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あなたを支配する”裏の目標”を炙り出す『免疫マップ』の作り方 〜適応課題に向き合おう〜

前回書いたnoteの続きです。

この本で紹介されている『免疫マップ』を、できる限り分かりやすい内容でご説明したいと思います。

完成形のイメージと概要

先に例として完成形を載せてみます。

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この方-仮にAさんとします-は、「他人に自分の仕事を任せたい、任せられる様になりたい」と考えています。ポストが上がったり仕事の役割が増えるにつれてこういったテーマを持つ方も多いと思います。
「任せる」こと自体は簡単です。仕事の優先度を決め、任せるべきタスクを決め、納期を決めて、託す。が、それが出来ない、続かない。任せたところでまた巻き取ってしまう・・。
それは何故か。Aさんには「他人に依存せず万能でありたい」という隠された「裏の目標」がありました。隠された、というのは隠していたわけではなく、Aさん自身も認識できていなかったという意味です。本書の中では「Aさんが支配されていた裏の目標」と表現されています。
また、この「裏の目標」の背景には「強力な固定観念」があります。Aさんの場合「他人に仕事を任せると自分の存在意義が失われてしまう」という固定観念がありました。

「技術課題=どうやって人に任せるか?」を捉え、改善策を講じることはできますが、それだけではなかなか改善することができない。
「適応課題=他人に仕事を任せると自分の存在意義が失われてしまうという固定観念」を炙り出し、その上でどう向き合うか、”適応”するか。
”克服”ではなく”適応”と呼んでいるのは、その固定観念自体はある種のトラウマであったり価値観であったりするため、それ自体を克服、改善するのではなく、そういった固定観念を理解し、変わらない前提で”適応”する、慣れる必要があるためです。

この辺りまでを読んで個人的には目から鱗・・!だったのですが、この感動が皆様に伝わっていれば幸いです・・。


作成の手順

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1.①改善目標を記載する
「成長目標」と置き換えるとわかりやすいかもしれません。できる様になりたいこと。「本当に実現したいこと」であり、「改善ポイントが自分自身の中にある」ものを記載する必要があります。
例えば、「上司と馬が合わないので他の部署に異動して欲しい」など他責によるものはNGです。書いてみて「本当に実現したいか」を吟味し、違和感がある場合は書き直します。

2.①に対して、それが出来るようになることを”邪魔している”行動=阻害行動は何か?
感情ではなく”行動”を書き出します。感情が思い浮かぶ場合は、それによって起こしている行動に置き換える。
例えば「不安」という感情が出てくる場合、不安によってどんな行動に及んでいるか、を書き出す。出来るだけ多く、具体的に、場面を想定しながら書きましょう。この阻害行動の具体性が後の「裏の目標」探しに役立ちます。

3.「阻害行動」に書いた行動を”全て行う”としたら、どのようなことが達成される?
「阻害行動」に記載した行動を全て”行う”ことによって、自分が何を得たいか?を考察することによって、自分が”支配されていた”「裏の目標」を炙り出していきます。
自分にとっても表面化していないことなので、「うわ、こんなもの人に見せられない・・」と思えるぐらいのものにならなければ、書き直す必要があります。「阻害行動」に記載したことによって炙り出されるものなので、「裏の目標」が弱い、と感じる場合は「阻害行動」を改めて書き出してみましょう。

4.「裏の目標」を形成する「固定観点」を捉える
なぜそのような「裏の目標」を考えるようになったのか?過去の体験や価値観から持っている自分の固定観念を捉えます。一人では自身のトラウマ等と向き合うのが難しい場合もありますので、信頼できるコーチや友人・家族の援助を受けることが勧められています。

5.固定観念をながめてみる。「本当にそうか?」
固定観念に記載したことを、改めて俯瞰して眺めてみましょう。
「本当にそうなのか?」「その時はそうだったかもしれないが今もそうか?」「実際にそのようなことを誰かに言われた、されたことはあるのか?」

私がコーチングさせていただいているあるクライアントさんの例です。
新しいチャレンジをしたいのですが、なかなか一歩踏み出せない。その理由として「家族や親戚から、折角良い大学、良い会社に入ったのにもったいないと思われてしまうのではないか・・」という固定観念があることに気付きました。私から「実際に言われたことがあるんですか?」と質問すると、「いや、実際には無いですね・・」。
このやり取りは今振り返ると、固定観念を炙り出して”適応”したやり取りだったのかなと思います。本書の中では固定観念は大抵の場合本人の思い違いだ、とも書いてあります。書き出してみたら全然違った、とか、今見てみるとどうってことない、なんてことも多々あるのかなと思います。なにより固定観念を炙り出し、書き出してみて、俯瞰して眺めてみることが重要です。

一人でやるのは結構難しい

私自信も本書に沿って『免疫マップ』を作ってみましたが、一人だけで作るのは結構難しいなと思います。特に「裏の目標」を炙り出すプロセスは、一人だけで作ろうとすると弱めな目標になってしまいがちです。「裏の目標」は、繰り返しになりますが「うわ、自分こんなこと考えてたのか・・」と恥ずかしくなるようなものでないとあまり効果が無いとされています。だからこそ他の人と実践するのが難しいのですが、信頼できる友人・家族・コーチと共に進めることが推奨されています。

やりたい、と思っているのになかなか行動に進めない際の非常に有効な手段だと思いますので、ぜひ活用してみてください。その一助になれば幸いです。


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