訓練に要するだろう。

 他には……いや、正直なところ全てレバー入力に慣れないという原因に帰結する。前ステがしゃがみ連打になったり、しゃがみ攻撃から立ち攻撃の目押しコンボでジャンプしてしまったり。

 しかしこれは時間で簡単に解決できる問題である。毎日1時間プレイしていれば確実に技術を体得可能だ。

 強いて言うなら、時間帯でマッチングにムラがある事だろうか。格ゲー界の住人はどうやら極めて健康的あるいはプロ意識が高いらしく、日を回る深夜帯になると極端にマッチングしなくなる。たまにマッチしても悲惨な回線強度が示されていて、おそらく海外勢しかやっていないということなのだろう……。あとルーキー帯のサブ垢勢多すぎ

・まとめ 格ゲー、おもろい

 ぶっちゃけ最初はもう必殺技が出るだけで楽しい。ジャンプ攻撃でぴょこぴょこ相手の頭上を飛び越えたり、鬼の小足連打でドットを削り切ったり、奇声をあげて突進技で突っ込んだり。わちゃわちゃしていて良いのだ。

 ゲームは自由。できることを少しずつ増やして、何かを体得して、勝利して、成長していく過程にこそ意味がある。

 スト6の情報もぼちぼち出てきた。ギルティもまだまだアツい。格ゲー経験を一度得れば、あとはいつだって再開できる。スマブラもアプデが終わってひと段落した今、ちょろーっと格ゲーを触ってみてほしい。とりあえずブロンズ入るくらいまでランクを回してみてほしい。気づけばきっと沼に落ちているはずだから。

 皆様に良きゲームライフが在らんことを。

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