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お金を払うことで色々なことをやってもらっている。

豚を殺す代わりに、スーパーで肉を買う。面倒な介護を、ヘルパーさんにやってもらう。友達からお金を借りる代わりに、利子を払ってでも消費者金融から借入をうける。

お金を少しでも節約するために、弁当を持って行ってるが、朝もう少し寝ていたい、変わり映えがしない弁当を食うより、毎日違うおにぎりが食べたい。ラーメンが食べたい。二郎に行きたい。ヤサイマシマシニンニクアブラカラメの呪文を唱えて、目の前に小さな山を召喚したい。

水筒に水道水をいれて、持っていってる。不意に見る自動販売機は宝石店が放つダイヤモンドの輝きより煌びやかに見える。

金を返すためだけに、スーパーのレジに立つ。客が買っていく、酒、野菜、肉、お菓子、刺身，惣菜諸々が羨ましい。バイトに行く前に飯を食べてきたはずなのに、4〜5時間そこらのシフトであるのに、お腹が鳴っているのはなぜか。煙草と水で空腹を押し殺す。

借金を作った理由が、一回飲んだだけの女に貸して回収できないというだけなのが、なおさら腹が立つ。

立った腹を必死に座らせて、明日もまた大学の教室で、着席し講義を受ける。