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僕らが作った作品 その4 月例展示会編 by プロジェクションマッピング

始めに

こんちにはSUKEです。
初めて見ていただいた方もいると思うので簡単に自己紹介をさせていただきます。
私は現在、東京のとある大学の芸術系学部で映像表現やコンテンツ企画を学んでいる大学4年生です。
映像について学ぶ傍ら、大学内で「Mapper」というメディアアートサークルを立ち上げ、現在代表として作品制作や指揮を行うとともに、サークルのメンバーや後輩、大学外のメディアアートに興味のある・作ってみたいと思っている人に向けて制作フローや技術を伝える目的でnoteを書いています。

たまにサークルの活動をしていて思ったことなどを書いていますが、今回はメディアアートサークル「Mapper」の活動で制作、展示した作品の紹介をしていきます!

作ったもの

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『変わるユニフォーム』
使用機材:プロジェクター、Tシャツ、ハンガー、額(A4とA3)
使用ソフト:MadMapper(プロジェクションマッピングソフト)、Adobe AfterEffects

概要

この作品は私が代表をしているメディアアートサークルMapperの第四回展示会にて制作、展示した作品です。
前回紹介した『RGB』同様、1週間行った『RGB』の展示終了後すぐに展示を開始したため制作期間は1週間ほどになっています。

ブースは大学から借りたパーテーションに暗幕をかけることでマッピングをするTシャツが目立つようにし、後述の理由のために額を養生テープなどで固定し配置しています。

1〜3回目までの展示で平面、立体と挑戦してきた訳ですが、いずれもノートや額、木箱など直線で構成されたものだったため、本作品では「服」という曲線を持つ対象への投影という挑戦をした作品でもあります。

制作の流れ

いつも通り、前作の展示期間中に何を作るのかを考える訳ですが、概要にもあったとおり曲線のある「服」に投影することを決めてから、服に何を投影するのかを決めていきます。
そこで上がったのがユニフォームであり、最終的にメンバーから自分を含めた2名でそれぞれ野球とサッカーのユニフォームの映像を制作し、私は野球の映像制作を担当することとなりました。

コンセプトの決定
服にユニフォームを投影すること、そして展示の場所が決まるに連れて最大で4着まで服をかけられることが分かり、野球の名対決を感じられる作品にしてく形となりました。

映像制作と出てきた問題点
コンセプトが決まると次はその映像を制作することになります。
先程も書いたように今回は4着のTシャツに野球の名対決の登場するチームのユニフォームを投影することから、左側2着で1チームのユニフォームの表と裏、同じく右側2着で1チームのユニフォームの表と裏を投影する形にしました。

映像制作を進めていくと、今までの直線で構成された物体に投影していたときとは違う問題が出てきました。
それは「どうやってシャツの形に合わせるのか」です。
今までの作品では、ノートや額縁、木箱といった面が長方形や正方形で作られたものばかりであったため、その比率に合わせて映像を作りMadMapperで位置を合わせれば問題なく投影が可能でした。
しかし今回は曲線であることから、正確に服の形に合わせて映像を制作することが不可能であったため、映像を制作する段階から別の方法を取る必要がありました。

問題点の解決策
それを解決したのは対象にとらわれない映像制作とMadMapperのマスク機能です。

試行錯誤を行ううちMadMapperにマスク機能があることが分かりました。
マスクとは映像の一部を選択してそこのみ切り取って表示させたり非表示にさせる機能です。

ユニフォーム

またこのマスク機能は点を自由に打ってマスクを作成出来るため、上の写真のように服型にマスクを作成しこのマスクの点を追加、移動させることで服の細かい曲線に合わせることが出来るようになりました。

これより映像制作時には、服の形に制作するのではなく正方形で制作し、マッピングソフト上で投影時に形を合わせるという手法を取ることが可能になり、服の個体差や変形にもその場で対応出来る様になったり映像の修正も容易になりました。

ブース設営
投影の方法や投影した映像が完成するとブースの設営に入ります。
今回はユニフォームを元に名対決を取り上げていることから、その勝負を感じられるある種の記念館的なコンセプトで設営を進めました。

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このコンセプトを元に実際にブースに設置したのが、一つ目の写真にある額にいれた試合の光景です。
実際に投影されているユニフォームを身に着け対戦が行われた試合の風景や有名なシーンを取り上げ展示しました。

もう一つが2つ目の写真にある額縁です。
写真では見にくいですが、額にも映像が投影されており、その時の対戦が行われたチームのエンブレムや賞レースであればその賞レースのロゴが投影されます。
(写真にあるのは2013年の野球、日本シリーズの対戦カードである楽天vs巨人のユニフォームとその対戦が行われた日本シリーズのロゴが投影されています)

また作品への没入感を高めるため、映像と共に音声を流しチームの応援歌か選手の入場曲など、その対戦を知っている人もそうでない人も興味を持てる空間を目指してデザインしていきました。

大変だったこと

投影の方法やその対象など、新しい部分が盛りだくさんであったことからその対策の多くが大変だったことですが、作品そのものよりも作品じぇの観客の誘導が今までにない課題でした。

これまでの展示や本作品も同様ですが、展示は我々メンバーが在籍している大学のキャンパス内で行っています。
そのキャンパス内には所によって人通りの少ないエリアが存在し、これまでの1〜3回目とは異なりこの『変わるユニフォーム』は人通りの少ないエリアでの展示となりました。

となると人をこの展示ブーズまで誘導する施策を取る必要があり、この対策が一番大変だった部分かもしれません。

今回に限らず、Mapperの展示は作品どのものと同じレベルで集客の施策に力を入れているため、集客方法はそれで一本の記事としてnoteに書こうと思います。

最後に

今回は4作目の作品となる『変わるユニフォーム』について紹介してきました。
服への投影や集客施策の工夫、没入感を高めるブース作りといった今までとは違った部分にも力を入れた作品です。

前回の『RGB』の時同様、服掛けるハンガーや額縁の固定には養生テープを使用したり、ブースもハンドメイドで暗幕を固定するなど全てが洗練されて進めた訳ではなく、地道に時間やお金が無いながらも模索していくという超アナログな部分もある展示でした。

次回もこのような作品紹介やサークル活動を通して思ったことを書いていきますので、よろしくお願いします!

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作った作品やその制作風景、そういった活動で思ったことなどなどをTwitterにて書いているので覗いていただけると嬉しいです!

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