「自己決定感」とはなにか?〜自分で決めた感が自分を強くする〜
何かの記事で「自己決定感」という言葉を目にして、良い言葉だなと思ったので、色々調べてみてnoteにまとめてみます。
自己決定感とは?
「自己決定」に対する明確な定義づけ、意味づけは見つからなかったのですが、要は「自分で決めた」「自分で決める」ということになると思います。「自己決定感」だと「自分で決めた感」ですね。
この「自分で決めた」という感覚ってとっても大事だなと思います。
「自分で決めたので最後までやり切る」
「自分で決めたので失敗しても仕方がない」
等は日常でも行われるやりとりかと思います。
この「自己決定感/自分で決めた感」が強いと、内発的動機が高まる、自信がつく、ということは様々な記事や論文にまとめられていますし、経験則とも近いと思うのですが、『幸福感と自己決定―日本における実証研究』という論文にかなり詳しくまとめられています。
幸福感を決定する要因としては、健康、人間関係に次ぐ変数としては、所得、学歴よりも自己決定が強い影響を与えることが分かった。自分で人生の選択をすることで、選択する行動への動機付けが高まる。そして満足度も高まる。そのことが幸福感を高めることにつながっているであろう。国連の世界幸福度報告書での、国際ランキングでは、日本は幸福度がそれほど高くなく、特に国全体で見ると、「人生の選択の自由」の変数の値が低い国である。そういう日本社会で、自己決定度の高い人が、幸福度が高い傾向にあることは注目に値する。
「自分で決める」ので「内発的動機付け」が高まり、だからこそ成果も出やすいでしょうし、仮に成果に繋がらなかったとしても自分で決めたことなので納得でき、それらが「満足度・幸福度」につながる。
非常に納得度が高いですし、周囲にいる「ごきげんな人たち」はこぞって「自分で決めてる感」が強いので、自分自身の体験とも合致します。
どうやったら「自分で決めた感」を醸成できるのか?
本題はどちらかと言うとこっちです。どうやったら「自分で決めた感」が作れるのか。「自分で決めた感」が強い人はどういう人なのか。
先に紹介した『幸福感と自己決定―日本における実証研究』の中では、高校、大学、就職先の決定方法を「①全く希望ではなかったが周囲のすすめで決めた」〜「⑤自分の希望で決めた」の5段階で収集し、合計点が高い人を自己決定感が高い、としています。
私は高校・大学・就職も「自分の希望で決めた」に該当します。が、特に高校選択においては「その当時の自分の学力やレベルで選べるものの中から希望に合致するものを選んだ」という感覚に近く、「自分で決めたった」感はあまりありません。大学・就職に関しても、無限の選択肢の中から選択した、というよりは、見える選択肢の中から最善のものを選択した、という感覚の方が近いです。また、学校や就業先選択においては第一志望に「決めた」が「選ばれなかった」ということも発生してくることになります。
余談ですが、私が通っていた高校は「推薦入試で小論文だけ書いて入ってきた人(私)」か、「第一志望の都立高校に落ちて滑り止めで入ってきた人」が大半を占めている高校でした。当時、全体的に「愛校心」が低いなと感じていたのですが、このように振り返ると「自分で決めて入学してきた人」があまり多くなかったのも1つの要因だったのかなと思います。
話を戻します。
私の身の回りにいる「自己決定感の強い人」をイメージしながら、どうしたら「自己決定感」を高められるか、を私なりに考察してみます。
1.受け入れる
いきなり精神論的な話ですが、実は一番大事なことではないかなと思います。「自分で決めたこと」として受け入れる。あるいは、たとえ第二志望であったとしても「決まったこと」として受け入れ、前を向く。よく言われることですが「正解を選ぶのではなく、選んだ道を正解にする」。これが出来ている人は常に前向きだし、自信に満ち溢れている人が多いなと思います。
2.意味づけが出来ている
「自分が決めた理由が語れる」。これも大事な要素です。
後輩に入社理由を聞かれて、話しているうちに初心を思い出してやる気が出る、なんてこともあるかと思いますが、これはまさに理由を言語化することで「意味づけ」しているプロセスかと思います。「自分で決めたこと」に意味をもたせると、「自分で決めた感」がより強まると思います。
3.「自分で決める」機会を多く持つ
先の論文でも述べられていますが、日本は海外に比べ「人生の選択の自由」が少ない国です。仕事・キャリアに閉じると、一般的にはまだまだ1社に長く勤めるのが当たり前ですので「選ぶ」「決める」機会はほとんど無いかと思います。コーチングセッションでもよく話題に上がるのは「入社した理由はあるが、今いる理由はなにか」というテーマです。3年前、5年前の「入社理由」が「今この会社に在籍している理由」とは限りません(というか大抵の場合違うはずです)。「今、この会社にいる理由」を「決める」ことも、「自分で決める」1つのプロセスかと思います。
つまるところ、
「自分で決める」機会を多く持ち、「決めた理由」を言語化し、「決めた」からには一定期間頑張ってみる
というのが「自己決定感」を高めるプロセスかもしれません。
書いてみると、そりゃそうだろ、という気もしますし、それができりゃ苦労しないよ、という気もしますが・・。
「自分で決める機会」と言われると難しく聞こえますが、人間は1日に35,000回判断している、と言われていますし、些細なことでも「自分で決めている」はずです。そしてその「決めていること」には共通項はその人らしさが詰まっているはずです。まずはその共通項探しや言語化から始めてみると良いかもしれません。
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