融合阻止隊フュージョンバスター

『こちらケイブ26。デコイ13の活動を確認。対象13の索敵に入ります』
『了解。今日こそ確保してください。もう融合深度は危険値に入っています』
 
ドッカアアアアン！！
盛大な爆発！悲鳴をあげ逃げ惑う人々！
「たっ助けてくれ！」「バケモノだぁ！」
パニックを起こす人々の中。強い瞳で前を見つめる少女が一人。
 
「早く止めなきゃ！」
「久実ちゃん！変身ピョン！」
「よーし！いっくよー！」
 
少女のに肩にのったふわふわのウサギ。額の宝石が光を放ち、華奢な体を包み込む。
 
「キューティフュージョン（可憐体融合）！」
 
『対象13出現しました。融合深度20から25！』
『了解。ケイブ26、現在ストラ24とディープ8が現場に急行中。』
 
光が消えると、制服は白と赤を基調にした戦闘衣に変わっていた。
ウサギ耳に黒いバイザー。要所に光る深紅の宝石、純白のスカートから伸びる黒いタイツの足。
 
『深度30から上昇。非常に危険です！』
 
「ラビットキック！」
「グガアッ！」
両足で巨大な狼の頭を蹴り上げる！ 小型トラック程の狼は吹っ飛んで壁に激突！
 
「意地悪さんはゆるさない！　ミルキィラビット参上！」
「オノレェ！　マタシテモ貴様カ！」
怒り狂う狼が牙を剥く！

「聖なる光よ！邪悪を照らせ！ミルキィレイ‼」
真っ赤な宝玉が燃える。輝きが収束し、紅蓮のビームと化した！
「グワアアア‼」
深紅の光で巨大な狼は焼き尽くされ、分解していく。
 
「バケモノを倒したのか！」「ありがとう！」
「皆さん大丈夫ですか？怖いことがあったら、ミルキィラビットを呼んでくださいね！」
 
「久実ちゃん、今日も大活躍だったピョン！」
「うん！みんなを助けられて良かった」
少女の胸に満ちるのは熱い達成感――
 
後ろから伸びた腕が、ウサギの耳を鷲掴んだ！
「な、なんですか！？」
後ろにいたのは黒いボディスーツに身を包んだ冷たい目の女性だった。
「こちらケイブ26。融合母体13を確保しました」