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今年最大規模の資金調達をしたDefense Techの「Anduril」とは?


Defense Techの「Anduril」が8月7日、おそらく今年最大規模となる資金調達を発表した。評価額140億ドルで15億ドルを調達。評価額は前回(2022年12月)の85億ドルから1.6倍と大幅に引き上げられた。

国防のゲームチェンジャー

アメリカの国防は現在、Lockheed Martin、RTX、Northrop Grumman、Boeing、General Dynamicsの5つの巨大企業が占領。5社は米国防総省から数十億ドルの収益を得て、独占的な地位を確立している。そこに割って入ろうとするのが、今回ご紹介するAndurilだ。

ただ標榜するだけではない。今年4月には、米空軍の共同戦闘航空機 (CCA)のプロトタイプを開発・試験するプログラムでLockheed、Northrop、Boeingを打ち負かし、契約を獲得するなど、その「価値」は既に市場から評価されている。

安く、大量に、早く

彼らが展開するのは、兵器の製造プラットフォーム「Arsenal」。最大の特徴は、安価な武器の大量生産に最適化している点だ。

Andurilいわく、主要な兵器と弾薬の補充リードタイムは平均して2年を要する。そのため大規模な紛争では、兵器と弾薬の使用量はすぐに供給を上回り、米国は数週間で兵器が枯渇する可能性がある。ロシア- ウクライナ間の戦争でも度々取り上げられているように、武器不足は国防にとって文字通り死活問題なのだ。

そこでAndurilでは、製品の約90%を市販の部品と同じ材料を使用。この多様で信頼性の高い部品プールへアクセスすることで、リードタイムと生産コストが削減できる。

巨大工場を建設中

Arsenal-1 完成イメージ

Andurilは武器の製造施設の開発も進める。中央インフラ施設「Arsenal-1」の開発には数億ドルを投資。完成すると、500万平方フィート(東京ドーム10個分)を超える生産スペースに。1,500人以上の従業員を雇用し、年間数万の自律型軍事システムを生産できるようになる。

製造拠点を分散せずに一点に集約させることで、製造リソース(人材、資本、機械、材料)の再配分が可能。新製品を立ち上げや、需要の急増に対応して生産をスケールアップするために、「最大の柔軟性を提供できる」という。

大量生産できる仕組みがありつつ、人材面では、AIやロボティクス、航空宇宙などの専門家がエンジニアとして集結。チームの20%以上が退役軍人であり、彼らの防衛経験を活かして、製品が戦場での兵士のニーズに応えるようにしている。

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